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物流DX第4回 物流屋さん 社内を変える根回しを始める。

こんにちは。
今年の4月より中堅物流会社の情報システム部ヘ異動したAndyと申します。
物流業界に来て二か月。
 毎日、怒涛のような業務と体験したことのない出来事に遭遇しながら、楽しく働いています。
会社の雰囲気も非常に陰湿なシーンや人間的に?な出来事に遭遇することはこの2か月ありませんでした。
 世の中に従業員をきちんと扱う会社ってあったんだー、と素直に思う反面、昭和の臭いを残す古い体質の業界なので業界全体的に儲からないんですよね。
 これが株主利益至上主義の会社などに買収や合併されたら私的には目も開けられません(経験者)。
今の良い雰囲気を残しつつ会社を儲かるように変えたい。いつの間にかそう思うようになっていました。
このお話はDXにより会社を良い方向へかえられないか。
取り組んでみたお話です。

前回までの取り組み

1.いよいよ開始 取り組み方の決定

1-1  物事を整理する手法とストーリー

さて、物事を変えるPTを進行するとき、1から考えてもいのですが大体のことは先人たちが同じようなことを悩んだり苦しんだりして、様々な手法やフレームを残してくれています。
 その中で私が良く使用する手法はプロジェクト管理スキル体系「PM-BOK」です。
最初は意味も分からずそのままやっていましたが、「ステークホルダー管理」「コミュニケーションルール」など大型PTになればなるほど、後になって効いてくる内容とストーリー建てに何度も助けられました。

1-2  今回の使用部分

さてPM-BOKには
①立ち上げ
②計画
③実行
④進捗管理
⑤クロージング
の5つのプロセス管理フレームと
1 Integration Management(統合管理)
2 Scope Management(スコープ管理)
など10個の知識管理フレームが存在します。

今回は、まだ一人PTなので「コスト管理」等は必要ないとして、差し当たり今必要なのは
・「統合管理」
・「スケジュール管理」
。「ステークホルダー管理(とインタビュー)」
この3つでしょうか。
また設計書などはオフィシャル味が出てからで大丈夫だと考え省略します。

2、やりたい事とスコープを切る

2-1  やりたい事とスコープ管理

さて、Andyがやりたいことは冒頭にも書いた通り
・今の良い雰囲気を残しつつ会社を儲かるように変えたい
・手法としてデジタルやDXといわれる新しい技術を活用する
という事。
そして、粒度をもう少し細かくしたときに、まずは「皆の信用を得るのが先」だと思って様々なデジタル化の取り組みを率先して実施してきました。

直近の取り組み事例

そして今回、どうせやるなら「皆の注目を集められて期待してもらえる内容」という事でこの案件をベースにして「切り込む」ことにしました。


切り込み用案件「ドローンによる物流積載率把握」

そしてさっそく行動開始です。

2-2,取り組みのメリットとスコープ 周囲を説得する材料

まず取り組みのメリットとスコープを洗い出してンタビューを開始
メリット
・長年、課題になっていた在庫積載率がようやく把握できる
・いったん把握できればもう空気を運んで無駄な仕事増やさなくて済む
スコープ
・画像判定(カメラ)を利用した積載率把握
・手法としてカメラ自身を定位置へセットできる「ドローン」を検討

あくまで一般的な流れです

3.いよいよインタビュー開始

3-1  経営トップ層 経営職(50代)

この人物のバックボーン
・グループ中枢で辣腕財務経理担当として資金調達に手腕を振るう
・海外を含めて経営経験があり、得意分野は不動産リート
・物流の近代化をミッションとして掲げデジタルに期待している。

インタビュー内容要約
ポジティブ
・ドローンと画像認識、パワーワードが二つ並んでいる
・海外へ赴任していたが日本が遅れているのは間違いない。ただし、これが我々の現実である。
・ウチは「トラックを手配する会社」だと思われているが、そうではない。物流を強みとしたソリューションを提供できるカンパニーであるし、そのように生まれ変わろうとしている。
・きちん「将来の話や技術的な話に相談に乗れる会社」と、発信していく意図であるならこの取組は納得した。
・業界の課題は積載率でありそのために各社様々なPoCをやっている。
・なので業界の課題を再認識し、そのためにどうする、となったら画像認識である。

ネガティブ
・一方でドローンというのは将来的に役に立つのは間違いないが、いまだに古いものしか見たことがない人たちをどうするのか。
・突飛なものを急に出しても頭では理解しても心は違うだろう。
・ただし色々、やり方とロジックの通し方はある。

総括
「課題は○○である」「解決策はこうである」「将来はこうである」といった三段論法なら、皆納得して協力してくれるだろう。
頑張ってください

3-2 物流実務責任者 (50代)

この人物のバックボーン
・現場に15年勤務後、本社にて配車を担当し責任者へ
・現場の事は大体わかる実務のエキスパート
・実は元SE

インタビュー内容要約
・非常に意義のある取り組みだし、現場にいたかった時に解決して欲しかった内容でもある。
・そして、本社にきた今でもこの問題は続いている。
・現場ではクリスマスなど繫忙期の時は無理をして積載率を把握していたがかなりの負担であった。
・普段はもっと負担であった。
・応援しています

3-3,システム責任者

この人物のバックボーン
・物流やSCMの専門家としてながらくグループ中枢にいたが物流近代化のために今回アサインされた。
・人間的にとても良い人であり、心理的安全が確保されるので働きやすい。

インタビュー内容要約
・これは非常に面白い取り組みであると思う
・一方で同じような取り組みをしている部署も存在している。
・この辺の調整と根回しを忘れないように。
・経営メンバーへの報告と根回しも忘れないように

3-4, その他 ヒアリング

物流担当者 2名
・倉庫の人間は、やるなら根回しが絶対に必要である。
・倉庫の中は実は携帯の電波すら入らない場所がある。気を付けてほしい。
・私もこういったことを勉強したい。

おお、みんな協力的だぞー。
まずは一安心

4.スケジューリング

何事も検証しないと結果がわかりませんよね

さて、押さえなければいけないキーパーソンは2名押さえられたのでいよいよスケジュール立案へ

4-1, 6/22〜6/27期間

企画系
1本部内でのコンセンサス取得
2実務グループへの折衝と落としどころ調整
3実際に実験するセンター教師データ取得合意
実装作業系
1ドローン飛行について再度確認が終了している
2画像伝送処理について、テストを1度以上実施されている
3画像伝送がうまく行かなったときの代替手段の検討とテストができている

4-2 6/28〜7/5期間

企画系
1センターにて取得したデータを使用し分析開始
2ドローンをセンター内で飛ばせないので、代替え場所で飛行と計測実施
3ユーザーフィードバック集計
実装作業系
1複数パターンの画像解析データ取得
2動的データによる連続計測
3何をもって成果とするかKPI固定

4-3,7/6〜7/12期間

企画系
1実際の台車を用意して実務に耐えられるか、今後も続ける価値があるか判定
実装作業系
1最終実験の最終形決め
2成果検証

そして実験終了は7月13日!

5.まとめ

今回は実際の
・使用するフレームワーク
・実際のインタビュー
・スケジューリング
についてまとめました。
やはり、工程管理はWBS引いたほうが良いのか・・・・。
(すべて巨大プロジェクト仕様のPM-BOKに合わせてしまうと逆に合わない部分も出てくるんですよね・・)

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