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次世代の設備保全DXを実現する、M2Xのこれから【非コンパウンド・スタートアップ宣言】

株式会社M2X(エム・ツー・エックス)代表の岡部です。
このたび、M2XはシリーズAで3億円の資金調達を行いました。

この記事では、改めてなぜいま設備保全(メンテナンス)なのか、そしてこの領域でM2Xは今後どのようなチャレンジをしていこうとしているのか?を記したいと思います。


人が減るほど、仕事が増えていく

日本は2040年に向けて1,100万人の労働力が不足すると言われており、いわゆる労働供給制約社会が訪れます。人口動態予測というのは最も「固い」未来予測のひとつと言われており、過去20年間の予測と実績の誤差率は0.0001%というスタディもあるほどで、この労働供給制約社会の到来は確定的な未来と言えるでしょう。

製造業においても845万人の労働需要に対し112万人が不足する見込み

その影響は社会のあらゆる分野に及びます。医療・小売・物流…もちろん製造業も例外ではありません。これまでと同じサービスレベルを維持するために必要な労働力が圧倒的に足りなくなります。つまり、人口減により全体の需要(仕事量)は減るはずなのに、それ以上に担い手が減っていく、という状況です。これに対し、設備保全の現場は更に過酷なものになります。それは、人口減により全体の需要(仕事量)は増えていくのに、担い手が減っていくという状況になります。

設備保全の現場には今後更に過酷な状況が待ち構えている

何故か。端的に言うと、労働力が不足すると機械化・自動化が進み、メンテナンスを必要とする設備が増えるからです。機械は機械を直せません。アラートを発することはできるかもしれませんが、最終的には人が直す必要があります。機械・設備の量が増えれば増えるほど忙しくなる構図にあります。つまり、労働力不足に抗おうとして自動化を進めれば進めるほど忙しくなる。それが設備保全です。今後、設備保全の現場はこの深刻な需給の歪みに向き合う必要があります。

人間の認知能力を超えた戦い

仕事量が増すばかりの設備保全ですが、この業務を完遂するには長年の勘と経験、記憶を頼りにする必要があります。例えば、製造現場で設備トラブルがひとつでも起こると、状況把握や必要部品の探索、修理対応、帳票作成等の様々なタスクが発生するほか、そのひとつひとつのタスクの遂行に多様な知見や経験、記憶力が求められます。

すべてのタスクを卒なくこなすには極めて高い能力が求められる

設備保全は人間の認知能力の限界を超えた極めて高度な仕事であるとつくづく思います。工場内に無数にある設備や部品について精通し、頻発する設備トラブルの対応を的確にこなしていくのは至難の業です。その証拠として、設備保全関連の書籍を読むと、随所に「やり過ぎると崩壊するからほどほどにね」というメッセージが見え隠れします。

「すべての設備を管理するのは現実的ではない」との前提に立っている

本来、それを支えるのが業務ツールなはずですが、効果的なソリューションがなく、現場は紙・エクセル中心のアナログなワークフローのままです。

製造DXの陸の孤島 -設備保全-

近年、製造DXの領域は様々なアプリケーションが登場しています。生産管理、品質管理、資材調達、在庫管理… 設備保全はあたかもこのDXの流れに取り残されてしまったかのように、デジタルの力をうまく活用したソリューションが存在しません

M2Xは現在様々なお客様とお話をさせていただいていますが、「日本を代表するメーカーでもこんなにも紙・エクセルなのか…」と今でも驚かされます。紙・エクセルの問題点は、帳票に記録した内容がデータにならず、スピーディーかつ質の高い意思決定に繋がらないことです。記入に要する工数、担当者による表記ブレ、情報の検索性の悪さ…これらが相まって、現場では帳票に記録した内容が有効活用されず埋没しています。

このような状況にM2Xはメスを入れ、モバイル x AIで革新を起こします。アナログなワークフローに起因している様々な非効率を一掃するとともに、現場の知見・ノウハウをデータに転換し、良質な意思決定に繋げます。おかげさまで、創業してまだ1年半ですが、大手のメーカー様に続々と導入いただいています。加えて、2024年の2月には、日本プラントメンテナンス協会から権威ある賞もいただきました。

今後さらにビッグニュースをお届けできる予定…!

