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苦しみをもたらす自分の無意識を変える

今回読んだ本はこちら。

私は不安症なところがある。色々と悩みすぎて、疲れてしまうこともある。怒りすぎることは無いように思うが、行動の裏にはこっそりと怒りが潜んでいることも少なくない。これは、私の物事を理解し行動するモデルが、そうさせているのだ。

そう思って、認知行動療法に関心を持った。どうやら自分の苦しみだけでなく、子育てなど色々と役に立つようだ。

「同じ出来事を経験しても、自分とはまったく違う反応をする人もいる」  つまり、自分の受け止め方は唯一の選択肢ではない

この受け止め方が、認知モデルによって変わる。モデルは人の数だけあるし、実は選び直すことができる。そのためには、今のモデルの中身と向き合わなければいけない。これは時に自分の弱さや辛い過去と結びつくことがある。

皆さんが「出来事のせいにしている」ということです。
認知に問題がある限り、職場や環境が変わっても、また同じようにつらくなったり、落ち込む

他責の罠。出来事と自分の感情の間には、認知モデルが存在している。環境を変えても、自分が変わらなければ、結果はそのまま。そういうことを繰り返している人をみかけるが、とても辛そうだ。おとなになった後に、教えてくれる親切な人は少ない。

自分の認知モデルをどう確認していくか。それは自己観察が必要だ。自分の行動や、その背後にある信念を客観的に浮かび上がらせたい。日記をつける習慣があると、うまく行きやすいかもしれない。出来事の後に、自動的に自分の中で湧き上がってくる思考や感情を明記してみよう。そこには、無意識に沈んだ魂のようなものが見えてくるはずだ。

人はある気分に陥っているとき、その気分と一致するような記憶を再生しやすい、ということが、心理学の研究により知られています。

記憶が気分を強化されてしまう。例えば、人から叱責を受けた時に、過去の叱られイベントを思い出して、さらに悲しくつらい気持ちになるように。だからこそ、自分の感情を認知モデルでコントロールすることがより重要になってくる。

私たちは、自分や他人、世の中といったものに対する思い込みに基づいて行動することにより、その思い込みが事実になるように仕向けている場合があるのです。
こうした望ましくない思い込みの達成を回避するには、自分が「本当は何を望んでいるのか」を突き詰めて考える習慣を持つことが大切です。

例えば、「私は勉強ができない」という思い込みがあったとする。すると、勉強会への参加も避けるし、人から勉強の話をされることも嫌がるようになる。結果として、自分の勉強は進まないから、当初の思い込みが事実になってしまう。本当に望んでいるのは、勉強ができるようになることだとしても。しかし、当初の思い込みが無意識として存在するので、勉強しないのだ。これは、仕事でもスポーツでも、何にでも当てはまる。

推論の誤りは、心身ともに元気なときには現れにくい、ということです。しかし、とても疲れているときや、嫌な出来事が重なって余裕がなくなっているときのことを思い出してみてください。

ここでいう推論の誤りとは、事実を認知する推論が誤っていることを指す。例えば、あるミスを指摘されているだけなのに、まるで人格全体を攻撃されているかのように感じること。そもそも体力がある状態なら、認知の歪みが生じにくいということだ。

ストレス管理方法の一つとしては、「疲れる前に休む」癖を作ることだ。どうしても集中したり興に乗ってしまうと、疲れるまで行動してしまいがち。時間を決めて、機械的に休む。作業が進むことより、疲れることのデメリットの方が大きい。

部分を全体に広げてしまう「一般化のしすぎ」という考え方のクセをお持ちの方は、その逆のことをしよう、と心がけていると上手くいきます。つまり、広げすぎた否定エリアを本来の「部分」にまで縮小させようとする習慣を持っていただきたいのです。
否定された部分にきちんと向き合おうとせず、「否定された」「傷つけられた」という抽象的な事実とだけ向き合っているために、かえって気分の落ち込みを大きくしている場合が少なくありません。  否定された部分についてはしっかりと受け止めることが、事実以上に落ち込むのを防ぎ、思考を問題解決に導きます。

先のミスの指摘の例で言えば、言われたミスの挽回方法や予防方法について、誠実に対応するということ。つらい事実を受け止めることは最初は大変かもしれないが、慣れてくればその方がやるべきこともハッキリして楽になってくる。

頭の中で「ああだろうか、こうだろうか」と考えているのではなく、実際に行動してみる(行動パターンを変えてみる)ことにより、自分の認知が正しいのかどうかを検証し、その結果に合わせて認知を修正していく……というのが行動実験の基本

行動パターンを変えてみること。そして、結果を受け止めること。その繰り返しで、自分の認知モデルが徐々に見えてくるし、直し方も分かってくる。行動と結果にフォーカスすることで、自分の思考の中での堂々巡りから抜け出せるのだ。

信念は、本人にとって、それなりの意味があって生み出されたものです。たとえば、子どもの頃には、それが自分の身を守る方法であったのかも知れません。

例えば「自分は完璧でいたい」という信念が、子供時代に親の期待に答えることが生存に有利だったことから生じた可能性がある。もしくは、友人に尊敬されるためには、勉強ができていなければという信念もあるかもしれない。

今の自分の認知モデルは、驚くくらいに自分の過去の出来事から構築されている。それに気づけると、今の自分の人格は生まれつきなものでもアイデンティとして執着すべきものでもないことが分かり、新しい認知モデルを獲得しやすくなる。

不安や恐怖の対象となっている刺激をいつも避けていると、「回避したから無事で済んだ」ということを経験的に学習することになり、相対的に「回避しなければ大変なことになる」という認知を強めてしまう

命に関わるような大きなリスクからは距離をとったほうがよいが、世の中には慣れていったほうが結果として苦しみが減り幸せが増えることもある。少しずつ無理のない範囲で。学業や仕事、人間関係など、人生で重要な課題については、特にそうだ。

「怒りという感情よりも前にあった感情に目を向ける」というのが、アンガーマネジメントの大前提となる考え方です。そして、二次感情である怒りにとらわれることなく、一次感情を解消することを目指していきます。

例えば、「人に蔑ろにされた」という一次感情があったとする。そこには、「私は人に馬鹿にされたくない」という認知モデルがある。事実としては、別に馬鹿にした行為ではないかもしれない。でも、認知モデルのせいで、そのように受け取ってしまうと、上記の一次感情、そして二次感情としての怒りが生じてしまう。

日記などで、事実、その後に起きた感情を書きだしてみる。そして、その2つをつなぐ自分の認知モデルを推測してみよう。その後、その認知モデルの妥当性を実験にて確認し、修正していく。そのようにして、認知の歪みを正せる。苦しみが減り、幸せが増えていくのだ。



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