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第3次データサイエンティストブームと、データサイエンティストの終わりの始まり、か?

データサイエンティストブームを横目で眺めて早数年

データサイエンティストのブームはリアルタイムで最初から見てはいるけれども最近第3次ブームとも呼べそうな動きを見せており、これはいったい何なのだろう?というのは最近ちょっと気になっていた。

その中で第1次や第2次ブームとの違いが見えて来たので、概略ながら見聞きして来たことを最初から書いてみることにした。

ちなみに自分はデータサイエンティストブームには直接に関係していることはあまりなければ名乗ってもおらず、名前が残るも消えるも別にどちらでもいいのでわりと客観的に見ているのではないかと思っている。

あと、あまり深く考えずに「データサイエンティストブームってこんな感じだよねー」と雑談している気分で書いたのでそれを踏まえて「こんな感じで思っている人もいるんだな」ぐらいで気軽に読んでもらえるとありがたい。

2012年~第1次データサイエンティストブーム「ビックデータを扱うアナリスト」

2012年頃からだったか突如として「データサイエンティスト」なる職業が登場してブームとなった。「データサイエンティストは21世紀で最もセクシー」なんて聞いたことがある人も多いだろう。

Data Scientist: The Sexiest Job of the 21st Century

このブームはその直前にあった「ビックデータ」を扱うために「デジタルデータを高度な統計手法で扱うアナリスト」といった文脈だったと理解している。

この頃から現在まで活動している人の多くはアカデミックな背景を持っているのではないだろうか。正確に言うと、データサイエンティストになったというよりはそういう背景を持った人達にデータサイエンティストと別の名前が付いた、という方が正しいかもしれない。

もっとも当人たちはデータサイエンティストとあまり名乗っていないようにも見受けられる(メディアに出るとかの場合を除いて)。特に最近はその傾向が顕著に出てきているのでは。

しかしブームから2年ほどが経過したころになると、いくらデータを扱える人が増えたところでそのデータを使う人は増えたわけでもなく、全員修士以上のチームを作ったがろくに仕事が取れず、データ基盤や整備、あるいはレポート作成ばかりで2年も持たずに崩壊した、なんて話も聞こえてきてそろそろブームも終わりかな、と思っていたのだがその予測は間違っていた。

2015年~第2次データサイエンティストブーム「機械学習エンジニア」

いつもの流行言葉で終わるかと思いきや、以外にもデータサイエンティストは生き残った。

しかし同じ名前ではあるがその中身は違っていた。「デジタルデータを高度な手法で扱う」は同じだがアナリストというよりはエンジニアであり、それも機械学習に特化している人が多いようだ。

これは2012年ころからこれまた急に聞こえるようになったディープラーニングの影響が大きい。さらにAIや人工知能といった言葉と組み合わさってそれらを作る人、という意味での「データサイエンティスト」がまた流行し出した。

このころからデータサイエンティストの新卒採用が本格化し、「データサイエンティストという名の機械学習エンジニアに”なった”人」が増えてきたようだ。

なおアナリストはもともと需要が特に日本企業ではないので、この時期以降にデータサイエンティストになってアナリストの仕事をしている人はほとんどいないのではなかろうか。

前回のブームは別の言葉と繋がることで生き残ったが、3年ぐらい経ってさすがに今回はそろそろ終わるだろうと思っていたのだが、どうもそうでもないらしい。

2019年~第3次データサイエンティストブーム「データサイエンティストと名乗りたい人」

そして昨年ごろからだろうか、第3次データサイエンティストブームが起きているのではないかと認識している。

前回や前々回とは違うのは、データサイエンティストを名乗っている人達が何をしているのかよくわからないところだ。機械学習のためのプログラミングなどをやっているらしいが、その後の動向が不明。忙しいのか、あるいは別の道に進んだ人もいるのかもしれない。

資格があるわけでもないので名乗るのは自由だし、未経験だろうが文系だろうがそれはどうでもいいのだけど、傍から見ていると「サイエンティスト」と名乗っているわりには「サイエンス」な話をしていないなぁとは思っている。

もちろん大学で本格的に学んで参入してきている人達も見かけるが、この人たちはデータサイエンティストをあまり名乗っていないように見受けられる。

つまり現在起きている第3次データサイエンティストブームは「データサイエンティストと名乗りたい人」が盛り上げているように見える。

データサイエンティストの終わりの始まりになるのか

名前が消えるも残るもそこは大した問題ではないと思っているのだけれども、さすがに名前だけで実態が無ければさ来年を迎える頃にはもう聞こえなくなっているかもしれない。

ただ世間の無知に付け込むように単に「データサイエンティスト」を名乗ることで一時的に得をしても何の結果も出せなければ全ての「データサイエンティスト」が同じような目で見られてしまうかもしれず、それはデータ活用全般への不評を呼びかねないのは危惧している。

もっともこのように発信している自分も外から見たら「適当なことをしゃべって仕事を取ろうとしているおじさん」に見えているかもしれず、あるいは気づかぬうちにそういうことをやってしまっているのかもしれない。そう考えるとデータサイエンティストブーム云々なんて言っている場合ではないのかも。

なのでこんなの書いてないで仕事や勉強をもっとやってろ、といわれたら返す言葉もございません。

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