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同居人3号がパンダなった。

 彼女の誕生日プレゼントにPCやペンタブレットを作ってあげたが、それが仇になったようだ。

 肝心の受験勉強そっちのけでPCにかぶりついている。喜んでくれるのは嬉しいのだが・・・。

 初期設定やインターネットの接続設定など彼女が苦手そうなものは、すべて私がやっておいた。いま彼女はデジタル絵画用ソフトになれる為に、寝る間も惜しんで専念している。

 今朝目の下に隈ができパンダの様になっていた。

「慣れようとしているのはわかるけど、ちゃんと勉強しないならロックを掛けるよ。」

「わかっています。今日だけこちらに専念させてください。そしたらちゃんと勉強します。」

朝食を済ませ登校しようとしている彼女を引き留めた。

「Miyukiちゃん下観てごらん。」

 制服の下はパジャマのママだった。それ程寝ぼけているらしい。このまま登校して大丈夫なのかと心配してしまう程に寝不足している様だ。学校まで徒歩だから寝てしまう事は無いだろうが。

 学校から帰るなりPCルームに直行。10分後つきママが私を呼びに来た。何かあったのかと思い部屋をのぞいてみる。

 そこには着替え終わって椅子にもたれ掛かったまま眠っている彼女がいた。その姿はパンダが遊具のタイヤの穴に身を入れ眠っている姿に似たものがあった。(目もちゃんとパンダ隈があるし)

 つきママは彼女が帰ってきたので、部屋が暖かくなると思い追随していたようだ。彼女を横にし毛布を掛け寝かす。その傍には心配そうにつきママと黒猫さん達が寄り添っていた。(彼女が来てからネコ様達はMiyukiちゃんの傍から離れない、ちょっと寂しい気持ちに襲われる)

 私が夕食を作っていると彼女はダルそうに起きてきた。もちろんその後ろにはネコ様達が一緒についてきた。元気は回復したようだ。

「この家不思議なんですよね。不思議と疲れが取れるんですよ。何時もだったら多分朝まで寝ていたと思うんです。」

「まあそれは良かったけど、顔を洗って夕食にしよう。」

何時もながら感心する食欲だった。

「何事も無理はせず、気楽にやった方がいいよ。パンダみたいにね」

「わかりました。私パンダの様に気を楽にして生きてみます。」

 多分意味は解ってくれたと思うのだが、一抹の不安を感じるのは私だけなんだろうか。



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