ヴァンパイアの復活 II

前回は、ヴァンパイア・ザ・マスカレードの日本語出版が決まったよ、を書いてみました。
デジタルゲームでは様々なタイトルが出ているけれども、あまり流行る気配がないよ、まで言ったかなぁ。

今回は日本における沿革っぽいものを書きたいと思います。
玄人さんにはつまらないし、新しい人には何だかわかんない、かもしれませんが、読んでいただける方は、どうぞよろしくお願いいたします。

VtM前史

前史というか、当時の洋ゲー事情です。翻訳ゲームの巨頭と言えば、D&Dが挙げられますが、未翻訳を買おうとするとキディランドとかラークさんポストホビーさんに行くのが常套でした。
HMVが日本に進出した年あたりに、ホビージャパンのRPGマガジンにライオンランパントのアルス・マギカリプレイが掲載されました。当時メジャー誌以外だと、パソコン通信全盛の時代でニフティフォーラムとかPC-VAN上で翻訳情報が飛び交っていました。
この掲載に至ったアルスマギカが前史に近い近傍性を持っていました。
※アルスマギカはマーク・ライン=ハーゲンの前作に当たる。当然のことながらWoD以前であり、世界観となる地球観はMysticEuropa、伝承ヨーロッパと翻訳プロジェクトでは呼んでいました。

VtMの登場

ある年にVtMが刊行されるわけですが、日本で華々しいデビューということもなく、洋ゲーを知る人の中で話題を集める程度でした。
VtM初期の時代、刊行され始めたばかりのコンプRPGに紹介記事が掲載される程度で、GURPSとルナルサーガが、当時の掲載誌の推しでした。
しかしながら、装丁の美しさとライブアクションよろしく、吸血鬼の牙のガジェットが目をひき、関心を持ったら目を離せない作品に仕上がっていました。インターネット黎明期は、サイバーダンジョンとかスティーブ・ジャクソンのゲームを扱っているウェアハウス23とかで個人輸入をしたものです。
アルスマギカのリプレイが掲載された頃に、当地ではVtMが刊行されはじめ、日本語版VtMがでた2000年は、ゲヘナを迎えるまで後4年となっていたのでした。
この間に様々なことがあったのですが、私的な歴史では、アルスマギカを買い続けていて、ある異変があったものの、それがWoDに由来するものとは気づけなかったのでした。
(Wizards of Coastのシールで、出版社が隠してあるソースブックが届いていたのですが、権利譲渡とかのことを知らなかった…(1994に売却された))
多くの方が頼ったネットリソースは、このNoteで活躍されている方と、大作家?脚本家になられたあのお方が巨頭だったのかな。
Sfさんのところの掲示板も重要でしたね。

VtM日本デビュー

西暦2000年、日本語版TRPGと今は亡きサイバーフロントより、VtM Redemption日本語が発売されます。朱鷺田さんの別冊FSGIがサポート誌だったり、周辺の賑わいもよかったような気がします。
ただ翻訳タイミングと、本土の関係が微妙なことになりつつあって、上記の通りなのですが、第2版・リバイズド・最新情報と日本語版サポート記事の間で、どの版からの記載なのか判じ難かったのです。
ともあれ、日本語版出版は、装丁が美しいまま、判型が扱いやすいサイズとなって私にとっては、非常によいものを得た感じでした(ハードカバー版)
また、同時期に発売されたリデンプションも、トランシルバニア・クロニクルと、ダークエイジほどではない古さですが、長い時間をかけて冒険が繰り広げられるシナリオに、吸血鬼ならではの時間軸になっていたのが良い感じでした。積極的なMODサポートがあったわけではないですが、《訓え》がjavaのclassで記述されており、J2EEで編集できました。
当時、流行った改造としては、リソースカッターのような改造方法で、マルチプレイ画面をMage・Warewolf風に変えたり、J2EEを使用して、新しい氏族を導入する等のものがありました。※Sun micro systemsのJAVA2です。
日本語版の終了時期には、VtM:bloodlineが発売され、TRPGのキャラクターシートのようなPCが作ることができるのに感動しました。良ゲーなのですが、Valve Sourceエンジンを使用してはいるものの、グラフィックはそんなによくは無く、物理エンジンもそう活用していませんでした。シナリオとWoDらしい雰囲気を作ることに成功した感じでしょうか。
そこそこ人気があったはずですが、ローカライズもなかったこともあって、2chでは数回スレ立てが行われたもののすぐに落ちてしまい、人気のなさがうかがえました。
海外は真逆で、製作会社が無くなった後も、今日までアンオフィシャルパッチが作られ、その時々に派生MODが生まれ続けているという…
(エラーが直る、他のソースブックとの整合性を取ったダイアログ中の文章訂正が行われる、カマリリャの加入脱退氏族の構成が時事に沿ったものになるとか、sabatMODとか)

終焉と再生

2004年のイベントを以ってVtMが終わり、その後は新しいWoDへリブートされましたが、2011年に20周年エディション、今回翻訳されるに至った5thと復活を果たすことになるのでした。
2000文字を超えたので、このぐらいで。

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