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江戸時代から続く瞑想呼吸法で健康になろう

江戸時代に実在した禅の和尚が記した、健康呼吸法がある。これが当時から熱心に読み込まれ、実践した者の多くは、様々な点で健康になったという。私は自律神経が弱っていたため、様々な治療方法を調べていた。民間療法の一つとして、呼吸法に注目し、物色していくうちに本書と出会った。1955年の出版と古いが、内容を精査した結果なかなか信頼できそうに感じた。

その呼吸法のやり方は、
・仰向けに寝て
・丹田(臍下三寸)に意識を向けて
・下半身に気(エネルギーや意識、吸気、何でも良い)を充実させるイメージで
・静かに鼻呼吸をする
・吐く時間は、吸う時よりも長くする
これを最大で30分程度、もしくは寝入ってしまうまでやる。非常に簡単だ。原文は以下の通り。

両脚を長く踏みそろえ、一身の元気を 臍 のまわりから 気海 丹田、腰、股や両脚から足のうらに下し充して・・・
かすかにとめた息を下腹の方へおとして入れるような感じで、細くゆっくりと吐きだすようにする。
そうすると、下腹に力がみたされた感じをうけます。この下腹(気海丹田)に保たれた力をそのままに軽くたもつようにしてふたたび、鼻孔から空気を静かにすい、気海丹田にしだいに力をみたしてゆきますと、下腹はふくれた感じになってまいります。このように下腹部に力を少しずつみたし・・・
三、四十分間も心しずかに観じてゆきますと、手足は温かくなり、なんともいえぬこころよい気分にひたされます。そして、よい気持になったまま、ぐっすり睡りに入る

どうやら気というものは、下半身に保持させるとよいようだ。そういえば、頭熱足寒と昔から言う。

真の名人達士の息は足の 踵 で呼吸し、凡人は 喉 で息をするといっている

とあるように、足の裏に鼻がついているがごとく、自分の呼吸のイメージを形作るとよい。

また、丹田に意識を集中させ続けることは、自身の感覚を深める。瞑想と同じ効果だろう。

浩然の気を 率いて一切を丹田に納めいれ、長年これをまもりやしない、仙人が釜で神薬を 煉るように煉りに煉りかさねるならば、わが身は天地に溶けこみ天地宇宙一切がわが身に溶けこんで、 渾然一体となるという自覚を得、自由自在の境地を 獲得する

まさに、気を練り込むといった感覚だ。これは自分が吸った空気をぐっと圧縮して固めていくイメージを持っている。

私は健康に関する書物を多く読むが、実践を続けることが苦手だ。そんな私に響いた言葉が次のもの。

知識でなく、実行して身体と心でこの書物の心を体感せよ。 行得せよ。
行の世界、実行の世界にこそ真理が現成するのです。

また、この呼吸方を実践している当時の人の工夫も記されている。自分なりのイメージを持ちやすくなる。

A氏は、夜、ねむれぬときに、床のなかで身体をぐったりさせて、足の裏に鼻があると想像し、足の裏と下腹部のあいだを呼吸する空気がしずかに流れうごいている 相 に思いの波を一致させながら、思想と呼吸の上下往復運動を繰りかえしている

この呼吸法により、自律神経を含め様々な点で健康になると言われている。その背景には、瞑想に関して科学で分かっていることもあると思うが、腹式呼吸により内蔵が動くことでマッサージになることもあるだろう。無論、それだけに留まらない不思議な健康効果がありそうだ。自分なりに探求を進めたい。


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