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イキりの福姫03-雀魂2024春の四半期

雀魂のキャラ「福姫(フージー)」でイキった対戦を振り返っている。初心者向けの技術解説に適した内容なので、いくつかnote記事にしたい。

今回も上の牌譜から事例を採集した。

<東4局2本場>

<1巡目>

ツモ北 → 打南。

メンツ→トイツ→ターツの順に手牌を切り分ける。

123m + 4m + 67m + 567p + 9p + 3s(+ 打南)+ 西 + 北

メンツが2個ある。トイツが0個ある。ターツが1個ある。この手牌はサンシャンテンだ(8 -(2 + 2 + 1) = 3)。

配牌で2メンツが揃うのは恵まれている。魂天の稚児さんから教わったことだが「配牌にメンツがあればリーチを目指す。字牌から切っていく」。

4メンツ1雀頭の完成には、トイツが1個、ターツが1個足りない。字牌よりも数牌を残し、トイツやターツを生みやすくしたい。

<トイツを生む連鎖、雀頭コンボを狙う>

ここでトイツ(雀頭)の発生について見直そう。

前回記事「イキりの福姫02」で述べたが再掲する。

孤立牌の 4m の周辺に 123m があり、四連形の構造が生まれる。

ツモ → 手牌の構成変化

1m → 11m + 234m

4m → 123m + 44m

1m、4mの計2種6枚で雀頭+1メンツが生まれる。

また、孤立牌の 4m の周辺に 67m のリャンメンターツがある。

ツモ → 手牌の構成変化

4m → 44m + 67m

7m → 46m + 77m

4m、7mの計2種6枚で雀頭+ターツが生まれる。

5m → 456m + 7m(4m + 567m)

5m の1種4枚で四連形の構造が生まれる。

字牌を重ねても、単独のトイツが生まれるだけだ。しかし数牌によっては、1枚のツモでトイツとターツが生まれたり、四連形の構造が生まれる。

四連形からはさらに「シュンツとターツの連続形」も生まれる。2メンツを狙う形でもあるが、5枚組の雀頭コンボとしても利用できる。

123m + 4m → ツモ2m → 123m + 24m(12m + 234m と切り分けてもよい)

一例は12234mだ(俗にペンカンチャンと言う。シュンツ+ペンチャンターツ、またはシュンツ+カンチャンターツに切り分けられるため)。2メンツが揃うのは残り3枚の3mだけだ。しかし・・・

ツモ → 手牌の構成変化

1m +(12m + 234m)→ 11m(+ 打2m)+ 234m

4m +(123m + 24m)→ 123m + 44m(+ 打2m)

2m +(123m + 24m)→ 123m + 22m(+ 打4m)

5m +(12m + 234m)→ (打1m)+ 22m + 345m

14m、25mの計4種12枚で雀頭+1メンツが完成する。

数牌のツモを粘ると、雀頭作りが楽になる。

チー・ポン・カンであと4枚では、雀頭コンボを作れない。また、副露で手牌をちぎると、残りの手牌が10枚→7枚→4枚と減っていく。シュンツとターツの連続形(5枚組の構造、雀頭コンボ)を作りにくくなり、雀頭作りが遅くなる。

(反対に、既に雀頭があって、副露の後でも雀頭が残るならば、副露してよい。副露した後の手牌が孤立牌だらけではテンパイが遅れ、非効率だ)

<2巡目>

ツモ3p → 打西。

メンツ→トイツ→ターツの順に手牌を切り分ける。

123m + 4m + 67m + 3p + 567p + 9p + 3s(+ 打西)+ 北

メンツが2個ある。トイツが0個ある。ターツが1個ある。この手牌はサンシャンテンだ(8 -(2 + 2 + 1) = 3)。

まだトイツが1個、ターツが1個不足だ。しかしターツ作りのきっかけが増えた。

<ターツを生む連鎖、くっつきコンボを狙う>

ここでターツの発生について見直そう。

孤立牌の 3p の周辺に 567p があり、飛び石形の構造が生まれる。

ツモ → 手牌の構成変化

1p → 13p + 567p

2p → 23p + 567p

4p → 34p + 567p

5p → 35p + 567p

8p → 35p + 678p

単独の3pからは、ツモ1p、2p、4p、5pでターツが生まれる(孤立牌に周辺牌がくっつく。他にツモ3pでトイツが発生する)。

しかし飛び石形からはツモ8pでもターツが生まれる。シュンツのスライド現象が起こるからだ。他には、ツモ4pで三門張が生まれる。孤立牌にはない長所がある。

同様に、孤立牌の 9p の周辺に 567p があり、飛び石形の構造が生まれる。

ツモ → 手牌の構成変化

8p → 56p + 789p

7p → 567p + 79p

4p → 456p + 79p

単独の9pからは、ツモ7p、8pでターツが生まれる(孤立牌に周辺牌がくっつく。他にツモ9pでトイツが発生する)。それぞれ79p、89pで愚形ターツだ。

しかし飛び石形からはツモ8pでシュンツ+リャンメンターツが生まれる。シュンツのスライド現象が起こるからだ。また、ツモ4pでもシュンツ+カンチャンターツが生まれる。これもシュンツのスライド現象だ。

