見出し画像

撃て!撃つんだぁジョー!

 とある秋の夜長。

 ゆるゆるとジントニックを飲みながら、YouTubeで『龍が如く』の動画を見ていると、錦山くんが桐生ちゃんに銃を突きつけ、涙ながらに語っているところでスマホが鳴った。

 LINEの送り主は我が妹だった。

 我が妹は一枚の画像を送ってきていた。

『猟銃・空気銃所持許可証』?!

「狩猟免許は来年取る」?!

 えっ、どしたん?

 我が妹は猟師になるの?

 よく聞いてみると、どうやら妹はジビエ料理が好きすぎて沢山食べたいのだが、お店で食べるとやたら高額なので

 「自分で撃ってバラして食べることにした」らしい。

 メッセージのやり取りをしながら、私は不思議な気持ちになっていた。

 私自身も以前、狩猟免許を取ろうかと考えたことがあったのだ。

 もっとも、妹のように健全な理由ではなく、その頃の私は職場と仕事にほとんど絶望しており、そこから逃れたい一心というネガティブな理由だった。

 北海道に移住し狩猟免許を取って、猟師としてまったく新しい人生を始めようか、、、?

 北尾トロの『猟師になりたい』を読みながら、半ば本気でそんな事を考えていた。

 結局その計画は頓挫するのだが、それから6年も経ったのち、今度は妹が猟をしようとしているのは意外だった。

 しかも彼女は第一歩を実行に移した。
 立派である。

 肉が余ったら送ってくれ。買い取ろう。
 そうメッセージを送り、やり取りは終了したが、ちょっと気になることがあった。

 我が妹はペーパードライバーのはずだ。

 仕留めた獲物をどうやって運ぶのであろう。

 まあ、知り合いに車を出してもらうとか、
撃ったその場で解体して肉はクーラーボックスに入れて持ち帰るとか。

 常識的に考えればそうなのだが、
 なんだか我が妹は、仕留めた獲物をぶら下げたまま電車に乗りそうでちょっと怖い。

 イノシシと銃を背負って電車に乗ってる女がいたら、たぶん我が妹です。

 オイオイオイオイ。
 死んでるわイノシシ。

 、、、なんて事を書いていたら、後日また我が妹からLINEが来た。



妹「銃買ったよー」
私「!?」

 「買ったよー」じゃねぇんだわ!
 いきなりすぎてビビったわ!
 ブラックラグーンかよ?!

 以前、私がおすすめした北尾トロの『猟師になりたい』が手に入らないので取り寄せるつもりだと結んでいたが、ちょ、待てよ。

 ベレッタ1301コンプが手に入って、本が手に入らない状況ってなんなんだよ!

 南アフリカか!

 久々に大爆笑して気分が良いので、
 このまま寝ようと思います。
 おやすみ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?