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流れ

こめかみで絞り出された雫が
胸に落ちて波紋が広がり
その振動を受けて
わずかに体が震え
喉からもれた声
あまりにも微かで弱々しくて
張り詰めた空気の坂を滑り
転がって
消えてしまった

窓を開け放せば
雨音が沈黙をかき消していく
生暖かく湿った空気が連れてきた
土の香りがこの部屋を包む
とつたつ とつたつ
雨粒がリズムをとる
緑の葉がまるで鍵盤のように
ぽんぽんと跳ねる

本の上に置かれたままの眼鏡は
心の栞

灰色の雲が覆い隠した太陽
失ったわけじゃない
ただ今は見えないだけ
それだけ


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