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映画『TAR/ター』鑑賞。

映画『TAR/ター』を鑑賞。
ケイト・ブランシェット様に圧倒されるばかり。
男性優位な世界で必死に戦ってきたんだろうなぁ、と思わせる凄みがあった。

首席指揮者という立場のターは、万能感に囚われていたのではないかと思う。
それが他者との接し方にも現れ、知らず知らずのうちに溝が深まり、孤立していくことになってしまった。
謙虚さというか……他者は自分の持ち駒ではない、ということは、
肝に銘じておかなければならないな、と思う。

鑑賞中、もしターが男性だったら? 同性愛者じゃなかったら?
などと考えてみた。
セクシャリティ関係なく、アウトなものはアウトなのだけれど……。
でも、もしターが同性愛者じゃなければ、新人チェリスト・オルガとの関係が変に勘繰られることはなかったんじゃないかな、とは思う。
(それで事態が好転するとは思えないけど……)

ラストシーンの意味合いは……再出発なのか、転落なのか。
私は、改めて音楽の世界で生きていく覚悟を決めた再出発の場なのだと思った。
これも、観る人によって意見が分かれるんだろうなぁ。

あと、謎なことがひとつ。
オーケストラの練習中にターがドイツ語で指示を出しているシーンで、
字幕が表示されなかったのはなぜなのだろう?
英語の字幕も出ていなかったので意図的なのだろうけれど……


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