見出し画像

"わたし"とわたしの仲直り

いつも 楽しいはずなのに
いつも なんとなく苦しかった

欲しいものは全部手に入っているはずなのに
いつも なんとなく満たされていなかった

自由はたくさんあるはずなのに
いつも なんとなく鳥籠の中にいる気分だった

お金は必要なだけ充分にあるのに
いつも なんとなく不安と恐れが付き纏っていた

"わたし"ではないところばかりに夢を抱いて陽炎を追いかけては掴めなくていつも焦っていた

幸せはいつも一瞬で終わる儚いものだと思っていた


なぜそうなるのかはわからなかった
考えようとはしなかった
考えることも知らなかった


ただ

"わたし" とは誰なのか?
"わたし" とはどんな人なのか?
自分のことを知りたい衝動は常にあって
いつも "わたし" を探していた


前世をみてもらったり
占いやタロットカードをしてみたり
スピリチュアルな本を読み漁ったり


でも わからなかった

"わたし" という ものが
誰なのか
なんなのか

ずっと わからなかった


ある日

"わたし"は"わたし"の中にもう1人のわたしがいることに気がついた

その子はとても深く深く傷ついていた

それは

"わたし"がずっと見て見ぬ振りをしてたから

嫌なことがあると全部その子に投げて知らんぷりしてたから

"わたし"が傷つきたくなかったから

"わたし"が楽に生きたかったから

"わたし"のプライドを保ちたかったから

だからそうするしかなかった
それでいいとさえ思っていた


もう1人のわたしの存在に気づいた"わたし"は

なんだか
嬉しかった
めちゃくちゃ嬉しかった

だから
傷ついて寂しがってるわたしを今すぐにでも抱きしめてあげないといけないと思った
癒してあげないといけないと思った


"わたしあなたと仲良くなりたいの"


"わたし"は傷ついているもう1人のわたしに話しかけてみた
もう1人のわたしはすぐに答えてくれた


とっても優しい声で


わたし
前からずっとあなたのこと大好きだったよ

あなたが外ばかり向いていても
わたしに文句ばかり言ってても
わたしのこと嫌いになっても
わたしはあなたのこと大好きだったよ

どんなあなたのことも見ていたよ
何でも知ってるよ
あなたが笑えばわたしも嬉しい

あなたが悩み苦しんでいた時はいつも応援してたよ

絆は細くてもずっと繋がってたの
絶対にきれない絆

もっと太くもできるんだよ
仲良くなりたいとあなたが思うのなら
今すぐにでもできるよ

だってわたしはずっとあなたと一緒だったし
ずっとあなたが大好きだから

今も昔も
産まれた時からも
ずっとだよ

どんな時も変わることはないんだよ


あなたはわたしで
わたしはあなただから



何かあったらわたしを頼っていいよ
甘えていいよ
どんなあなたも大好きだから

あなたさえ手を差し出してくれれば絶対にその手は離さないよ

いつもそばにいるよ
いつもいつも大好きだからね


抱きしめてあげなきゃ
癒してあげなきゃと思って
もう1人のわたしに話しかけたら
とても強くて優しいわたしが出てきて"わたし"を包んでくれた
抱きしめてくれた
癒してくれた


傷ついていたのは
もう1人のわたしだと思っていたのに
外ばかりに答えを求めてた"わたし"だった


それでもなお不安になる"わたし"

もう1人のわたしはウフフと楽しそうに笑ってた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?