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調剤薬局の話

抗がん剤を投与した日は、様々な薬が処方される。
それまで、風邪を引いたりして薬を処方された際は、病院もしくは家の近くの調剤薬局2~3か所のうちのどこかでもらっていた。
お薬手帳も持っていたけれど、あれ、そういえば最近見ていない・・・

薬に関してはそんな緩い感じだったので、抗がん剤投与後に処方された薬はどこでもらおう?と考えた。
A病院は大きい病院なので、近くに調剤薬局はいくつもある。
そういえば、昔病院からちょっと離れた薬局で処方箋を出した時に「この薬は取り扱ってません」って言われたことがあったっけ・・・と思い出し、A病院近くの調剤薬局のうちの1つにお願いすることに決めた。
どこかに消え去ってしまった、お薬手帳もこのタイミングで新規に発行してもらった。

AC療法1回目に処方された薬は、ざっと以下の通り。
・吐き気止め・胃薬
 →投与後三日間朝昼必ず飲むもの。
・吐き気止め×2種類
 →当日から飲める頓服薬。いずれも10回分。
・下剤
 →便秘になった際に服用、液体タイプで状況見ながら就寝前に服用。
・鎮痛剤
 →発熱時や関節痛があった場合に飲む頓服薬。10回分。
・抗生物質
 →38度以上の熱が出た際に飲む薬。7日分あり飲み始めたら必ず7日分飲み切る必要あり。

多い。
こんなに薬もらうことなかなかない。調剤にも少し時間がかかった。

名前が呼ばれ指定のカウンターに行くと、そこには椅子があった。
簡易的に渡すカウンターとは別に、ゆっくり説明して渡す用のカウンターも設置してある調剤薬局だったのだ。
確かに、薬の数も多いし、いろいろ確認されるんだろうな・・・と思い椅子に座る。
担当の薬剤師は、自分の親より少し若い世代かな?という女性。
病状・今日の抗がん剤の様子・今の体調等々、事細かに確認してくれる。その上で、処方された薬がどういった意味を持つのか、どういった時に必要なのかを具体的に説明してくれた。
特に頓服の薬。「ちょっとでも『あれ、なんか調子悪いな』と思ったら、すぐ飲んでいいからね。我慢しなくて大丈夫!」と太鼓判を押してもらえたのは心強い。

もろもろ説明した後「数日後、様子を確認するお電話させていただいても大丈夫?」とのお言葉。
え、調剤薬局ってそんなアフターフォローまでしてくれるの???
話を聞くと、どうやら患者と病院の間をサポートする役割も最近では担っているらしい。
初めての抗がん剤投与で、この後どんな副作用が出るかもわからない状態で不安もそれなりにあったため、ぜひお願いしますと伝えた。

その数日後。
本当に電話がかかってきた。

副作用の様子等、事細かに聞いてくれる。
何なら病院の病院の先生や看護師さんより丁寧じゃない?笑、と思うほどに。
ちょうど頓服の吐き気止めが少なくなってきていて、この後足りるかしら・・・と思っていたところだったのでそれも伝えると、病院に連絡して状況を伝えて翌日の通院時(検査のため通院予定があった)に処方してもらえるよう調整しておいてくれるとのこと。
か、神すぎる・・・!!

これまで調剤薬局って「薬をもらうところ」という認識だったのが、大きく変わった。
たまたま私が行った調剤薬局がよかったのか、それとも病気によっては元々こういう対応もするものなのかわからないが、信頼できる調剤薬局に出会えることができてよかったと心底思っている。

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