ゆずPのミュージックレビュー vol.1 ゴールデンボンバー「Yeah!めっちゃストレス」

昨日YouTubeで動画をダラダラと眺めていた所、オススメ動画にふとこの
松浦亜弥の某ヒット曲を連想させるタイトルが目に映ってきた。

ゴールデンボンバー(以下金爆)といえば勿論知ってはいるが、特別大ファンというわけでは無いので普段だったらオススメに上がっても動画を開くことは無いが、
このあからさまな釣りタイトルにまんまと釣られて久々に金爆の新曲を聴いてみることにした。

このタイトルから想像した人は多いと思うが、曲を聞く前はアイドル風のコミックソング的なものを勝手に想像していた。
しかし再生ボタンを押してすぐにその想像は安直な物であったと思い知らされたのである・・・

まずイントロは真夏のビーチを思わせるようなアコギとコング?のような音で奏でられている。
あれ?アイドルソングのオマージュかと思いきや季節外れのサマーソング系なのかな?と、この時点ですでに混乱気味ではあるがこの予想は僅か10秒ほどで一瞬にしてぶち壊される。

Aメロ(以下オネエパート)に入った途端にMV上でオネエに扮したメンバー全員が交代でオネエの愚痴を絶唱するというインパクト大の超カオスな展開が待っていた。
まさかこの時代に矢島美容室(伝われ)ばりのオネエボイス、ファッションを見せつけられるとは…心の準備が全くできていなかったのでこの辺りですでに思考停止状態になりつつある。
この展開だけでも十分カオス曲確定なのだが、この後の更なる超展開でこのオネエパートは単なる序章に過ぎなかった事を思い知らされるのである・・・

オネエパートからサビに切り替わった瞬間に突如ケルト系のずいぶんと洒落たサウンドに乗せて、何語か全くわからない呪文のような歌詞をメンバー全員で仲良く踊りながら歌うという、またまた全く想像していない超展開が広がっていた。
さっきのオネエパートのインパクトを一瞬で忘れてしまうような切り替わりの連続は、完全に我々の思考を停止させ、置いてけぼりにさせている。

また、素人ながら作曲している身として一つクリエイター目線から言わせて頂きたいのが、オネエパートからケルト系サビへの切り替わりが全く違和感なく行われているのが凄い。
確かにオネエパートの時点ですでにケルト系のサウンドになってはいたが、これだけタイプの違うパートをスムーズに繋ぎ合わせるのは至難の業だろう。
この点に鬼龍院翔(以下キリショー)さんのクリエイターとしての実力、こだわりを強く感じさせられる。

サビの後にもう一度オネエパートとサビを繰り返した後、Cメロに切り替わる。ここまでのカオスな超展開に比べると比較的まともなパートで、一瞬の安らぎを与えると共に完全に思考停止に陥ったリスナーの脳みそを一旦正常へと戻す役割を担っている。

ここまでは正直なところ歌詞にメッセージ性のかけらも感じさせなかったが、
ここでは

「人生は辛いねリラックス」
「一生かけてのデトックス」
「人間こそがパラドックス」

と、人間やこのコロナ禍等で混沌としたご時世の真理を突くような印象的なフレーズが連発している。
恐らく金爆としてもここ最近はメンバーの不祥事や、コロナ禍で思うような活動が出来ず、少なからず苦悩していただろうし、そうした日々を経て少し達観した考えに至ったキリショー氏が韻を踏みながら歌詞に盛り込むことで、全体的にカオスな印象の本曲にあって逆に異彩を放っており、聴き手により強く自身の想いを伝える事に成功させている。

この後はサビとCメロを繰り返した後、ひたすらサビを繰り返し、段々とBPMが加速していき最後はBPM200以上のスピードに達してから強制的に曲が終了する。

いや〜最初から最後までトッポのようにぎっしりとカオスが詰まった一曲であった。
こういう曲はあまり音楽に詳しくないリスナーからすると「よくわからない。」の一言で片付けられてしまいそうだが、こういう天才にしか作れないような曲が大好きな筆者にとっては、この約3分半の間に様々な情景が浮かんできて一瞬で虜になってしまい、この曲の魅力を是非とも語りたいと思い、急遽noteを登録して仕組みをよくわかっていないまま思いのままに記事を書いた次第である。

筆者の稚拙な文ではこの曲の魅力が十分には伝わっていないかもしれないが、少しでも気になった方はとりあえず聴いてみてほしい。
良いか悪いかは別として、何かしらの感情は絶対に浮かんでくるハズだ。
そして一度ハマってしまえば、しばらくは何度も聴きかえさないと気が済まなくなってしまうだろう。

個人的な考えとして音楽に必要なのは”中毒性”だと思っているが、この曲は中毒性の塊と言える素晴らしい楽曲となっている。
ぜひ聴いてください!

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