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アマプラ映画鑑賞レポNo.2「STAND BY ME」

※ネタバレを含むので、まだ観てない人は観てから読んでね!

今日見たのは「STAND BY ME」という名作の青春映画だ。死体を見つけるために線路を歩く4人の少年を描いた物語で、前々から気になってはいたのだが映像の古さやストーリーの地味さのせいか、なぜか見ることなく今まで過ごしてきたため、絶好のチャンスとばかりに本作を観てみた。この機会に名作と言われているのに観たこと無い映画を全部制覇してみようかな……ローマの休日とかマトリックスとか……オススメあれば教えて下さい。

この映画が作られたのは1986年で、2022年の今からすると36年も前の映画である。私はまだ生まれてもいない。映画の中では4人が小学校を卒業する年であるような描写があったが、この子役らは当時12,3歳ぐらいだろうか。今でも生きていれば40代後半のいいおじさんになっているに違いない(※)。

映画自体は激しく感情をゆさぶる類のものではなかったが、どことなく懐かしいような、小さい頃の思い出に浸れるような感じがして、名作と言われている理由がわかるいい映画だった。私はインドア派であったので共感できる部分ばかりではなかったけれども、純粋な好奇心で冒険してみたり、背伸びして大人ぶってみたり、ちょっとしたことで諍いをおこして、でもすぐに理由もなく仲直りしたりだとか、そういった少年時代特有の人間関係や心の機微は誰にでも共通なようで、あの頃の気持ちを思い出させてくれた。映像の古くささもよりそれを引き立てていたかもしれない。

私は社会人になった今初めてこの映画を観たのだが、一つ思うところがあるとすれば、この映画を子供の頃に見ておきたかったなと思った。多少悪影響なシーンはあるかもしれないが。この映画から受け取るメッセージは大人と子供では確実に違う。大人が感じるのは郷愁だが、子供は冒険したくなるようなワクワクした気持ちを感じるはずだ。昔の自分が感じたことと今の自分が感じたことを比べてみたら、自分がどう変わったのかわかったのだろうか。

さて、この映画の最後では「12歳の頃のような友達は二度とできない」というメッセージが意味ありげに残されるが、最初は何を当然のことを言っているんだ?というのが率直な感想だった。中学校の頃のような友達も二度とできないし、高校の頃のような友達も二度とできないし、大学の頃のような友達も二度とできない。自分が成長していくにつれて考えていることや状況が変わって、自然にいなくなったり、勝手にできたりしているのが友達というものだろう……と一通り考えたところでタイトルの「STAND BY ME」を思い出した。直訳すると「私のそばにいる」。なるほど、そういうことなのか?

12歳の頃のような友達は二度とできないし、あの頃の瞬間は二度と訪れない。けれども彼らは大事な思い出や経験として今の私を作って、私のそばに永遠に居続ける。そういうことなのだろう。タイトルが気になっていたが、これなら納得がいった。忙しさに追われてあの頃の気持ちを忘れた大人に染みる名作でした。またいつか子供ができたら一緒に見よう。

追伸
これと似た話をどこかで読んだ気がして記憶をたどったところ、小学生の頃に読んだ「夏の庭」という小説を思い出した。少年3人が近所のオンボロ屋敷に住む老人がもうすぐ死ぬという噂を聞きつけ、老人と交流していくうちに成長していく話なのだが、当時は物語の人物が死ぬことに慣れておらず、どうしようもなく感情が揺さぶられて号泣した記憶がある。今読んだらどんなことを思うんだろうか。今度読んでみます。

※あとで調べてわかったのだが、クリス役のリヴァー・フェニックスはすでに若くして亡くなっているらしい。ご冥福をお祈りします。

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