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アマプラ映画鑑賞レポNo.1「最強のふたり」

※軽いネタバレを含むので、いやな人はアマゾンプライムで見てから読んでね!

最近は映画館でしかろくに映画を見ていなかったのだけれど、ふと思い立って仕事終わりにいつもだったらYoutubeを見ている時間、映画を見てみた。冷静に考えて、素人が1日で作ったYoutubeの動画より1000人以上のプロが何ヶ月もかけて作った動画のほうが見てて楽しいんじゃないか、という結論に至ったためである。

記念すべき第一作目は「最強のふたり」だ。なぜ最初にこれを選んだのかと言われると特に理由はなく、あらすじすら知らなかったくらいだ。ひとつあるとすればジャケ写?だろうか。高齢の男性が乗った車椅子を押す黒人の若者というあまり見ない組み合わせのポスターで、一体どんなストーリーか想像もつかないところに興味をひかれたからかもしれない。

まず見終わった率直な感想としては、主人公を中心として周囲の人物が成長していく様子が面白く、見終わったあとに残る余韻がミント味のガムのような、非常の心地いい映画だった。ヒューマンドラマとでも言うのだろうか。個人的にはフォレスト・ガンプに似ているかな?と思った。
(というか割とフォレスト・ガンプの要素含んでない?)

この物語の主人公はタイトルにもあるとおり「ふたり」いる。スラム街で育った若者のドリスと、富豪の障がい者である老人のフィリップだ。この二人は非常に対照的だ。若者と老人、健常者と障がい者、黒人と白人、貧乏人と富豪。普段だったら絶対に関わることのないはずの二人が関わり、お互いに無いものを補い合っていくさまは、私を危なっかしい気持ちにさせると同時に愉快な気持ちにさせていた。また、このふたりの成長が周囲の人間にも影響を与えいい方向へと導いていくさまは、シンプルなストーリーではあるが心地よいものだった。

私は普段、映画を見るときにあまり製作者の意図などは考えないのだが、この映画を通じて伝えたいメッセージは多様性の大事さであるということは流石にわかった。主人公のふたりの生い立ちや性格はもちろん、音楽や芸術、さらには思想や性的指向に至ってもこの映画の中では対照的に表現されている。

その中にはたまに顔をしかめてしまったり不謹慎にさえ感じるものもあるのだが、逆にそれが面白みを出すスパイスになっていた。特に印象に残ったのは障がい者を揶揄するようなドリスの発言と物語後半のヒトラー関連の表現で、とても平成の時代の映画とは思えないものだったのだが、その危なっかしさがかえってドリスとフィリップが実在する人物であるかのような、言うなればリアルな人間味を引き出す要素になっていた気がする。個人的には好きだった。

監督が誰だかは知らないが(調べろ)僕なりにこの映画からは「人生には多様性があったほうが楽しいよ」というメッセージを受け取った。もっとくだいていうとこうだ。

「お気にいりのYoutuberを見て人生過ごしている君!気に入った音楽しか聞かない君!それも楽しいだろうが、もっと知らない世界に飛び込んでみないか?」

……例えば映画とか?自分で書いていて耳が痛い話だった。そういう意味でも久々の映画鑑賞の一作目としては、まさにピッタリ。100点の映画だったと思います。面白かったです。

ただ最後に一つだけ気づいたことがある。この物語の構造が成り立っているのはあくまでも富豪の存在のおかげであり、人生を楽しむためにはやっぱり金が一番必要なんじゃないか…?嫌なことにまで気づいてしまったかもしれない。ライフイズマネー?Oh…

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