M2Xのこれから
-非コンパウンド・スタートアップ宣言-

そして今回、更に大きなチャレンジをすべく資金調達を行いました。ではこの大切な資金を何に使うのか?そう問われたら私はこう答えます。

設備保全DX。

何を当たり前のことを、と思われるかもしれませんが、ここはM2Xのスタンスを明確化する上で強調しておきたい点です。コンパウンドスタートアップがどれだけ流行ろうとも、M2Xはこの設備保全の領域だけにリソースを投下していきます。

スタートアップは「持たざる者」。シングルドメインにすべての資源を投下していくことが勝ち筋の基本だと信じてますし、この設備保全という事業領域は片手間でやるほど簡単ではない。他方でとてつもない事業機会があると考えています。謙虚に、けど大胆に。

設備保全で突き抜けていく思いを込めて、今回M2Xのミッションを改めました。新しいミッションは「メンテナンスの価値を再定義する」です。

M2Xでないと掲げられないミッション

これまでのメンテナンスは、マイナスを極力減らす「守りの活動」だったと思います。それをデジタルの力をフル活用して、これまで成し得なかった生産性・稼働を実現する「攻めの活動」に変えていく。達成するにはとても高い山だと思いますが、この領域にフルベットするM2Xならば必ずや成し遂げられると信じています。

ミッション実現に向け、スピード感を持ってプロダクトを進化させていきます。M2XはDay1から「設備保全に必要なものはすべて作る」との信念のもと、お客様に必要なものはすべて備わったオールインワンSaaSを作り続けてきています。この信念はそのままに、AIをフルレバレッジしてスケールアップしたエンタープライズソフトウェアに昇華させていきます。

M2X Product Roadmap

進化のポイントは以下の3点です。
①エンタープライズソフトウェアへの本格進化
既に大手企業様にお使いいただいておりますが、より柔軟性と拡張性のあるプロダクトに進化させていきます。全社管理機能をはじめとして、多様なエンタープライズ要求に答えられるオールインワン化を更に進めていきます。

②マニュファクチャリング・データハブの実装
M2Xはこれまでスタンドアロンのソフトウェアとして開発を進めてきましたが、今後は生産設備をはじめとしたハードウェアや他のアプリケーション・システムとの連携を強めていきます。よりスピーディーに、より的確な意思決定が可能となるデータハブの役割をM2Xに持たせます。

③フルAIメンテナンスの実現
生成系AIをはじめとした人工知能の進化は、メンテナンス業務の多くの場面で革新をもたらします。テキストの生成のみならず、情報の検索、非構造データの構造化等、AIが持つ様々な強みをフル活用していきます。その先駆けとして先日、音声AI入力機能(β版)をリリースしました。

プロダクトのみならず、セールス・カスタマーサクセス含めたすべてのファンクションを強化していきます。この広くて深い製造業のフィールドを、どのようなステップで登っていくのか。これを実現するためには、深い業界知見に裏打ちされたシャープな事業仮説と、それを市場にスピード感を持って展開していく高いケイパビリティが求められます。最高のチーム作りをしていきます。

M2Xのこれからを共に作りませんか?

この1年半は、この広大な設備保全の領域で革新を起こす土台を作るための期間だったと思います。これからは着実に歩を進めるのではなく、全力で駆け抜け、お客様の期待を優に超えていく必要があります。そのためには「メンテナンスの価値を再定義する」というM2Xのミッションに共感していただける方の力が必要です。

弊社の設備保全という事業領域は、正直地味です笑 ただ、日々の経済活動を滑らかに動かすために欠かせないこの活動に革新をもたらすことが、今後深刻な労働力不足を迎える日本社会には必ず必要だと思っています。

創業初期メンバーとして縦横無尽にご活躍いただける機会がたくさんあります。少しでも話を聞いてみたいと思った方は、カジュアル面談含めご連絡いただけるとありがたいです!

ご覧いただき、ありがとうございました。

株式会社M2X 代表取締役
岡部 晋太郎


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