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町で占い師に呼び止められた

 夕方新宿で買い物した帰り、いきなり占い師に呼び止められた。

 呼び止められたのはこれで2回目だが、前回のものとは違い今度はちゃんと実在する人間のようだ。

 その人は見た目20代後半位の女性で女優で例えるなら、土屋太鳳のような人だった。前回は湯婆婆みたいな人だったけど今回はまた違う意味で異質。

 「突然呼び止めてすみません。すごくに気になったものですから。」

「なにがですか。」

「貴方 私たち側の人間ですよね。普通の人が見えないものが見え聞こえないものが聞こえ、更にそれらと意思の疎通ができる人間。それも相当強い。」

「その能力 私の比ではありません。」

「はぁ、そうなんですか。」

「えっ、自覚されていないのですか。」

「何となくは、わかっていましたけど」

「それを人のために使う気はないのですか。」

「ありません。」

「今まであった霊能力者の中でも群を抜いているのに、勿体ないです。」

 (「今まであった霊能力者・・・。」て、霊能力者じゃないんだけど。)

せっかく声を掛けてもらって悪いのだけど、そんな事には全く興味はないのが本音である。

 そんな会話をしていると、彼女の前に置かれていた水晶玉が音を立てて弾け砕け散った。私もちょっとビックリした。

「貴方は気が強すぎる。だからこうなってしまったのです。」と冷静な土屋太鳳。

「自分は自分がしてあげたい人に手を差し伸べます。」と言葉を残しその場を去った。

 何となくわかっていたが、その手の人から見れば相当の力があると言うのが確認できた1日だった。



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