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認知症ならまずこの本!

 母親の認知症をきっかけに、インターネットで調べたり、Amazonで本を検索し情報を収集していました。教科書的に認知症の介護と手続きについて書かれたQ&Aの本も参考になりましたが、個人的にもっとも参考になったのは『家族よ、ボケと闘うな!』という、やや過激なタイトルで買うのを一瞬ためらった本です(笑)。長尾和宏先生(尼崎市の町医者)と近藤誠氏(西条市役人)の往復書簡の形で認知症について様々な立場や角度から書かれたものです。

 非常にたくさんの患者さんと接してきただけあって、机上で書かれたものではなく、現場を第一に、家族も含めてどのような状況なのか熟知されていると感じました。参考になっただけでなく、おおいに励まされ、母親との接し方、施設とのやり取り、病院での医師との向き合い方に役立ちました。

 認知症は病気なのか、それとも老化なのか?認知症かなと思ったらどの科に駆け込むのが正解か?てっきり精神科か心療内科だと思っていました。神経内科、脳外科?いずれも正解だそうです。しかし認知症を数多く診ている医者かどうかがポイントで、認知症専門医の資格があっても、認知症ご本人の話をどれだけたくさん傾聴してきたのかが大事というのは納得でした。

 トボトボと前かがみに歩く元気のないおじいさんが病院にやってきたら、精神科では「うつ病」と診断し、神経内科は「パーキンソン病」、認知症専門医は「レビー小体型ないしアルツハイマー型認知症」、脳外科医は「多発性脳梗塞」と診断することがあるとか。医者が間違えることもあるそうです。

 現在、日本では4種類の抗認知症薬が認可されています。新たにレカネバブも加わり、アルツハイマー病の進行抑制を期待できる効果があるとされています。いずれも進行を抑えるのに有効であるとされていますが、「なぜ医者は薬の処方を間違えるのか」「認知症をうつ病と誤診する医者」なども興味深い話でした。






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