TRPGシナリオ制作基礎理論

はじめに

本稿ではTRPGのシナリオ制作を下記4段階に分けて考察する。
①元となる話を考える
②話をTRPGシナリオに変換する
③シナリオにギミック等を配置する
④書いたシナリオを出力する

本稿ではシナリオ制作者とGMが別人であることを想定している。
執筆者本人がGMをするなら、シナリオの詳細な記述は不要である。
また、プレイヤーの要望を聞いてシナリオ内容を改変する、というのはGMのテクニックであり、シナリオ執筆者が考えるべきことではない。

なお特定システムの名称や、専門用語の使用は避けて記述している。
(まあ分かる人には分かる書き方になっているが)

①元となる話を考える

自分でゼロから考えても良いし、元ネタとなる作品から引っ張ってきても良い。
パロディによるシナリオ制作は、古典的な技術の一つである。

その際、元となる話の世界設定と、シナリオを書くTRPGの世界設定とは一致している必要がある。
ここでいう世界設定とは、舞台となる場所や文明レベルのことではない。
主人公たるPC達が果たすべき目的のことである。

PCの目的

敵性存在を必ず倒さねばならないTRPGでは、敵を説得するような話は作れない(元ネタでは説得していたとしても、だ)
逆に、敵を倒すなどの目的がPCにとって必須ではないなら(元ネタでは討伐していたとしても)、PCに戦いを強制することは難しい。
そのTRPGにおけるPCの果たすべき目的は、ルールブックを熟読して理解する必要がある。
(読んでも明記されていなかった、というなら、敢えて目的を定めていないゲームであろう)

舞台背景のテクスチャー

逆に舞台背景などは、ある程度変更が効く。ストーリーの展開も同様である。
いくつか具体例を挙げる。

宇宙を舞台に2つの星が争う話は、ファンタジー世界で2国が争う話と実質的に同じ。
宇宙要塞のセキュリティーに侵入し内部構造を把握するイベントは、ファンタジー世界で古い要塞を設計した人物から設計図を見せて貰うイベントと同じ。
サイバーパンクな街で企業の為に戦うエージェントは、ファンタジー世界における多神教カルトの神官戦士と同じ。
である。

とはいえこれらのテクスチャー変更は、シナリオ構造こそ同じなものの『お話』としては別物になる。
あなたが、エモーション・感情を重要視してシナリオを執筆したいなら、安易なテクスチャー変更は避けた方が良いかもしれない。
(以降の技術論も全てロジック・理論に基く)

単元まとめ

ルールブックをよく読み、PC達にやってほしいことを中心に話を考えよう

②話をTRPGシナリオに変換する

お話は出来上がったので、次はTRPGシナリオとして再構築していく。
(実のところ、この段階からいきなり執筆を始めても良いが)
TRPGシナリオとして必要な要件は
⑴スタートとゴール
⑵シナリオの目的と達成条件
⑶PCの人数と配役分担
である。順に解説していく。

⑴スタートとゴール

例えば『孤島から脱出するシナリオ』なら、PC全員は孤島に来ている必要がある。
スタート時点でのPC達の状況は、ある程度シナリオ側で強制して良い。

古い時代のTRPGでは、シナリオ上の明確なゴールはなく、GMの一存で区切りが良いタイミングで終わっていた。
換言すれば、シナリオ執筆者側で区切りを設けておけば、GMの負担は減る。
例えば
『PC達は英雄であり、世界から魔物を駆逐する為に戦う』
ゲームは理論上無限に続いてしまうが
『PC達は、ダンジョンの地下2階のボスを討伐を依頼された』
シナリオなら明確なゴール地点がある。

スタートの状況と最終ゴールは、事前にプレイヤー側へ伝えた方がスムーズである。
後でも解説するが、事前にプレイヤー側に伝える情報は一纏めにして記述しておくとよい。
プレイヤーへ伝えるということは、まずはシナリオ執筆者からGMへ伝えるということでもある。


⑵シナリオの目的と達成条件

多くの場合、シナリオ目的の達成可否が判明した瞬間=シナリオ終了である。
(筆者は敗北条件を明記せずにシナリオを執筆することも多いが)

