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「データ分析」についての話の土台を共有したい

日本人同士で「家に上がるときに靴脱ぐよね?」なんてわざわざ確認する必要が無いのはそれが共通認識だからですが、データ分析についてはどうも当たり前だなと思うことがなかなか共有されていない、と感じています。

このあたりはデータ分析を行う人にとってはわざわざ確認する必要のないことだよね、といった土台となるようなガイダンスがあれば、認識が違うことでコミュニケーションのロスが生まれたり、全然違った話をしていた、なんてことが減らせるのではないでしょうか。

一例として「データ分析」というと「定量的なデータをプログラミングでなんとかする」といった捉え方をしている人が増えているようですが、これは
データ分析を一部の人がやることだと捉えているという点で狭く捉えすぎている気がします。

というわけで、ぱっと思いついた話を書き連ねてみました。足りないこと、議論しなければならないことはたくさんあると思っていますが、まずはこうやって書いてみようと思った次第です。

データ分析ってこういうことですよね

・データ分析は意思決定のために行われます。より詳しく言えば、データ分析は意思決定の不確実性を下げ、サービスの改善や利益の向上、危機の管理の精度を上げるといったことを目的としている、と言えるでしょう

・データ分析は意思決定する人ならば誰でもやっていることです。天気予報を見て傘を持って行くかどうかを決める、なんてまさにデータ分析です

・感と経験はその人が集めた「データ」であり、そのデータに基づいて意思決定しているのもまたデータ分析ですがそれはいつでも通じるわけではありません。隣近所を歩くのには感と経験でも十分ですが知らない町ではすぐ迷いますし、冬山にそのまま行けば遭難確実になるのと同じです

・データ分析は誰でもやっているからだれでも同じレベルでできるとは限りません。毎日自炊する人と休日に時間をかけて趣味でやる人とレストランのシェフはみんな「料理ができる人」ですが内情はまったく違います

・データ分析は「データを何とかする」だけでなくて基盤・整備・セキュリティ・広報・情報リテラシーなどの様々な領域におけるまた1分野ですよね

・データ分析は内製化が欠かせません。外部に頼るのは主体的にコントロールできる人材がおり、かつ一時的であるのが理想です

データ分析はプロセスですよね

・データ分析は目的の決定から始まり、データの収集・処理・洞察を経て、意思決定と施策の実行が行われ、結果のフィードバックされることで終わる一連のプロセスです

・「分析」はプロセスの一部でありそれ自体は目的ではありません。「分析をする」はその役割を担う、ということです。「分析」というと「分析だけやることを目的としている」と勝手に決めつける人もいますが正しくないです

・「収集」は知りたいことに合わせて情報・データ集めるのであり、何でもかんでも集めることに意味はありませんが、その時になってからでは手に入らないこともあるので事前に何を集めるかも合わせて考える必要があります

・あらゆる手段は何が知りたいかに合わせて選択されます。手元にあるデータを使うかどうか、定性か定量か、導入済みのツールを使うかどうか、手法のうちどれを使うかなどは必要に応じて選ばれるのであって、前提にはなりません

分析の考え方の基本中の基本はこうですよね

・データ分析に最も重要なのは「いかに客観的であるか」です

・インフォメーションとインテリジェンスを混同しなようにしましょう(データとインフォメーションは要議論)。集計やグラフはインフォメーションです

・欲しいデータが必要な時に全て集まるなんてことはありえません

・100%確実な予測ができることなども絶対にありえません

・必要な時に間に合わなければどんな完璧な分析でも無駄です

ようやく議論ができる時に?

実はこれらの話の多くは数年前からブログで詳しく書いています。残念ながらあまり議論が盛り上がってこなかったのは自分の文章の拙さはもちろんですが、それ以上にデータ分析自体が広まっていなかったからで、この数年で実務経験を積んだり情報発信をされる方が増えてきたこともありようやく議論がされ始めたのかなと感じています。

とはいえ技術についての情報は書籍やブログなどたくさんあるのですが、こういった考え方とかはまだまだ少ないので、この記事がちょっとでも議論のきかっけになったらいいなと思ってます。

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