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ルビの使い方について

小説を書くときに気を使う要素の一つに「ルビ」があるんですね。難読熟語の時に振るというのはもちろんなんですが、僕は結構ルビを使った文体作りというのもやります。

一番特徴的なのは『水よ踊れ』という小説で、これは返還前後の香港を舞台にした小説なんですけれども。香港は繁体字の文化なんですね。なので、固有名詞は基本的に繁体字です。カイタック空港であれば「啟德機場」とか。そして、当時の香港はイギリスから中国に移り変わる時期なんですけど、特徴的な文化として読みの部分はかなり英語が使われてたんですよね。例えば、セントラルっていう地名があるんですけど、表記上は「中環」って書いたりします。要は、固有名詞には漢字表記と英語表記の2つがあると思ってもらえればいいかなと思います。そういう特殊な文化を表現したかったので、この小説の中では漢字表記に英語のルビを振るっていうことを多用しています。

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