中にはシナリオ目的の達成とシナリオの終了タイミングが僅かに違うケースもある。
『期日内に荷物を運搬する』
シナリオでは荷物を届けた後にエネミーと戦ってもいいし戦わなくてもいい。
逆に期日を過ぎたからと言って、即シナリオを終了させる必要もない。


シナリオ目的の達成条件を敢えて曖昧にしておくシナリオは、PC達の果たすべき目的が曖昧なTRPGと特に相性が良い。
『友人が監禁されたので何とかしてくれ』
というシナリオでは、友人を攫った悪人達を全滅させても良いし、監禁場所からの逃亡に全力を注いでも良い。
このようなシステム・シナリオで、想定した解決方法ではなかったので達成失敗と判断するのは、シナリオ執筆者としてもGMとしても悪手である。


シナリオ目的の達成条件を明確にしたいなら、論理的に考える必要がある。
『お姫様がドラゴンに攫われたので何とかしてくれ』
という文章からは、論理的に導き出される達成条件が4パターンある。

A:お姫様を助け出す(ドラゴンの生死は不問、または倒したものとして扱う)
B:ドラゴンを倒す(お姫様の生死は不問、または助けたものとして扱う)
C:お姫様を助ける、または、ドラゴンを倒す。いずれかを満たす。
D:お姫様を助ける、かつ、ドラゴンを倒す。両方を満たす。

多くの人はDのパターンを想定するだろう(実際もっとも無難な条件設定だ)が、明確に記述しなければ誤解される可能性が残る。

各PC毎に果たすべき目的が異なるケースもある。4人中2人はお姫様の救出を目的にしているが、残り2人はドラゴンの討伐を目的にしている場合などである。
その場合、各PCが自身の目的を達成すれば勝利とするか、他PCの目的達成を手助けしなければならないか、なども明確にする必要がある。

結局パターンDのように全部やるのが一番無難といえばその通り。
TRPGが協力型ゲームに分類される所以でもある。

余談だが。
『ドラゴンを倒せば、攫われたお姫様を助けたものとして扱う』シナリオは
『お姫様が呪いでドラゴンに変貌した。倒せばお姫様の呪いが解け助かる』シナリオにテクスチャー変換が可能。
もちろん『お話』としては別物だが、シナリオ構造は同じである。


⑶PCの人数と配役分担

まず事実確認として。2024年時点でのTRPGシーンにおいては
オフラインでのフリーコンベンションやサークルのオープン例外では人数変動式のシナリオが好まれる。
(ゲーム会自体の参加者全員を、いずれかの卓に収納する必要がある為)
オンラインセッションやオフラインでのホームセッションでは人数固定式のシナリオが好まれる。
(参加人数が確定しないと予定を決められない為)
どのような環境でプレイするシナリオなのか、予め考慮した方が良いだろう。


PCの人数は、元となる話の主要人物の数と完全一致させなくてもよい。
『3人の怪盗と3人の警官が色々あって何やかんやする』
話を元にTRPGシナリオを書くとする。下記はPC人数に応じた作例である。

1人:PCは怪盗であり、NPCの警官と色々あって何やかんやする。
2人:PCはそれぞれ怪盗と警官であり、色々あって何やかんやする。
3人:PCは全員警官であり、NPCの怪盗と色々あって何やかんやする。
4人:PCの内3人は警官であり、残り1人は怪盗。色々あって何やかんやする。
(4人目は不在でも構わない。その場合NPCが担当する)
5人:PCの内3人は怪盗。1人は警官。もう1人は彼らを追う新聞記者。
(4~5人目は不在でも構わない) 
6人:元ネタ通り。


人数だけでなく配役分担も、元となる話と完全一致させなくても良い。
物語における配役分担は、分解と統合が可能である。

一例として。とある有名電源ゲームの第一作目は、
『1人の勇者が……王の命を受け/ドラゴンに攫われた/お姫様を助ける』
シナリオである。これを分解すると、
『お姫様を助ける人』『ドラゴンを倒す人』『王の命令を受け戦う人』
3人による物語に変換できる。
そのゲームの続編は
『3人の王族が、世界の平和を取り戻す』
話だが、これは逆に1人の物語に変換できる。

