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『生 kill the time 4you、、』/大森靖子

「ようこそ地球🌏ここは安全圏じゃないっすよ
 呼び出しちゃってごめんね🙏」

私なんてまだまだ何ひとつ世間を分かってないガキだと思う人も、たくさんいると思う。
でも、私はある程度この世の中で生きていくことの大半は「辛いこと、しんどいこと」の連続だということを知っている(知っていると言いつつこれも間違ってるかもな、、)
私が将来子どもを生むとしたら、その子にはこれから先「辛いこと、苦しいこと」が待ち受けているということを、私は知ってしまっている。

だから、その子の幸せを願うより先に「呼び出しちゃってごめんね」と言える人になりたい。
子どもの幸せは、その子の中で完結するものではないよな、、
子どもの幸せは「親の幸せ」

大森靖子さんの『生 kill the time 4 you』の印象的な冒頭部分を聞くたび、この曲は自分の母の頭の中みたいだなと思う。
私の母は「呼び出しちゃってごめんね」派の人間なのだ。
母は、私を産んだこと、私に幸せになってほしいと願うこと、私のために習い事に通わせたこと、受験頑張らせたこと、全て私の幸せのためであり同時に自分のエゴだと理解している人だ。

小学2年生の時、「名前の由来をお父さん,お母さんに聞いてみよう」という宿題が出された。
私は母に自分の名前の由来を聞いてみたが、「名前の由来はない」らしかった。
驚いた。他の子達は優しく育つようにとか真っ直ぐ育つようにとか、何かしら由来があるにも関わらず私の両親は私の名前に由来を求めなかった。
なぜ私の名前に由来がないのか、その時は多分聞かなかった。

何となく母の考えがわかるようになったのは中学生になってからだった。
母が「めばえ」という番組を見ながら話したことが忘れられない。
「ママの周りにも自分の子どもに、この子は才能とか勉強とか何もなくていいからただ健康にさえ育ってくれれば、とかこの子が幸せになってくれればとかいうママがいたけどなぁ、、それって障がいを持った子が産まれてきたら健康じゃないから期待外れってこと⁇いじめられたりして幸せとは程遠い人生を送る子どもは期待外れってこと⁇って思ってたんだよね」
分かるなと思った。
結局自分の子どもが健康なのも幸せなのも、
「自分がこの子を産んでしまった、辛すぎる世の中に送り込んでしまった」その事実を肯定したいだけのエゴなのだ。

この残酷な考えを母という立場から娘に話せる親を尊敬するし、私に名前の由来がないのはもしかして本当の意味で、私がどんなふうに育っても愛してやるという父母の覚悟だったのかもなと思うのだ。

大森靖子さんの『生 kill the time 4 you、、』を聞くたびに何とも言えない切なさだとか母性だとか優しさ、愛情みたいなものを感じる。

靖子ちゃんの声が好き。
この曲を聴くたびに
「君の戦い出遅れたスーパーヒーロータイム」に、「もっとはやくね会いたかったな 生き抜いた唄と 秘密ルートで手に入れた愛のBGM」
を爆音でかき鳴らして出てきた私が
全ての地球上の愛すべき人たちと
「お揃いの空を背負って息している」
ような気がする。
自分の大切な人と自分のために幸せになるのを許してあげたい、、、

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