馬に会える本。(1)
出会えるときって、出会えるものですね。
書店をふらふらしていたら、棚に飾られていた本の表紙に、ぐっと惹き付けられた。
なんて美しい馬なんだろう。
すっと手にとる。ずしっと重い。
銀の箔押しで、
「エピタフ」と、タイトルが。
エピタフ…?
無知な私には、何のことなのか皆目見当がつかない。
「幻の島、ユルリの光跡」というサブタイトルと「岡田敦」という著者の名前も箔押しされている。
ユルリ…?
そっと、開けてみる。
もやのかかった草地に佇む馬の写真の中から、私を見つめてくる白い馬。