上記2つを組み合わせ
PC①:君は勇者だ。お姫様を救う為に戦う。
PC②:君は戦士だ。ドラゴンを倒す為に戦う。
PC③:君は王に仕え、その命を受け戦う。
PC④:君の国は滅びたが、世界平和の為に戦う。
という物語として再構築すれば『どこかで見たような気がするが、どの物語とも違うシナリオ』になるだろう。

なお上述した配役分担は、各PCの持つ能力や技能、それらに由来する役割分担とは無関係に設定してよい。
ドラゴンを倒す役割のPCは剣士でも魔法使いでも良いし、王に仕える部下はディフェンダーでもヒーラーでも良い。
いわゆるパーティーの戦力バランスを考えるのは、各プレイヤーやGMの領分であり、また楽しみでもある。

単元まとめ

シナリオ目的やPCの内訳は自由に設定できる。柔軟に考えてみよう。
一言で説明できると、プレイヤーに伝わりやすいぞ。

③シナリオにギミック等を配置する

前置き

多くのゲームは、勝利条件(≒終了条件)の達成を阻む障害と、それを突破する方法が設定されている。
例えば双六なら、各プレイヤーはゴールまでに必要な移動距離が設定され、各手番にダイスロールを行って移動する(ただしダイスロールは手番中1回ずつ)といった具合。
それらがなければ、全員無限に移動してしまい、ゲームとして成立しない。

TRPGにおける障害といえば、各種イベント・ダンジョン内の罠・戦う相手であるエネミーなど。
その突破方法は、ランダマイザを用いた判定か、プレイヤー自身の意思決定・行動宣言となる(ここでは『キャラクターの移動先を決定する』といった判断から、『NPCの説得を実際の台詞回しで行う』などの宣言も含む)

ランダマイザによる判定は必須ではない。成功することが明らかな行為なら判定は行わなくてもよいと、多くのルールブックに書いてある。
しかし、明らかに成功できる行為だけやれば良いシナリオは、無限に移動できる双六と本質的には近くなる。
(その場合、会話ゲームとしての側面を強く押し出せない限り、つまらないシナリオになるだろう)

筆者はランダマイザを用いた判定で進めるシナリオを得意とする為、以降は判定が必要なギミックの配置について解説する(理屈っぽい話が続くので、興味がなければ読み飛ばして構わない)
会話を中心に推理力や交渉術で進めるシナリオの魅力を否定するものではないが、筆者の苦手分野ゆえに解説は控えさせて頂く。

TRPGシナリオにおける判定は下記4つに大別される。
⑴誰か1人が成功すれば良い判定
⑵全員が行う必要のある判定
⑶失敗したらシナリオ終了になる判定
⑷複数人が何度も連続で行う判定群

⑴誰か1人が成功すれば良い判定

これはPCの役割分担に意味を持たせ、ひいてはプレイヤーの満足度を高める為のギミックである。
砕けた言い方をすれば、「自分にしかできないことで結果を出せたら嬉しいだろう」ということである。
各PCの見せ場とも言える(その為、多少難易度が高くても文句は出にくい)

なおTRPGの特性上、1つの障害に対して複数の突破方法が提案されるケースは多い。
予めシナリオ側で、複数種類の判定を想定した方が(GMからすると)親切だろう。
鍵の掛かった扉を開けるには、鍵開け技能または物理攻撃技能のいずれかが必要、といった例が有名だろうか。

⑵全員が行う必要のある判定

これはリソースを消耗させる目的で行わせる判定であり、失敗しても構わない(失敗しても先へ進める)判定である。例えば
『PC達は不安定な足場を進めるか判定する。失敗したら落下ダメージを受ける』
『PC達は怪物を目にした恐怖に打ち勝てるか判定する。失敗したら精神的ショックを受ける』
といった具合である。

失敗時に失われるリソースが微少なら、判定自体の難易度が高くても案外文句は出にくい(逆もまた然り、だが)

