暴走と捏造と「勉強エリート」と。

光希重名士の姓名判断的ココロ(38)


袴田巌氏、再審無罪! 1966年に起きた静岡県一家4人殺害事件の再審判決で、静岡地裁は去る26日、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌氏(88)に無罪(求刑・死刑)を言い渡しました。裁判長は証拠について「捜査機関によって捏造された」と認定したそう。実に逮捕から58年が経過。

私の持論ですが、「勉強エリート」は一般に拙速です。学生時代に成績が良かった《優等生》は、今で言うところのタイパ(タイムパフォーマンス)に敏感です。そして、所詮知見の僅かな学生の身でしかないのに「全知全能感」を持ちがち。何故なら学校という狭い場所の中で、ヒエラルキーのトップに位置していたから。そして教師は学生時代「トップ」だった訳ではないことが殆どなので、トップクラスの学生や生徒に対してはどことなく劣等感を持ちがちで、彼らに強いことが言えない事が多い。勢いトップクラスの学生たちは《自分或いは自分たちは、絶対に正しい》と思い込むのです。

そのまま大した挫折も経験せずに、勉強ばかりに明け暮れ、めでたく司法試験に通り、法曹界へデビューとなる訳です。司法修習生時代の成績順で、判事→検事→弁護士となっていくことが多いと聞きます。判事や検事は「勉強エリート」の中でも、更なるエリートとなりうるのです。そんな彼らが担当する事件に際し、様々な状況証拠やら周辺の聞き込みなどから、その犯罪の《シナリオ》を推定します。エリートたる彼らが「推定」したものは、自意識の中ではもはや「解き明かされた事実」とイコールです。

そうなれば、プライドの塊である彼らは、その「事実」を明確にするためだけに奔走することになるのです。順序が逆です。容疑者の人権など無視。しかも似たような連中が集まった検察庁は、集団ヒステリーの舞台となり、異を唱えようものなら出世の道は閉ざされ、村八分になって検察庁を追い出されるのが関の山。かくして証拠の捏造が行われ、えん罪が生まれてしまう。

判事・検事・弁護士と、法曹界は役どころが決まっていますから、検事はあくまでも犯罪者の罪を明らかにすることに全力を出します。違う立場からの目は持ち合わせていないのです。真面目で一生懸命な検事ほどそうなってしまうのはある意味仕方のないことかも知れません。しかし、掛け違えたボタンは一度全部外してやり直さないと直せません。面倒でもそれしかない。《急がば回れ》…そんな、小学生が勉強するような下世話な諺は、彼らは馬鹿にしていそうですが、真理は単純で分かりやすいものです。謙虚さを!

袴田 巌

【遺伝】17、【対人】12、【本能】23、【本質】28、【天命】40

詳しく人となりを鑑定する意味はもはやありませんが、【天命】の40画は《波瀾運》。知力・胆力に優れるも、不慮の禍や災難に見舞われる運なのです。歴史上の著名人で最も例として使われるのは織田信長。才能あれども何故か人望に恵まれず、頭は切れても人情味がないとも言われます。当初の取り調べで、ひょっとしたら警察官や刑事、検事連中に理由もなく嫌われてしまったという面があるのかも知れません。まさかとは思いますが、昔なら…

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