支出が複雑なサラリーマン向けのズボラ家計簿のやり方

背景

私は入社10年目くらいの会社員ですが、お恥ずかしながらこれまで家計簿をほぼつけていませんでした。平均よりは少しお給料をもらっているので、なんとなくどんぶり勘定で生きてこれたのですが、毎年家計簿をつけようと思っては挫折してきました。

私が挫折し続けた理由は、中堅サラリーマンにありがちだと思いますが、結構支出・収入の構成が結構複雑だからです。収入に関しては、基本的には給与所得のみですが、仕事柄会食の立替払いが多いので、個人や会社からの振り込みが結構あります。また、ふるさと納税や医療費控除に伴う税金還付や、コロナ給付金、児童手当等、色んな収入費目があります。

支出に関しても、仕事や私的会食の立替払い、家族関係の支出(日常の買い物や大型家電購入等)、そして自分個人の支出と少なくとも3種類あります。そして、クレジットカードは3枚(メインクレカ、交通系、メインバンクのキャッシュカード一体型)持っています。用途別に使い分けようと思っていましたが、実際微妙に混ざってしまいます。そして、今時ありがちですが、PayPayやQuick Pay, IDなどの電子決済も混ざっています。更には、支出先として大きな部分を占めるAmazonの利用実績が月次のCSVでは吐き出せないので、このブラックボックスを開くのが結構大変です。そして、クレカの請求時期と実際の利用時期が微妙にずれるので、発生主義と現金主義が混在し、非常に煩雑になってしまっています。

目標

そもそも、家計簿をつける目的は何でしょうか?私の中では、①収入の増減、②支出の増減、③中長期的なキャッシュフローの健全性確認、の3つが目的でした。③に関しては、実は私は個人的に独立系のファイナンシャルプランナーの方に相談しているので、ライフイベント毎にどの程度の支出が将来的に発生し得るかの計算はしてもらっています。そして②も家族の増減や自分のライフスタイルによってある程度変化しますが、将来予想なので可視化は比較的容易です。問題は①で、「なんとなく今は回っているが、いくらまで年収が減っても大丈夫なのか?」「年収がどの程度下がると、生活水準・お小遣いがどの程度減るのか?」という問いに答えられず、今後の転職を含めた年収増減への備えが不十分だと気づきました。特に我が家は夫婦共働きなので、どちらかが転職する可能性は高く、可能な限りお互いのキャリアを応援したいので、年収低下への備えは、気持ちの面も含めてやっておきたいと思いました。

結論

今年は新たに家族も増えたのと、転職を含む自分のキャリアをしっかり見直したいという思いから、年末の時間を利用して色々取り組んでみました。結論としては、家計簿をつける目的をある程度はっきりさせることで、まぁまぁコスパのいいと思われる管理手法(というか、PDCAを回せるレベルの可視化手法)を見つけましたので、自分へのメモもかねてnoteに残したいと思います。ポイントは以下の通りです。

・目的は「自分が生きていくために必要な最低費用」の可視化に絞る
・100%の把握を目指さず、80%位分かればOKと割り切る
・MoneyFowardとエクセルのピボットテーブルを活用する

まず、メインバンクの口座記録をDLし、分析する

まず、これからの分析の起点とすべく、自身のメインバンク(≒給与口座)の出入金記録を1年分ダウンロードします。オンラインバンキングのサイトから利用明細をCSVでDLできると思うので、まずこれをやります。

次に、このファイルをExcelに読み込み、ピボットテーブルを作ります。列は日時、行は入金元(取り扱い内容)とし、値は金額(合計)とします。次に、左上の”行ラベル”のフィルター記号をクリックし、”その他の並べ替えオプション”から、金額総計が降順になるように設定します。こうすると、合計収入が多かった順に上からソートされると思います。サラリーマンの方であれば、上から順に給与振り込み、賞与振込、経費立替系、等と続くのではないでしょうか?かなりロングテールな並びになっていると思うので、「3万円以上~」とか、「総額の8割まで」とかに絞って費目をハイライトして、その横に備考コメントを書いていくと、収入に関しての分析は終わりです。

同じことを支出に関しても行います。私の場合は、①メインクレカの支払、②証券口座への入金、③サブクレカの支払、④PayPayへの入金、⑤自分の別口座への振り込み(奨学金返済用)、等の順番で並んでいました。ここでも、全体の8割をカバーすればいいという前提で見ると、主な支出は掴むことが出来ますが、①③④に関しては更に内訳をみていく必要があります。例年はここでくじけていました。

