「データアナリスト」の違和感の正体

世の中では「データアナリスト」=「データ分析をする人」になっているらしい

世の中の多くでは「データアナリスト」は「自分が使うためにデータ分析をする人」、「データを扱うスキルがある人」を指しているらしいということに気がついた。

「データアナリスト」だけを考えるとおかしくはないのだが、他の言葉と比較してみると言葉の使われ方が違うことに気づく。

料理人と比較すると違いが判る

「料理をする人」は、料理を提供することに責任があるかどうかで2つにわけることができる。料理のジャンルやレベルは関係ない。趣味であっても対価を得ている人よりも上手に作れる人はいる。

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「料理人」と聞いたら「料理を提供することに責任がある人」を想像する人の方が多いのではないか。どんなに上手に料理ができても責任が伴わないのであれば「料理人レベル」「プロ級」とは表現しても「料理人」と呼ぶことはあまりないだろう。

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ところが「データアナリスト」は「分析を提供することに責任がある人」ではなく「データ分析をする人」になっている。仕事で何の責任も無く誰かに分析を提供することは考えづらいので「自分が使うためにデータ分析をする人」になる。これは「自分で食べるために料理を作るから料理人」と言っているようなものだ。違和感の正体はこれだった。

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定着するに至った流れ

なぜ「データアナリスト」では言葉の使われ方に違いが出てきたのかを考えてみると、次のような流れになる。

1.「データアナリスト」が「データを分析する人」と訳された
2.「データ分析に責任を持つ人」がほぼ存在していないため、「データアナリスト」が「自分が使うためにデータ分析をする人」に結びついた
3.違和感を持つ人もあまりおらず、そのまま定着した

つまり図にすると以下のような構図になる。

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「データアナリスト」という言葉はこの先どう使われていくのか

「データ分析に責任を持つ人」という存在が日本には歴史的にほとんど見当たらない。この先もすぐに改善するとは思われない。

その前提で考えると、今定着している「データアナリスト」=「自分が使うためにデータ分析をする人」「データを扱うスキルがある人」がそのまま続いていくのではないだろうか。

筆者は伝わりやすいので「データ分析に特に強みをもつコンサルタント/マーケター」「データ分析のスキルがあるデータエンジニア/データ整備人」を使うつもりだが、世の中とずれていると説明するのが面倒なのでもしかしたら方向転換するかもしれない。

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