なおプレイヤー1人のシナリオでは、全ての判定は『全員が行う必要のある判定』になると注意すること。
プレイヤー複数人のシナリオとは考え方を変えねばならない。


⑶失敗したらシナリオ終了になる判定

これはTRPGシステム毎に評価が全く異なる。

ダイスロールの振り直しや、判定を絶対成功させる手段が『無い』システムの場合。
失敗したらシナリオ終了になる判定は、絶対に作ってはダメである。
1度の判定失敗で全てが無に帰すのはあまりに理不尽だし、成功したとしても「ただ運が良かっただけ」という印象が拭えない。

振り直しや絶対成功させる手段が『ある』システムの場合。
これは、そうした手段を持つPCの見せ場であり、またリソースを消耗させる手段にもなり得る。
シナリオで最も盛り上がるタイミングになるとも言える。

斯様に評価が分かれるギミックなので、システムを良く理解した上で執筆すること。

⑷複数人が何度も連続で行う判定群

例えば戦闘や、脱出の為のカーチェイス、大規模な魔術儀式またはその妨害、などである。
複雑で面倒だが、確率的に考えると『全ての判定に失敗し続ける』可能性は低い為、実は安全な判定である。

もちろんPC達の能力や技能は考慮する必要がある。
戦闘が苦手なPC達に戦闘をさせるのは危険だし、コンピューター技能を有していないPC達では機械式儀式魔術を妨害できない。
それらが考慮されているなら、シナリオ内で最も盛り上がるタイミングになり得るだろう。

ただし『最も盛り上がるタイミング』になりうる以上、乱発すると印象が散漫になる。
こうした判定群は、1シナリオで2回ほどに収めておくのが無難か。

戦闘バランス~確定数という概念~

せっかくなので戦闘バランスについて解説する。
もちろん各システム毎に詳細は異なるが、1つ『確定数』という概念を覚えると、考え方が楽になる。

元々はコンピューターゲーム用語で
『相手を何回攻撃すれば確定で倒せるか?』または『相手の攻撃に確定で何回耐えられるか?』を表す。
相手のHPを50%削る攻撃と90%削る攻撃は、どちらも確定2である。
相手の攻撃で40%削られる耐久値なら確定2耐えだが、30%に抑えられるなら確定3耐えとなる。
確定数が変動しないなら、ステータスの高低は実質無意味である。
という風に考える(実際にはダメージ乱数で変動しうるが)

上記を踏まえ、エネミーの脅威度を確定数から算出すると分かりやすい。
(その際、ダメージの乱数は取り得る範囲の中央値とすればよい)

PC達からみて確定1で落とせるエネミーは、いわゆる雑魚である。攻撃役の見せ場を作れる。
確定2で落とせるエネミーは多少の脅威になる。反撃により防御役の見せ場を作れるかもしれない。
シナリオボス級のエネミーなら、PC達の攻撃を確定(PC人数)耐えできると、全員の見せ場を作れて良いだろう。

PCが確定2耐えできる程度の攻撃力を持つエネミーは(防御力上昇や回復によって確定数をずらせる為)支援役の見せ場を作れる。
PC達を確定1で落とせるエネミーは非常に危険である。
しかし、システムによっては『攻撃を1度だけ防ぐ』とか『1度だけ復活する』と言った特殊能力をPCが所持している場合もある。
そのようなシステムでは特殊能力の数=確定数1相当であり、エネミーの過剰な火力は見た目ほどの脅威にはならない。

なお下記の条件を満たす場合、実際の確定数より1段階有利となる。
⚫︎相手より先に行動できる。
⚫︎相手より射程や移動距離が長く、かつ遠距離に配置されている。
⚫︎回避率が高い。
PCの攻撃で確定1で落とせるが射程が長く遠距離に居るエネミーは、多少の脅威となる。
PCを確定1で倒せるがPC全員よりも遅いエネミーは、思ったほどの脅威にはならない。

また元となったコンピューターゲームでも同様だが、『不利な効果を与える手段』は、半端な攻撃よりも脅威足り得る。
(時には火炎放射より催眠術の方が危険である)
エネミー側にそのような能力を持たせると、プレイヤーからの不満は増えるだろう。留意すること。

