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僕と怖いおじさん(芋けんぴ達の独り言) 第41話 怖い顔のおじさんと女子大生(2)

#創作大賞2023
#お仕事小説部門#お仕事 #移動販売・対面販売 #ラブコメ・恋愛 #おじさん #駄菓子・豆菓子・珍味・ドライフルーツ #未亡人・JK少女 #女子大生 #人妻


第41話 怖い顔のおじさんと女子大生(2)


 だから俺【紫芋けんぴ】は、今日も家の怖い顔のおじさんのお仕事の手伝いを上機嫌で出来るから嬉しい。

 まあ、そんな俺【紫いもけん】なのだが。

 家の怖い顔のおじさんの、只今の仕事の様子を見て、確認をすれば。

 家の怖い顔のおじさんは、自身の口を大きく開けながら。

「さぁ~。いらっしゃい!」と。

「ほらぁっ! こい。きてみい。こっちへこい!」、

「さぁ、きてみい。お前等、早ぅ~。そして家の菓子・豆菓子・珍味・ドライフルーツを食べてみぃ。美味い。美味いけぇ~。ほらぁ、こちらにきてみぃ。早ぅ。早ぅ~!」と。

 家の怖い顔のおじさんは相変わらず笑ているのか、怒っているの分からない顔、声音で。

 この道の駅の、駐車場内を歩くお客様達へと。

 彼は招き猫ののように手招き、ではないか?

 家の怖い顔のおじさんは猫と言うよりも。

 どう見ても、設樂焼の玉〇丸出しにした狸の置物か。

 ブルドッグの陶器でできた置物ぐらいにしか。

 傍から、遠目から。

 家の怖い顔のおじさんを凝視ても見えない。

 だから家の怖い顔のおじさんは狸の信楽焼の置物のようにお客さま達へと──。

 彼御自慢の声音──。

 そう家の怖い顔のおじさんの声音を、自身の耳を澄まして聞いてみれば分かる通りだ。

 彼の声音と声色だけは大変に清んだ通りの良い声音でね。

 傍から、遠くから誰が聴いても不快になることもない。

 大変に清々しく。

 清らかな。

 でも凛とした。

 彼の顔に似つかわしくない声色……。

 そう、大変に不釣り合いな声音を持つ彼だから。

 家の怖い顔のおじさんのは、絵里ちゃんやママのすみれさんを見れば分かる通りで。

 彼は顔に似合わず、男女問わず、お客様達からの人気度も高い。

 だからこの道の駅へと立ち寄るお客様達は。

 家に怖い顔のおじさんの狸手招きもしくは?

 ブルドック手招きからの呼び込みの声を聞けば。

『あら、不思議?』と。

 たちまち立ち止まり。

 家の怖い顔のおじさんへとほとんどのお客さまが。

 げっ歯類の生き物達のように、自身の足を止め、可愛く注目をしては。

 先程の通りの振る舞いをお客様達はしてしまう。

「何?」

「何だ?」

「何事何だ?」

「またおじさんか……」

「今日はおじさん、うちはいらんよ」

「おじさん、儂は未だ。この間購入した菓子が家にあるから。今日はいらないからなぁ」と。

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