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僕と怖いおじさん(芋けんぴ達の独り言) 第27話 怖い顔のおじさんとJK(14)

#創作大賞2023
#お仕事小説部門#お仕事 #移動販売・対面販売 #ラブコメ・恋愛 #おじさん #駄菓子・豆菓子・珍味・ドライフルーツ #未亡人・JK少女 #女子大生 #人妻

第27話 怖い顔のおじさんとJK(14)

 でも、家の怖い顔のおじさんはそんなことなど知らないから。

「あっ、はははっ」と。

 彼は高笑いしながら。

 絵里ちゃんへと、自分は大丈夫、大丈夫だからと。

 笑って誤魔化しつつ、気丈な振る舞いを続ける。

 だから絵里ちゃんは、家の怖い顔のおじさん……。

 痩せ我慢をしているおじさんへと。

「ふぅ~ん、そうなんだ」と言葉を漏らすだけに。

 絵里ちゃんは賢い少女だから。

 それだけにとどめ、家の怖い顔のおじさんへと素知らぬ振りを続けながら。

 家の怖い顔のおじさんの、店出しの準備を黙々と親子のように続ける。

「絵里ー!」

 家の怖い顔のおじさんと絵里ちゃんが、親子のように仲良く、僕【芋かりんとう】や。

 その他のお菓子、豆菓子、珍味、ドライフルーツ達……。

 そう、只今家の怖い顔のおじさんの娘や孫のような振る舞いで店出しを手伝っている。

 JKの美少女絵里ちゃんが真心込めて袋詰め、包装をした物を並べていると。

 何処からともなく男性の声が、と言っても。

 少年の声音のようだが。

 絵里ちゃんのことを大きな声音で叫び、呼ぶ声が聞こえてきた。

 だから家の怖い顔のおじさんと絵里ちゃんの二人は慌てて──中腰だった自身の身体を上げ。

 頭を動かしながら、辺りを探索……。

「あっ! 翔ー!」

 自身の頭と瞳を動かしつつ、辺りを確認──。

 声の主を探索していた二人なのだが。

 急に絵里ちゃんが、自身の小さな頭を動かし、辺りを見渡す行為をピタリと止めると。

 絵里ちゃんは急に声を大にして叫び始める。

『翔』と言う名前を名指しして叫ぶから。

 家の怖い顔のおじさんが、

「絵里ちゃん、彼氏が呼びにきたようだぞ」と。

 ニコリと微笑みながら告げる。

「うん、そうみたい。おじさん」

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