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おばあちゃんに会いたいな No.15

中学生の頃、毎週土曜日になると自転車を漕いでおばあちゃんの家にお泊まりに行く。
友達と遊ぶ事よりもおばあちゃんに会いに行きたかった。
20分かけてダッシュで自転車を漕ぐ。
毎週会いに行ってるのにダッシュで
自転車を漕ぐ。
いつもの坂道。めちゃしんどい坂道。
しんどくても、おばあちゃんに会いたすぎて毎週ワクワクの方が勝つ。
おばあちゃんは、あまり何も喋らないけど
いつも私の側で座ってる。
一緒にご飯を食べて
一緒にお風呂に行って
一緒にテレビを観て
一緒に寝る
ただそれだけ。
日曜日のお昼になると焼き飯を作ってくれる。
具は、卵とご飯とソースと塩コショウ。
ただそれだけ。
でも、めちゃくちゃ美味しい。
私は、お昼ご飯を食べた後おばあちゃんの部屋を掃除する。
なんか分かれへんけど、してあげたくなる。
自分の部屋は汚いのに。
それが、私の週末の予定でした。

高校2年生の頃
お隣のおばあちゃんに貰ったスイカを食べて
おばあちゃんが食中毒になって入院してしまった。
1週間ほどで良くなって
いよいよ次の日が退院の日。
お母ちゃんと2人で迎えに行く予定。
ワクワクが止まらない。
その日は嬉しすぎて寝付きが悪かった。

次の日の朝早くにお母ちゃんに起こされた。
おばあちゃんが意識不明やって聞かされる。
なんで?なんでなん?
今日、退院やったやん。
おばあちゃんは、看護師さんを呼ばず
自分でトイレに行こうとして
ベットから落ちて頭を打ったらしい。
半身不随になってしまいました。
命に別状はなかったからか
母親に
「学校から帰ったら顔見に行こう」
「学校は、行きなさい」
学校休んででも行きたかったけど
それはあかんと言われ。
学校に行きました。
学校が終わると走って家に帰って病院へ。
おばあちゃんって呼んだら、少し手を動かしてくれる。
あの時いっぱい泣いてもうたなぁ。
あっという間に面会時間が終わる。
毎日毎日通ってもおばあちゃんの状態は変わらない。
でも、私の事は分かってくれていて
手はいつも握ってくれる。
ずっと手を繋いでたなぁ。
ある日の夜中、またお母ちゃんに起こされた。
「おばあちゃんが危篤やから、病院行くで。」
頭が真っ白になりました。
自転車漕いでる時泣きすぎて前が見えにくかったのを覚えてます。

病院に着いた時には、おばあちゃんは亡くなっていました。
間に合わなかった。
私はショックすぎて、貧血になって倒れてしまいました。
親戚のおばちゃんが、
「あんたがしっかりせなどないすんの!
大好きなおばあちゃんやろ!」
でも、立てなかった。
今までこれ以上に悲しい気持ちになった事がない。
ほんまに辛くて悲しくて。
自分の居場所が無くなった。
ほっとする場所が無くなってしまった。
それからの私は、どこか空っぽになってしまって毎日が生きづらかったな。
おばあちゃんの事を思い出しては、泣いてしまう。
毎日その繰り返し。

おばあちゃん、今もおばあちゃんの事思い出したら涙が出るねんで。
でも、おばあちゃんの事こんなにも大好きやからしょーがないやろ。

おばあちゃん、会いたいな。


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