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パパ、そういう人やねん。

先日妻の誕生日だった。

誕生日当日、娘たちと妻に「おめでとうー!」と伝える朝。

手紙を書いていた娘たちに「なんかないの?」と言われ、特に記念日に何かをするという感覚がないものだから、「まぁケーキ買いに行くかな」と。

長女に「それだけ?」と言われ、次女に「パパ、そういう人やねん」と言われる。

たしかにそういう人やねん。あんまり奥さんに対しては何かしてあげてこなかったなぁと振り返っていると妻にも「そやねん、そういう人やねん」と言われる。

「外面はいいから優しいようやけど、何気ない一言に私は傷ついたりしてんねん。」

ついでにそんなことを言いだす。いや、それ熟年離婚になるやつやん。

僕に向かって「あなたよりはおもしろい」が口癖の妻。

僕の髪が伸びてきたら、「ブロッコリー」と呼ぶようになる妻に「私は傷ついている」と言われたくはないのだけれど。

とはいえ、10年超の結婚生活でこれまでたくさんのプレゼントをしてきた。そしてその度に心を折られてきた。純粋に喜んでくれた思い出がない。本当にない。

むしろ「なんでこんなん買ってきたん」と言われた思い出は数知れず。そんな恐怖の思い出をふりきり、仕事の帰りに花を買ってプレゼントすることにした。

妻はちょっと驚いて、でも「そんな花好きじゃないねん」と笑いながらすぐさま言い放つ妻。なんでやねん。いや、知ってるよ、あなたそういう人やん。

でも実はほしいものがあって、それは一緒に買いにいきたい、という話を聞いた。あぁ、そういうのほしいと思ってたんだと知らなかった。

家で仕事をする時間が長くなって、家族とたくさん話すようになった。

今までも話しているつもりだったけれど、やっぱり一緒にいる時間の長さというのは大切なんだろう。

部屋で仕事をしていても聞こえてくる、娘のピアノの音、兄弟で遊ぶ音、妻が叱る声、笑い声。仕事をしていても「ここの問題が分からない」と入ってくる長女。姉の勉強中に退屈で部屋に入ってきて仕事を手伝ってくれる次女。

在宅で仕事をすることもこれまであったけれど、子供達の学校も始まるので毎日子供達と家に一緒にいながら、仕事をすることはこれから先きっともうない。とても特別な2か月だった。

大阪も今週末はかなり人出が多かった。

外出自粛は終わり、積極的に経済を回していこう。それにはとても賛同する。

でも、オフィスワークに関しては元に戻すのはやめよう。なんだか何事もなかったかのように元のように働くオフィスの光景が地方の中小企業には待っている気がしている。マスクをつけて距離をとっただけで、結局何も働き方は変わらなかった、という会社も多いだろう。

オンラインでできることと、オフラインでしたいこと。今までぼんやり相手に合わせていたことを、よりクリアに分けられるようになる。そのチャンスを活かしていこう。

そう思うのはやっぱり今の家族との時間を経て、だ。

パパ、そういう人やねん。

家族以外にもそう思って諦めてもらいながらお付き合いして頂ける人達と、新しい日常を迎えていけたらいいなと思う。



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