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コミュニケーションとしての創作

『空が青いから白をえらんだのです』(新潮文庫)という本があるんですけれども。この本には『奈良少年刑務所詩集』という副題がつけられています。

編者は寮美千子さんで、寮さんは奈良少年刑務所の更生教育である「社会性涵養プログラム」に長らく携わっておられる方です。そのプログラムで、実際に刑務所の少年たちが作った詩が、この本に掲載されています。

本書に掲載されている一編一編の詩はすごく個性が出ているし、いわゆる詩のイメージから想像する作品とは、一味も二味も違うものがかなり多いです 。それは当然ながら、優劣の違いについて話しているわけではなくて。言葉としては硬い部分もあるんですけれど、でも間違いなく本心から生まれてきている言葉だな、っていう感触があるんですよね。だから、「生の言葉」をぶつけてきているなという感じがあります。

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