数牌のツモを粘ると、ターツの発生機会が増え、時には好形ターツが生まれる。

運良くチーしてさらしたシュンツは、くっつきコンボを作れない。さらに、副露で手牌をちぎると残りの手牌が10枚→7枚→4枚と減っていく。4枚組の構造(くっつきコンボ)を作りにくくなり、ターツ作りが遅くなる。

(反対に、既にリャンメンターツと雀頭が揃い、副露の後にリャンメン待ちテンパイへと確定的に進めるなら、副露してよい。副露した後の手牌が孤立牌だらけではテンパイが遅れ、非効率だ)。

メンツの周辺に孤立牌がある構造からは、ターツが生まれやすい。これを「くっつきコンボ」と呼ぼう。以下の用例がある。

・四連形
・中ぶくれ
・亜リャンメン
・飛び石形
・暗刻と隣接牌

(注、上の5種の中で、暗刻と隣接牌は雀頭コンボとして強力に機能する。ターツが発生する展開は一応あるが、滅多に実現しない)

過去にXのスレッド記事として特集しているので、本稿を読んで物足りない方はご一読いただきたい。

<3巡目>

ツモ9m → 打北。

メンツ→トイツ→ターツの順に手牌を切り分ける。

123m + 4m + 67m + 9m + 3p + 567p + 9p + 3s(+ 打北)

メンツが2個ある。トイツが0個ある。ターツが1個ある。この手牌はサンシャンテンだ(8 -(2 + 2 + 1) = 3)。

まだトイツが1個、ターツが1個不足だ。しかし雀頭作りのきっかけが増えた。67m + 9mだ。

ツモ9m、6mで雀頭+ターツが発生する。ツモ8mで四連形が生まれる。四連形はさらにシュンツとターツの連続形(雀頭コンボ)に発展できる。

早くリーチを打ちたいのなら、字牌を切って数牌を残す。トイツとターツの発生機会を目一杯に増やす。安全牌候補に字牌を残すと、手作りが遅れ、他家にリーチを打たれやすく、その後の手作りが素直にできない。麻雀でアガれるのは一番乗りだけだ。

<4巡目>

ツモ4s → 打9m。

メンツ→トイツ→ターツの順に手牌を切り分ける。

123m + 4m + 67m(+ 打9m)+ 3p + 567p + 9p + 34s

メンツが2個ある。トイツが0個ある。ターツが2個ある。この手牌はリャンシャンテンだ(8 -(2 + 2 + 1 + 1) = 2)。

3-7の数牌はターツを生みやすい。3sを残したおかげでリャンメンターツが生まれた。67m、34sが発生し、リャンメン×2のイーシャンテンに進めるかもしれない。しかしトイツがない。

最悪の場合、678m や 234s が次々完成するが、1234mの四連形でリャンメン単騎待ちのテンパイを狙える。好形テンパイしやすいように、不要牌を整理する。

打9m → 打9p → 打3pとしよう。3pを残すのは、タンヤオをつきやすくして、打点上昇させたり、副露テンパイを可能にしたい思惑がある。34p + 567p、35p + 567p で雀頭コンボが作れるといい。

