Gamestorming読後メモ
gamestorming.comによるとゲームストーミングは共創のためのツールセットだそうです。副題が良いですね。A playbook for Innovators, Rulebreakers, and Changemakers.新しいものを生み出す人のための作戦帳と言う所でしょうか。
プレイブックと言うのは、分かっているようで分かってない単語でした。調べてみると、脚本集、戯曲本、作戦帳と言う様な意味だそうです。
その名の通り、色々なゲームストーミングがカタログ的に紹介されています。人数・所要時間、目的、やり方、など。正直、カタログの部分は斜め読みしただけです。必要なときに引っ張り出して調べてやってみようと思っていますが、前半のゲームとは何か、ゲームの設計、といった部分を主に書きます。
それでは早速。
ゲームとは何か?(What is A Game?)
ゲームという概念を特徴づけるのは以下の4つです。
ゲーム空間
境界(空間的・時間的)
ルール
ゴール
小石を木に当てて遊んでいる子供たちがいます。そのうちに、この線から出ないように投げよう、木に当たったら1点として、先に5点取ったら勝ちということにしよう、とゲームを作り出していく過程を説明しています。ゲームの本質はこの中にある、という訳です。
ゲームの世界の展開
世界の想像
世界の構築
世界の開幕
世界の探索
世界の閉幕
最初の2つがゲーム設計、残り3つがゲームのプレイです。下の図はWebWhiteboardで描いたものですが、ゲームは始まったら発散していき、途中で探索があり、最後に収束していくと言うことを表しています。字の汚さは手書きと変わりませんww
ゲームの設計
目指す状態を念頭に置く
ゴールは何か、何を達成したいか
ただし知識労働では曖昧なこともある
初期状態を知る
今わかっていること、わからないこと
メンバーは?
リソースは?
第1幕(開幕):キーワードは発散
舞台設定
プレイヤー紹介
テーマ、アイディア、情報の展開
第2幕(探索):キーワードは創発
吟味
探索
試行
第3幕(閉幕):キーワードは収束
結論
決定
行動
10のポイント(10 Essentials for Gamestorming)
開幕と閉幕(Opening and closing)
発火(Fire starting)
道具(Artifacts)
結節点(ノード)づくり(Node generation)
意味空間(Meaningful space)
スケッチとモデルづくり(Sketching and model-making)
無作為性・逆転・再構成(Randomness, reversal and re-framing)
即興(Improvisation)
選択(Selection)
新しいことに挑戦する(Try something new)
主要スキル(Core Gamestorming Skills)
問いかけ
ゲーム進行のそれぞれのフェーズで効果的な問いかけのテクニックがあります。
開幕に関する問いかけ
アイディアと選択肢を出す
思いつきを促して可能性を示す
脳を活性化する
舵取りに関する問いかけ
進路を定める
道を示す
誤りを調整する
調査に関する問いかけ
対象を絞り込む
細部や細目、注目すべき特徴に焦点を当てる
実験に関する問いかけ
抽象の度合いを上げる
他のものとの類似を見つける
思いがけない結びつきを生じさせる
閉幕
見込みのない調査の路線を排除する
優先事項を決める
道具と意味空間
ゲームのボードと駒。
結節点(ノード)
関連付け
境界
軸
円と的
軽量空間と順序空間
直線による分割
風景と地図
メタファー
視覚言語
想像力とアイディアを具体的で共有可能な形にする。
視覚的アルファベット
フロー
点、線、角、孤、渦巻き、輪
フォーム
楕円、目、三角形、長方形、家、雲
人を描く
即興
主要なゲーム(Core Gmaes)
10個書いてありますが、知らなかったなぁ、と思うものだけ。
7つのPのフレームワーク(The 7Ps Framework)
会議の準備に最適なゲーム
プレイヤー数:1人
プレイ時間:20分~1時間
プレイ目的:会議を計画すること
プレイ方法:7つのチェックリストを使う
Purpose(目的)は何か(なぜ開くのか)
Product(成果)は何か
People(出席者)は誰か
Process(手順)
Pitfalls(落とし穴)は何か、どう対処するか
Prep(準備)しておくと役立つことは何か
Practical Concerns(実際体な問題)は何か
時間
場所
これのどこがゲームなのか?と言う疑問はありますが、有益なことは確かですね。無理やりプレイヤーとか言っているだけではないのか、と言うツッコミは置いておきます。
ボディストーミング(Bodystorming)
身体を使ってアイディアを刺激するゲーム
プレイヤー数:自由
プレイ時間:自由
プレイ目的:体を使ったブレスト
プレイ方法:
観察に出かける
やってみる
何が起こるか、なぜ起こるかをじっくり考える
ドット投票(Dot Voting)
スピーディーに優先順位をつけるゲーム
共感図法(Empathy Map)
顧客の人物像を素早く共有するゲーム
プレイヤー数:3人から10人
プレイ時間:10~15分
プレイ目的:顧客やユーザのプロフィールを短時間で作成する
プレイ方法:
Empathy Mapを作る。知ってましたが改めて。
強制的ランク付け(Forced Ranking)
優先順位を論理的に決めるゲーム
開幕のためのゲーム(Games for Opening)
たくさんあるので割愛。
探索のためのゲーム(Games for Exploring)
たくさんあるので割愛。
閉幕のためのゲーム(Games for Closing)
たくさんあるので割愛。
感想など
前半のゲームとは何か?と言う説明にはフムフムなるほどなるほど、と感心したのですけど、後半のカタログ集との間に論理的なギャップがあるな、と思いました。
タイトルを見て、ゲーミフィケーションの応用かなー、と思いながら読んだのですが、カタログ集はそうでもないものも多い気がしました。とはいえ、それぞれのテクニックは有用なので、Gamestorming.comの冒頭に書いてある通り、共創のためのツールセットとの本、と思えば納得です。
総じて、視覚化する、形式に拘らず手書きを多用する、と言うのが根底にあるようです。
では。
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