1004分の1と置いてけぼりだった2分の1
鏡の中の自分
話し始めた最初は、他人事だと思った。思いたかった。「なんかまたこいつ変なこと言い出したぞ」って藤くんの言葉に笑ってた。でも話が進むにつれて笑えなくなった。涙があふれるとかそんなことでもなかった。ただただ自分のことみたいで、立ち尽くして聞いているしかなかった。藤くんはステージに立って歌っていたら、僕の顔を見たら自分を見つけられると言ってくれた。僕はどうだろうか。自分を見つけられているんだろうか。「鏡を見て、自分が見つからない」抜け殻みたいな自分しか映ってない