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繰り返すことでみえたもの

 高校生の息子が、久しぶりにプラモデルのパーツを押し入れから引っ張り出してきた。小学生の頃に見ていた「ダンボール戦機」というアニメを唐突に思い出したらしい。この物語の中には、LBXとよばれる、子どもが遊ぶための小さなロボットがたくさん出てくる。それらのメカがプラモデルとして販売され、息子は大喜び。毎日、熱心に組み立てていた。いろいろなパーツを組み合わせて、オリジナルメカを考えてみたり。同時期にガンダムも作っていたので、パーツは山のように増えた。もともとは、メカごとに箱に入れて保存していたが、置き場がなくなり、ごちゃまぜになってしまったものも多い。

 懐かしのパーツをざらざら~、ざらざら~と引っ搔き回す息子。「よーし、作るぞー」と、かかった競走馬のように鼻をフンフン、首をブンブンいわせている。「これ、懐かしい!」「おー、やっぱりこれはかっこいい」などと、はじめは楽しそうにしていたのだが、そのうちグチグチ文句を言い出した。腕が足りないだの、足が足りないだの。しまいには「小学生の管理能力のなさ!ちゃんと分けておけよー、むかしの俺!」と、自分で自分に文句を言っていた。横目でそれを見ながら、私はよくぞこんなに買ってあげたものだと、自分に感心する。ちょっと甘やかしすぎたかな。そりゃ、いま貯金がないわけだ。納得。これからは、バイト、ガンバッテクレ!

 息子がプラモデルをいじりだすと、なぜか自分もやりたくなる。とはいえ、元来コツコツタイプではない私。プラモデルは、削ったり、貼り合わせたり、乾かしたり、塗ったりと、組む以外の作業が多いので、ちょっとずつ辛抱強く日数をかけて作りあげなければならない。そのあたりが、どうも性に合わない。でも、作りたい。というわけで、小一時間で完成させようと思えばさせられる、小さな小さなハロを再び作る。これで3体目。いいんである。もう、小さいハロをたくさん作ると決めたのだ。いろんなハロが売っているみたいだし。今年のクリスマスツリーは、ハロ・ツリーにすると、ここに誓う‼


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     必要な道具はこれだけ。空き箱に常に入れっぱなし。

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     ランナーからパーツをニッパーで切り離す。パチパチ。

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 ニッパーで切り離した箇所にできる小さなコブを紙やすりで取り除く。
           溝に墨を流して乾かす。
             パーツを組む。
                             その繰り返し。

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           へたくそでもいいのです。
          かわいいと思えれば、それでいい。


 やった、できた!よし、前に作った二つのハロの横に並べよう!そう思って最初の作品を手にとり、驚く。へたくそすぎる!今でもへただけど、初回のは、ぜんぜんだめ。3つを見比べたら、どの順番で作ったのかすぐわかる。
 それに、制作時間も違う。初めて作ったときは、パーツを切ってから墨を流してみたり、その逆にしてみたり。どうやったら作りやすいかすらわからず、無駄が多かったので、時間も今の倍くらいかかっていた。

 繰り返したから、わかったことがある。苦手なところ、改善点。同じことになんども違う方法でチャレンジする。それって発見が多いんだなぁ。
 ふぅ。…遊びなら、そんなふうに前向きに思えるのにね。

 

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