宇多田ヒカルのシングル曲で打線組んでみた

3〜4年ぐらい前までは2ちゃ○ねるでよく見かけたこの○○で打線組んでみたシリーズ。もうすっかり見かけなくなってしまったがあえてこのスタイルでアーティストの音楽レビューをしてみようと思う。

記念すべき第一弾は宇多田ヒカル!
ということで早速シングル曲縛りで打線を組んでみた。

1中 traveling
2右 For You
3左 Beautiful World
4一 COLORS
5三 
6二 Flavor Of Life(オリジナルの方ほう)
7遊 Prisoner Of Love
8捕 Passion
9投 Automatic

守備位置は適当なのであしからず。
一応野球の打線の傾向と同じく1番・3〜5番・9番(投手)が特に好きな曲を当てはめている。

宇多田はシングル曲(CD)は2008年を最後にリリースしていないのでトータルで21枚とキャリアの割に枚数が少ないが、その分流石のクオリティで良曲揃いである。個人的にはセールス面での最盛期(1998年〜2000年頃)よりもそれ以降の曲の方が好みなので2001年以降のシングル曲が大半を占めている。初期のR&B色が強めのテイストよりもR&Bを踏襲しつつ宇多田独特の影を纏ったJ POPテイストの方が好みである。
それでは一曲ずつレビューしていこうと思う。


1 中 traveling

https://www.youtube.com/watch?v=tuyZ9f6mHZk

この曲は2001年の年末にリリースされた9枚目のシングル。インパクトのある楽曲やCGアニメーションを駆使したMVが話題を呼び85万枚の大ヒット・・・なのだが、宇多田の場合それまでシングルを出せば常にミリオンヒットを叩き出していたのがCD不況の煽りもありこれでも当時の最低レベルの売り上げだった。


この曲は宇多田の曲では珍しく明るくBPMも早めな盛り上げソング。インパクト大のサビのメロディーや最後まで勢いが落ちない曲構成が素晴らしい。全体的に明るい雰囲気だがBメロやCメロ(ラスサビ前)はやや影のある雰囲気もあり宇多田らしさもちゃんと残しつつバランス良く仕上げている。初めて聴いた時から今まで変わらず好きな一曲である。

2右 For You

https://www.youtube.com/watch?v=iJoNSuGpjNc

2000年に発売された6枚目のシングル。「タイムリミット」との両A面だったが楽曲が地味だったこともあってか売り上げはやや低迷。累計88万枚と初めてシングル曲でミリオンを割った。(シングルカットのFirst Loveは除く。)


初期の曲ということもありR&B調のクールな楽曲だが全体的に薄暗く、特に盛り上がることもなく淡々と進んでいく。サビもあまりインパクトは無く、初めて聴いた時は地味だなという印象しかなかったのだが、聴き込むとジワジワと好きになって行った。シンプルで薄味なR&B調のサウンドも個人的には好みだし、サビの「独りじゃ孤独を感じられない」という哲学的な歌詞も印象的。恋人がいない時の独りよりも居る時の会えない寂しさの方が孤独を感じる・・・という意味なのだろうか。
この頃の宇多田はまだ楽曲に初々しさや勢い(と言っても16歳とは思えないが)を感じさせるものが多かったが、このFor Youあたりから徐々に大人の雰囲気を纏い作風も変化していく。そのきっかけになったのがこの曲だと思う。

3左 Beautiful World

https://www.youtube.com/watch?v=jmKRgqWGrWc

2007年に発売された19枚目のシングル。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」のテーマソングに起用されヒット。実はCD売り上げ的にはこの年に大ヒットした「Flavor Of Life」の1/3ぐらいしか売れてないのだが、エヴァ効果もあり楽曲知名度はかなり高い方だと思われる。


宇多田らしい憂いのテイストがありつつも近未来的なサウンドが素晴らしい。メロディーも美しさと勢いを兼ね備えていてかなり好み。サビもキャッチーで良メロだがそれ以上にサビ前のCメロ?の儚く美しいメロディーが特に好み。同じ年に大ヒットした「Flavor Of Life」よりも個人的にはこの曲の方が好きである。
エヴァの雰囲気にも合ってる!というレビューはよく見かけるが、筆者はエヴァはあまり詳しくないのでマッチしているかどうかはわからない←

4一 COLORS

https://www.youtube.com/watch?v=nv7OzIbdm4Y

2003年に発売された12枚目のシングル。トヨタ・ウィッシュのCM曲に起用され約90万枚の大ヒット。翌年以降はCD売り上げがガクンと下がるのでセールス面での全盛期最後のシングルと言える。


CMが流れていた当時は小学3年生の頃だったが当時からうっすらと記憶にあるぐらいには馴染みのある曲だ。一発で耳に残るサビのメロディーにいつもの切なさ漂う雰囲気にプラスして壮大さも加わったサウンド、自分自身との向き合い方について「色」を上手く絡めて綴ったような歌詞と、どこを切り取っても秀逸で完成度の高い名曲。これを若干20歳で作り上げたのだから恐ろしい才能である。初めて聴いた時から今までずっと宇多田ヒカルの中で一番好きな曲だ。


