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エバンジェリストという職業?はどういう職業だったか、ふと思ったことを書いてみた

Microsoft で10年以上エバンジェリストという職業についていました。まだ世の中的には知られていない職業、IT業界の一部くらいでしょうね。

エバンジェリスト

宗教用語で宣教師とか伝道師という意味です。日本人には「フランシスコ・ザビエル」あたりが有名でしょう。首にハリセンを巻いた...じゃなくて、日本にキリスト教徒布教した彼です。

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ザビエルはキリスト教の教えを説いて、キリスト教を広めていきました。一方私達、マイクロソフトのエバンジェリストは新しい .NET Framework の機能や仕組みそのメリットなどを話、日本で企業に .NET Framework を使ったアプリやプラットフォームの訴求をしました。

技術営業じゃん、テクセ(テクニカルセールス)じゃん。そのとおり。SEじゃん。そのとおり。同じことをやっているエンジニアはたくさんいたと思います。

そういう意味で、私の知っているテクニカルライターさんとか、MS時代にお世話になって今はコンサルで活躍されている方とか、インフルエンサーの方々はみんなエバンジェリストです。そう呼ばれるのはイヤと言われるかもしれませんがwww

プレゼンやる人ですよね?

正誤で言えば正解であり、本質的なイメージ、質問の意図としてはノーです。メインはプレゼンですよね?みたいに聞かれることが多いですが。

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軸は技術です。まずそこがありき。そこがほとんど。だって話すネタだもん。ザビエルにとってのキリスト教。

それから、コミュニケーション。話すというか総合コミュニケーション。なぜなら結構あるのが個別案件での支援や技術導入。新しい技術の導入に参画したりします。コンサル?そのとおり。元コンサルも結構いました。

最後にプレゼン。ただしあくまでも登壇は現場の集大成です。必要ないならやらなくてもいい。新しい技術を持ってくる時に初期にやることも多いですが、底から案件や現場での訴求活動を通して、その経験をまとめたものが登壇です。

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技術力

必要だったのは技術力。一生懸命覚えるっていうよりも、みんな好きでやっている人が多かったと思います。みんなで面白い技術を発見すると見せ合ったり、おもしろデモとかできると見せあったり。よくお互いに勉強会もやったり。仰々しいものではなく、今日のランチはあそこ行こう、の延長というか同じノリで、来週これの話するね、みたいな。。

エンジニアにとっては普通だと思います。

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あ、そこに一切上下関係がなかった。マネージャーはいましたよ。でも勉強会とか全然関係ない。先輩も後輩もないし、知らない技術は知らないし、おかしいと思ったら、わからなかったら、目の前に話してくれている人にガンガン聞く。話している人もそのばでコード直して試してみたり。

みんな同時期に入社した?いえいえ、チームの人は殆ど先輩です。(後半は私もシニアになってしまっていましたが)でも先輩後輩的な関係性ってなかったなぁ。マネージャーも含めて。ホント自然に。マネージャーが一番くわしいというのも原因だったかwww

10年以上、エバンジェリストをやっていたけど、いろんなメンバーが出たり入ったりして、マネージャーも変わったけど、総じて基本は変わらなかった。技術に違うものを持ち込んだ時、エンジニアは実力を発揮できなくなる。

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それと話す力

自分たちの技術はそのまま現場に行って話します。組織的なところもありますが、担当営業から呼ばれて行くケースが多いです。

もちろんお客様でありパートナーです。なので社会人としての当たり前は必要です。でも営業さんによく怒られていたりしましたけどね。え?だってこれ Surface のネクタイですよ?

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話す力で大事なのは、相手に合わせて話すこと。相手の求めることを話すこと。そして自分の話さないといけないことを話すこと。

経営層に技術の話をしてはいけません。30秒で寝ます。本当にいびきかく人がいるんですよ!まじで。疲れているんでしょうね。だから経営メリットを言わないといけない。そのためにはどういう会社で何をビジネスにして、何が今課題で何を伸ばさないといけないのか、知らないと厳しい。良いネタを持っていけない。ダイエットしている人に、美味しいお米の話をしちゃダメでしょ? やるならお粥の話にすり替えたほうがいい。

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パワーポイントの技術なんてその副産物。パワーポイントのスライドは相手に理解してもらうための補助ツールです。

大事なのは、今日どういうストーリーで展開して、何の話をして、その中でどうやってこっちの話に持っていくのか。

プレゼントとか登壇は手段と副産物

イベントやセミナーでの登壇の目的は2つあります。

1.新しい技術を広く多くの人/企業に知らせること
2.現場で培ったノウハウを広く知らせること

ただ、セミナーをやっても多くて100名程度。効率はそこそこです。なので最近はオフラインセミナーより、オンラインセミナーやウェビナーが増えていますね。でも Webiner ってやりづらいんですよ。だって人が見えないから。人の様子を見て伝え方を変える、話し方をかえる、これが大事で効率だけの Webiner なら Blog に記事書いたほうがいい。

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大規模イベントは1000人単位で情報提供できるのはいいですね。でもあくまでも技術と現場があってこそです。そういうのなく、登壇だけってのは ... 無いよねーってつい思ってしまう。

求められているものは変わらない

エバンジェリストという職業は特殊だったけど、求められているものは多分変わらないとおもう。

専門知識であり、その世界の特定の分野に知見があり、できれば他の分野にも繋げられる知識や応用力が有り、それを相手に合わせて噛み砕いて、わかりやすく、相手が興味を持ってくれるように話せる技術。

それを求められていて、その技術に自分が惚れ込めたか、それが自分にとっての転職活動の最も重要なことでした。後で気がついた。

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HoloLens という技術に出会えたこと。エバンジェリストとして、取り組めたこと。Unity という技術に惚れたこと。そしてUnite 2017に登壇できたこと。そこで伊藤さんと知り合えたこと。

これが必然だったのか、偶然だったのか、両方あると思いますが、エンジニアとして、エバンジェリストの経験を持っていた人間として、その軸を崩さずにその軸で新しい世界に飛び込めたのは幸せ以外の何物でも有りません。

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