僕と怖いおじさん(芋けんぴ達の独り言) 第34話 怖い顔のおじさんとJK(21)
#創作大賞2023
#お仕事小説部門#お仕事 #移動販売・対面販売 #ラブコメ・恋愛 #おじさん #駄菓子・豆菓子・珍味・ドライフルーツ #未亡人・JK少女 #女子大生 #人妻
第34話 怖い顔のおじさんとJK(21)
自分自身が、首を縦に振り。
『うん』と頷き、僕【芋かりんとう】と。
その他の二名が入った袋を絵里ちゃんが受け取らないかぎり。
家の怖い顔のおじさんがいつまでも、小さな子供のように自分のことを叫び続けることを。
彼女、絵里ちゃんは知っている。
「もう、おじさんは仕方がないのだから」と。
絵里ちゃんは苦笑いを浮かべ。
その後は、「ふぅ」と嘆息を漏らし。
もう致し方がないなぁ、と言った顔を絵里ちゃんはしつつ。
家に怖い顔のおじさんの許へと戻り。
「おじさん、ありがとう」と。
家の怖い顔のおじさんが、『絵里ちゃん、取りにこい』、『取りにこい』と急かす。
僕【芋かりんとう】他、二名が袋詰めされた袋を彼女は。
家の怖い顔のおじさんから受け取ると。
「おじさん、ありがとう」と。
絵里ちゃんは再度家の怖い顔のおじさんへとお礼を告げ。
「バイバイ」と手を振る。
「あっ! ちょっと待てぇっ! 絵里ちゃん!」
家の怖い顔のおじさんが再度絵里ちゃんの足を止めるものだから。
彼女、絵里ちゃん。
「もう、どうしたの、おじさん? 未だうちに何か用事?」と。
絵里ちゃんは今度は少しうんざりとした顔、声音で、家の怖い顔のおじさんへと言葉を返してきた。
そんな絵里ちゃんの様子を家の怖い顔のおじさんは。
全くと言ってよいほど気にした様子もみせずに。
自身が着衣をしているワインレッドのエプロンのポケットへと手を入れ──。
そして出せば。
「ほら、彼氏に自動販売機でジュースを買ぅちゃって。二人で仲良く飲みながら学校へといけ……。空き缶、空き瓶はちゃんとゴミ箱の捨てるんじゃぞ」と告げながら。
家の怖い顔のおじさんは、絵里ちゃんへと百円玉硬貨三枚をね。
これも強引に、絵里ちゃんの華奢な掌の上に載せると。
「絵里ちゃん、今度の彼氏とは喧嘩をせんよぅに。仲よぅせんにゃいかんで。わかったな、絵里ちゃん?」と。
家の怖い顔のおじさんは絵里ちゃんへと小声で呟く。
「ああ、わかっているよ。おじさん。今度の彼氏とは仲よく。上手くやるから。おじさんは、そんなにも心配せんで、いいから」と。
絵里ちゃんはケラケラと天使の微笑みを漏らしつつ。
家の怖い顔のおじさんへと、自分のことは大丈夫、心配するなと告げる。
だから家の怖い顔のおじさんは、「うん」と頷き。
「ああ、わかった」と。
絵里ちゃんへと告げ。
「絵里ちゃん、学校へと遅れたらいけんけぇ。早ぅ、学校へといけ」と告げるのだが。
僕【芋かりんとう】からしてみれば。
家の怖い顔のおじさんが絵里ちゃんのことが可愛くて仕方がないからと。
何度も彼女の足止めしては独占をし。
長々と絵里ちゃんと親子のような会話を楽しんだから。
絵里ちゃんがハイスクールへと登校するのが遅く。
そう、彼女が遅刻をしそうになっているのだろうにと。
僕【芋かりんとう】は、家の怖い顔のおじさんへと不満を申す!
意義を唱えたい心境に駆られるのだが。
まあ、絵里ちゃん自身が。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?