5三 光

https://www.youtube.com/watch?v=AlMdDpUWFFI

2002年に発売された記念すべき10枚目のシングル。キングダムハーツのCM曲に起用され、ワンカットで皿洗いだけをするというユニークなMVが話題を呼んだ。CD売り上げ枚数は約60万枚と当時の宇多田としては最低レベルだが、キングダムハーツ効果もあり楽曲知名度は同年のシングル「SAKURAドロップス」よりも高いのではないだろうか。


ド頭からいきなりキャッチーなサビで始まり、アコギを交えた近未来的でミドルテンポなサウンドを響かせながら展開されていく。宇多田の楽曲の中では比較的わかりやすく聴きやすい楽曲なのではないだろうか。個人的には2番のサビ後のCメロの高音パートが神秘的で好み。

6二 Flavor Of Life(オリジナルの方ほう)

https://www.youtube.com/watch?v=BhaWQjGbWo8

2007年に発売された18枚目のシングル。大ヒットドラマ「花より男子」の挿入歌(主題歌ではない)に起用され約65万枚の大ヒットを記録。実はドラマに使用されたのは原曲をバラードにアレンジした「Flavor Of Life -Ballad Version-」で、CDの1曲目はBallad Versionよりもアップテンポでこちらが原曲となっている。


宇多田ヒカルとしては久々の大ヒットを記録したが個人的にはドラマを見ていなかったこともあってリアルタイムでは全く記憶がなく、後追いで好きになっていった曲。原曲の方がアップテンポでノリも良く、サウンドもクールでカッコよくてダレることなく最後までサラッと聴けるのでこちらの方が好み。(個人的にバラード系が苦手なのもあるが)
Ballad Versionは宇多田自身は編曲に殆ど携わってなく、あまり思い入れもないのかTVでは基本的にオリジナルの方を歌唱していたそうだ。(花より男子の放送局であるTBSの歌番組のみBallad Versionで歌唱していた模様。)

7遊 Prisoner Of Love

https://www.youtube.com/watch?v=6bDyqwwH4Xs

2008年に発売されたアルバム「HEART STATION」よりシングルカットされた現時点で宇多田最後のシングル曲。ドラマ「ラスト・フレンズ」の主題歌に起用されたこともあってかシングルカットでありながら前作を上回るCD売り上げを記録した。


当時ドラマを見ていた(内容はあまり覚えていないが)こともあり当時から馴染みのある一曲。全体的にシリアスで重い曲調だがドラマもそういう内容だったのでマッチしていたと思う。歌詞もAメロやBメロでは重く暗い歌詞が展開されるがサビでは一転して希望の光が差し込むような歌詞になっているのも印象的。ただ重苦しいだけでなく報われるようなシーンもある曲構成が良い。

8捕 Passion

https://www.youtube.com/watch?v=kT-YtuzNqIY

2005年の年末に発売された15枚目のシングル。「光」に続いてキングダムハーツの主題歌に起用された。難解な曲調、そして全米デビューが不発に終わり宇多田のキャリア上で最も勢いが落ちていた時期に発売された影響で累計で約10万枚程と売り上げはかなり低迷してしまった。


壮大で幻想的な雰囲気もありつつ、曲の合間で急にホイッスルのような音が鳴ったりする遊び心があったりと、かなりマニアックな世界観で、正直キャッチーさは無いので売れなかったのも納得だが、他のどの曲にも当てはまらない独特の雰囲気が聴き込んでいくうちにハマっていった。時代を先取りしすぎていたと思う。今発売されていたらもっと評価されてたかも。

9投 Automatic

https://www.youtube.com/watch?v=-9DxpPiE458

伝説のデビュー曲。藤圭子の娘であり若干15歳の女の子が自ら作詞作曲を行う、椅子から立ち上がらずに中腰で歌う印象的なMV、当時馴染みのなかったR&Bの曲調等々、インパクト大な要素が話題を呼び瞬く間に人気を獲得。8cm版と12cm版の2形態で発売され合算で約200万枚の特大ヒットを記録した。この大ヒットをきっかけにシングルCD市場は12cm版への移行が進んでいったと言われている。


個人的には初期のR&B調の楽曲はそこまで好きでは無いのだが、この曲に関してはサビのインパクト大だし、全体的にそこまで複雑にならずにわかりやすい曲調で聴きやすいので好きだ。ライトリスナーがとっつきづらいR&BをJ POP風にアレンジして聴きやすい形に落とし込んでいるのが天才的で、とても15歳の女の子が作ったとは思えないだが、全体的な曲調としては宇多田の楽曲の中では割と明るい方だと思う。そのあたりは15歳の初々しさが出ているのかもしれない。



最後まで読んでいただきありがとうございました。
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