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三方善しの経営

経営者になったばかりの頃、右も左も分からない、営業経験ゼロの私は、自分の得意分野であった技術で勝負しようということで、ローコストマンションを開発し、建築費を2割下げるために、仕入れ面、作業効率などで試行錯誤を繰り返しました。

なぜ、「建築費を下げる」ことにこだわったかと言うと、建築費を下げれば、家賃を下げて貸すことが可能になります。そうすると、入居が決まりやすくなり、オーナーさんには安定経営をしていただけると考えたからです。

オーナーさんに喜んで頂けるということは、仕事を多く任せて頂けるようになり、私どもの協力業者に対しても、仕事を多く発注することができ、協力業者にも大変喜んでもらえます。
私の中には、そうした近江商人の経営の考え方である「三方善し」の考え方が昔からありました。

我社の成長を支えてくれたのは、紛れもなくこの考え方です。


また、この「三方善し」の考え方も進化し、オーナー様の三方の一つである「入居者」のことまで我社が考えることで、オーナー様によりいっそう喜んで頂けるということで、入居者が満足する部屋づくりに取り組むようになりました。

コストをそのままに「仕様を上げる」ことや、「間取り」と「デザイン」にも力を入れました。数年前からは「カテゴリーマンション」を展開し、できるだけ細かく入居者を限定して企画し、より入居者ニーズに合ったマンションをつくってきました。

そして今、もっとも力を入れているのが「性能を上げる」ことと「生活支援型マンション」の開発です。
断熱性や調湿性、防音性などの「性能」を上げることで、入居者の住み心地をよくしたり、CO2の削減が世界的課題である中で、省エネの暮らしを実現します。

また、「生活支援型マンション」では、例えば、お子さんのいる共働き夫婦やシングルマザーのために、マンションの1階、2階に幼稚園を併設した、「幼稚園付マンション」を現在開発中です。さらに、ホテルのようなコンシェルジュサービスも取り入れようとしています。クリーニングやタクシーや各種チケットの手配など、考えれば考えるだけアイデアは出てきます。

実際のところやっていることは至極単純です。お客さまの立場に立って生活を思い浮かべれば、お困り事は自然と浮かんでき、それを解決するようにアイデアを出していくだけです。三方善しという核さえ持っていればそれができるのです。

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