『ヴィクトリアン・ホテル』(下村敦史・著)
2024.05.19読了。
お風呂のお供に、ちまちま読む。途中まで何も起こらず、でもそれぞれのエピソードがおもしろいので、淡々と読んでいた。ら、終盤でその「淡々」の理由がガンガン押し寄せてきて、ダーーーーッと最後まで読んでしまった。感想はもう「やられたー!!!!!」しかない(笑)
いろいろヒント(というか設定)はあるのだけど、全部自然なエピソードだから、全然気づかなかった…。あれもそれもこのためか、って騙された悔しさ楽しさに地団駄踏みながら読み終えた。もしかしたら読み直すといろいろ粗もあるかもしれないけれど、そんな気は全然起きない。おもしろかったから、この気持ちのままでいたい。
そして、物事の受け止め方は、今のその人の状況を映し出す、という一貫したテーマも良かった。時代が変わって、表現の場所が変わっていっても、きっとそれは変わらない。いつでも余裕、というわけにはいかないけれど、何かに卑屈になったとき、相手を責めるのではなく、自分の状態が悪いのでは、と疑う姿勢は持っていたい。
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