単元まとめ

判定ギミックはPC達の見せ場。どうすればPCが活躍できるかを軸に考えよう。
でも面倒なら、判定とか最小限でもいいよ。

④書いたシナリオを出力する

最初に述べた通り、執筆者自身がGMをするなら、GM用の記述は極論必要無い。
だがその場合でも、プレイヤーに伝える・見せる為の記述等は必要である。
(マップ上を探索するシナリオなら、マップの準備は必要であろう)
シナリオを出力する際に必要なのは、『見やすいかどうか』である。

ハンドアウトという概念

古い時代のゲームでは、プレイヤーに見せるべき情報を紙に書いて渡していた。
例えば『邪教の館で見つけた魔導書』や『冒険者酒場の壁に貼られたクエスト依頼』などである。
こうした紙を、印刷物という意味の英単語からハンドアウトと呼んでいた。
(当時はルール化されていないテクニックだったが、昨今ではルール自体に取り入れられているケースもある)

ハンドアウト形式で渡すことで、情報伝達の漏れを防ぎやすくなり、また後述の『プレイヤーに見せて良い情報』の管理をGMがしやすくなる。

更にハンドアウト形式は、『一部のプレイヤーにだけ伝えたい情報がある』場合と相性が良い。
マスタリングテクニックの領分ではあるが、プレイヤー全員の前で文章を読み上げる場合と違い、紙に書いた文章を裏向きにして渡せば、秘匿情報の伝達が可能である。
(オンラインセッションでは、秘匿情報が伝達されたこと、それ自体を秘匿することさえ可能である)

余談だが、昔のハンドアウトといえばシナリオが進行してから渡すものだったようだが、現代TRPGではシナリオ開始前に渡すものを指す場合が多い。
(どちらか一方だけが正しい意味、ということは無いので、無用な定義論争は避けること)

プレイヤーに見せる情報/見せない情報

シナリオ内には、セッション中にGMが把握すべき情報が殆ど全て記載されているが、その中には当然プレイヤーが見てはいけない情報も混ざっている。
敵のデータや罠の内訳なら、何の理由もなく公開されないと分かるだろうが。
これが、情景描写などに混ざって重要情報が書かれていたりすると、読み上げるGMは混乱する。

プレイヤーに伝えてもよい情報と、GMだけが見てよい情報とが判別できる記述形式が望ましい。以下に悪い例と良い例を挙げる。

〈悪い例〉
君達の前に依頼人の男が現れた(依頼人は嘘をついている)
「やあ、君達に頼みたい仕事があるんだ」
この場面は依頼を受けたら終了。
依頼人が嘘をついていることはプレイヤーには伝えない。

〈良い例〉
解説:
依頼人と会話する場面。依頼人は嘘をついているが、そのことはプレイヤーには伝えない。
依頼を受けたら場面終了。
描写:
君達の前に依頼人の男が現れた。
台詞:
「やあ、君達に頼みたい仕事があるんだ」

いささか冗長な記述形式だが、伝達ミスが発生するよりは良い。
他にも、プレイヤーには伝えない情報だけフォント形式や文字の色を変える、というテクニックもある(ただしその記述ルールを別途解説する必要はある)

体裁を整える

個人で楽しむ程度のシナリオなら、印刷物として体裁にはそこまで拘る必要は無い。
文章の校正や、DTP(デスクトップ・パブリッシング~印刷物のデータ制作)オペレーションなどに注力しなくても問題ない。
せいぜい、文字の大きさを気にする程度だろう。

商業出版されているTRPGは(出版物なので)複数人からなる制作チームによって体裁を整えられている。
売り上げに直結する要素なら、予算の投入も躊躇しないだろう。

もしあなたが、制作したシナリオの印刷物としてのクオリティに拘るなら、プロのデザイナーに正当な対価を支払って監修してもらった方が良い。
絶対にその方が良い。

単元まとめ

プレイヤーに見せる情報と、GMに見せる情報。それぞれ適した書き方があるぞ。

終わりに

技術論とは、複数人の考えを幾つか照らし合わせてこそ意味がある、と筆者は考える。
本稿に書かれた内容を鵜呑みにするより、様々な論を読み比べ、自分なりの理論を確立していく方が良いだろう。
その果てに本稿を『あの技術論は大した役に立たなかった』と振り返っていただけたなら、それで構わない。


終わりだよ~



(○・▽・○)


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