因みに、メインバンクの収入と支出の差がすなわち1年間の貯蓄額であるわけなので、ここがプラスであればまずはOKな訳ですが、自分の他の口座に移していたり、株式投資に回していたりするわけなので、更に細かく見ていって、自分のNet支出がいくらなのかを明らかにしなければ、目的達成とは言えません。

次に、MoneyFowardにデータを統合し、DLして分析

今年こそは何とかこの先に進みたかったので、上記①③の利用実績を各々クレカの明細確認サイトからCSVでDLし、それをExcelで統合し、メインバンクの出入金分析と同様、上位8割を見ていこうと作業をしました。ここでの注意点は、会社によってはクレカの利用実績を2か月前の分までしかDLできない場合があることです。

これがDLできないと、クレカの内訳を開くことが出来ず、実際私は数分間絶望したのですが、たまたまMoneyfowardの有料会員になっていたので、ダメもとでそちらに来てみたら、過去1年間分の履歴がばっちり保存されていた、且つ全カードの明細がまとめてDLできた、という感動的な状況に至りました。早速支出の明細を12か月分DLしましたが、一か月単位でしかDLできないので、12個のCSVを一つのExcelに統合する必要があります。手作業だと結構大変なので、以下ページを参考にフォルダごと読み込みました。

フォルダに入れたCSVを一気にExcelで統合する方法。
https://www.ex-it-blog.com/Excel-get-transform
ピボットテーブルの日付をグループ化する方法
http://www4.synapse.ne.jp/yone/excel2010/excel2010_pivot_group2.html
データが文字列として認識されてる場合の修正方法
https://kokodane.com/tec2_46.htm

統合した結果をメインバンクの時の様に、ピボットテーブルで上位8割だけ確認しました。私の場合は、支出額の上から順に、①Amazon, ②Apple Store, ③Suica, ④ふるさと納税、⑤ホテル宿泊費、等でした。それ以外の比較的細かい支出に関しては、立替払のものをマークしておき、その合計を近くのセルに計算しておきます。あとで、総支出からこの分を引くことで、目的である自分のNet支出の算出に近づきます。

そして金額的には、①がぶっちぎりで1位だったので、今度はこれを開かないといけないということになりました。しかし、Amazonの履歴は結構引き出すのが難しく、ここでまたしても壁にぶち当たりました。結論としては、Moneyfowardがまたしてもばっちり仕訳してくれるので、これで解決してしまいました(というか、先ほどDLしたMFの月次収支表に、Amazonは別項目として集計されていました)。

ということで、大切なことが最後になってしまいましたが、MFで基本的にはすべて解決してしまいます。主要な銀行口座と各種クレジットカード、そして何よりAmazonのアカウントを連携させておきましょう。有料登録にかんしては、年始にしておくことをお勧めします。そうしておけば、取り合えず年末に頑張れば1年間の家計を可視化できます。そもそもMFには、自動で費目ごとに支出を割り振ってくれる機能があるので、まめな方はそちらを使えば、MF上のみで完結してしまうのですが、この費目の割り振り設定も結構大変なので(例えば、kindleで買ったものを”勉強・教育支出”とかにしても、漫画を買えば崩れてしまいますし、飲食店での支出を公私で分けるのも難しいです。)

2020年の支出を振り返ってみて

非常におおざっぱですが、上記の様に2020年の家計を振り返ってみて、2021年に向けて以下の様に改善しようと思いました。(完全に個人の備忘メモ)

家計関連の支出は、絶対クレジットカードを分けた方が良い。(色んなサブスクや、細かい支出があるので、最終的に分離しきれません。夫婦共有口座を作り、そこに紐づいた口座で直接処理するのが一番早い。我が家ではSBIの口座を一つ作り、デビットカードとクレカを1枚づつ作り、それで運用することにしました。)
Suicaは交通費以外使わない方がいいし、できれば公私で分けた方が良い。(Suicaは内訳の分離が難しいので、ランチとかジュースとかをこれで買うと、後から内訳を開けない)
現時点ではPayPayも内訳がMFでは開けないので、手作業での集計を前提に、大口の支出に限定した方が良い。
総支出額から、単純な資金移動と、各種立替払い、そして家族共通支出を引いた額を、Net自分支出として把握する。それを基に、自分の収入が大幅に減った場合のストレステストを行ってみる。(2021年は実際に転職した場合の年収を見積もってみて、それをベースにどうなるかを考えてみる)

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