⑲【認知症】心に耳を傾ける

10年以上前の話。
自分の母が認知症になるとは全く思っていなかった時のこと。

Aさん(娘の同級生のお母さん)から、認知症のお母さんについて話を聞いた。
Aさんのお母さんは入院しているが、そのことを理解できず拒否が強く困っているとのこと。病院の人に申し訳ないので、退院させて自宅で介護をしようと思うと言っていた。しかしAさん自身も原因不明の病気になっていて、その病気になったのはストレスのせいかもしれないと言った。

当時、私は介護の資格を取得する為に勉強中で、理想型の介護が頭の中にあった。Aさんは私が介護の勉強をしていることを知っていたので、お母さんの話をしてくれたのだと思われた。

私はAさんの身体がとにかく心配で、お母さんを退院させることになってもショートステイやデイサービスを上手に利用することをすすめた。
しかしAさんは、お母さんが嫌がるから無理だと言った。
それ以後、Aさんは私から距離を取るようになってしまった。

今でも私は同じ考えでいる。介護する人が自分自身を一番大切にしていないと、良い介護にはならないと思っている。


今年、私宛に届いた親戚からの年賀状に、
『母を大切に。父に気配りを。』
と書いてあった。

何だか私には否定的に響いた。
悲しくて悲しくてしようがなかった。

私は全面的な介護をしていない。
両親にとってその時必要だと思うことを、その時々にしているつもり。
全て手伝うのは、その人の持てる力を奪うことになってしまう。
足りないところを補う介護をしたい。
でもその親戚には、私の思いは理解されていないと日頃から感じていたので、年賀状の言葉が刺さってしまった。

『母を大切にしていない!
   父に気配りをしていない!』

そんな風に言われたように感じてしまった。



そんな時、ふとAさんのことを思い出した。
当時Aさんが私に求めていたものは、
『大丈夫?無理し過ぎないでね。』
そんな言葉だったのかなと思えた。
ショートステイやデイサービスをすすめる事では無かったと今なら理解できる。

傾聴。
勉強していたのに。
分かってなかったな。


早1月半ば…

そろそろ心に刺さったものを引き抜いて、
動き出さないと。


今年は

積み上げてきたものを
形にして
同じ立場にいる人の
心に届くものに
仕上げられたら…

仕上げよう!

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