<5巡目>

ツモ1s → 打1s。

好形テンパイの邪魔になるので、ドラを見切った。

<6巡目>

ツモ3p → 打9p。

メンツ→トイツ→ターツの順に手牌を切り分ける。

1m + 234m + 67m + 33p + 567p(+ 打9p)+ 34s

123m + 4m + 67m + 33p + 567p(+ 打9p)+ 34s

メンツが2個ある。トイツが1個ある。ターツが2個ある。この手牌はイーシャンテンだ(8 -(2 + 2 + 1 + 1 + 1) = 1)。

トイツが1個生まれ、雀頭が確定した。リャンメン×2のイーシャンテン形だ。ツモ58m、25sでテンパイだ。1m、または4mは余剰牌だ(テンパイに関与しない牌)。

タンヤオが確定するので、テンパイしたら打1mリーチしたい(タンヤオが確定する手牌では、シュンツが456牌含みになる。67m、34sは456牌含みで都合がいい)。

<8巡目>

ツモ南 → 打1m → 下家がポン → 打白。

メンツ→トイツ→ターツの順に手牌を切り分ける。

(打1m)+ 234m + 67m + 33p + 567p + 34s + 南

リャンメン×2のイーシャンテンを維持して、余剰牌の1mを南に持ち替えた。

下家はソーズ、ピンズの中張牌を序盤からバラ切りし、字牌が出ていない。さらに9mをポン。マンズ混一色が怪しい。

打 → 当たりうる(放銃しうる)待ち

1m → 23m(リャンメン待ち)、11m + XX(シャンポン待ち)、1m(単騎待ち)

南(3枚見え) → 南(単騎待ち)

南も混一色には当たりうるが、1mよりは当たりにくい。また、3枚見えなので南の役牌の1翻はつかず(下家は南家)、高打点放銃の要素が減る。不安はあるが、よりよい安全牌候補を残した。

安全牌を残したいなら、リャンメン×2のイーシャンテン形まで駆け抜けてからにすることだ。下家は1mをポンして2副露。いよいよマンズ混一色が危ない。役牌のうち東、発、中は0枚見えで、放銃率が高まっている。

<9巡目>

ツモ2s → 打南リーチ → リャンメン58m待ち。

次巡にテンパイした。下家は染め色のマンズが切れておらず、テンパイ確率が50パーセント程度だ。3枚見えの南ならまだ放銃しにくいだろう。

麻雀の花形、メンタンピンに進んだ(リーチ・タンヤオ・ピンフ)。

<17巡目>

ツモ、6,000点オール(親20符6翻)。親跳満のツモで、他家とは18,000 + 6,000 = 24,000点差がつき、1位を狙いやすくなった。染め色のマンズで待つ苦しい展開だが、運が向いた。

<ピンフ・ツモは打点が低い・・・点数計算の例外役>

さて、4翻は基本的に満貫だが、ピンフ・ツモ+2翻、およびチートイツ+2翻は例外で、満貫にならない。

ピンフ・ツモ+4翻(親20符6翻)なら親跳満ドライバーだ。

ピンフ・ツモ・リーチ・タンヤオ・赤1・裏1

今回はドラなしの手牌に赤1・裏1が乗る幸運だった。

ピンフ・ツモ+3翻(親20符5翻)なら親満貫ドライバーだ。

ピンフ・ツモ・リーチ・タンヤオ・赤1

ピンフ・ツモ・リーチ・タンヤオ・裏1

ピンフ・ツモ・リーチ・タンヤオ・ドラ1

いずれかで達成できる。

ピンフ・ツモ+2翻(親20符4翻)なら2,600点オールだ。

ピンフ・ツモ・リーチ・タンヤオ

今回の手牌で赤5p以外のツモ、かつ裏ドラなしのアガリが該当する。いわゆるメンタンピンツモで、満貫にならない。

ピンフ・ツモ・リーチ・ドラ1

ピンフ・ツモ・リーチ・裏1

以上も同様に満貫にならない。

<宣伝・・・タケオしゃんの点数計算表>

点数計算について、1つ宣伝しよう。

タケオしゃんが「どこでも麻雀点数計算表」の画像ファイルを無料公開している。コンビニの写真プリントサービスで、L版や2L版の写真として出力できる(写真の印刷代は有料で、各自の負担になる)。

「ピンフツモ(20符)は40符ツモの半分」「50符1翻はチートイツ(2翻)と同じ点数です」と、例外事項への注がある。高級感のある見た目なので、部屋に置くとシャレオツな小道具感が生まれる。

<終わりに・・・素朴さと逸材>

今回は素朴で単純な内容だが、手作りの初歩を綿密に考えていますか? という内容にできた。

牌を握り、ツモ → 打 → 手牌の構成変化、と順を追う操作を繰り返し、段取りの仕方を覚えたい。手指を動かしながら考えると、脳が刺激され、記憶が定着しやすい。

逸材(悪い意味で)
(X からあげのるつぼ 2024/01/24)

怒りのベテラン職人猫ではないが、素朴さを吹っ飛ばしたとんでもない人が麻雀打ちに時々出るという。タケオしゃんが自身の生放送で語っていた。「序盤に内側の数牌を切って、河でメンツが完成する人がときどきいる」

私の考えではあり得ないことだが、思考が突飛で独特な人は分野を問わず現れるものだ。麻雀での突飛な人を私は熟知していない。

(本稿終わり)


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