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第3回「志ん輔と仲間たち」(6月4日)開催リポート

はじめに

こんにちは。オンライン落語会「志ん輔と仲間たち」配信スタッフです。
6月4日(金)に第3回目となる会が開催されましたので、その模様を振り返りたいと思います。

第2回の開催から第3回の本番まで3週間。
チラシの配布、PR動画撮影、配信準備と、かなりタイト…!
神保町へランチがてらPRでいろんなお店を回り、落語好きの店員さんを紹介してもらったり、Twitterで宣伝していただいたり、ほんの少しずつでも「志ん輔と仲間たち」が広まってきていることを実感。

Twitterでの告知にリツイートやリプライ、いいねをくださる皆様にも感謝しつつも前進あるのみ。
YouTubeへのコメントや配信後のアンケート内容も隅から隅まで拝見しています。
毎回志ん輔師匠とも共有しながら、PRや配信の方法などを試行錯誤。

本番当日

さて、ここからは配信当日の話を
6月4日の東京は、災害レベルの大雨&風。まるで台風。
運搬する機材はほとんど電子機器。
いつもは背中に両手に荷物を下げて電車に乗るところ、さすがに今回はタクシーで搬入。

志ん輔師匠のご自宅に着いたらすぐ、機材セッティングを開始。
師匠は池袋演芸場での高座があったため、まだご不在。
入り時間がいつも早くて恐縮です…。
カメラ5台とミキサー、マイク、照明、映像配信機材をPCに繋いだら、綺麗な琉球畳の床があっという間にケーブルだらけ。
(あっという間といえば、私が幼少期の時代、NHKで「あっという間劇場」というコーナーがありました。だんご三兄弟の付随コーナーでした。分かる人には分かるはず)。


セッティングが終わってもろもろ確認をしていると、師匠がご帰宅。
なんとスタッフに差し入れを…!
まい泉の小さいかつサンド、最高です…!!しかも山盛り!さらに飲み物まで!!涙

そこから志ん輔師匠にもカメラの位置など確認していただきます。
「このカメラはこの辺に置こう」「もっとズームして」等、繰り返し調整。

そうこうしていると、今回のゲスト、寄席お囃子方の恩田えりさんがいらっしゃいました。
ふわあ~っとした雰囲気の方。志ん輔師匠が以前に「不思議な魅力がある」とおっしゃていた意味が一瞬で感じられました。
ご挨拶をして、配信で三味線の音色がとれるか確認。

毎回準備時間には余裕を持っているのですけれど、リハーサルにかける30分は、体感10分。あっという間に始まって、あっという間に終わります。


オープニング

写真1 オープニング

いつもは志ん輔師匠が私服でお話しされるところ、今回は恩田さんとお二人で着物でご登場。
冒頭、恩田さんのご紹介後、志ん輔師匠から一つ提案が。
「今日は皆さんと最後に乾杯をしてお別れしましょう。緊急事態宣言中ですが、空気はいかないので大丈夫です。」
実はこの乾杯の話、配信開始の数十分前に、師匠のブログでお馴染みの毎日新聞Mさんから「こんなのどうですか?」と提案したもの。
直前のお願いにもかかわらず「イーネ!面白い!OK!」と即快諾してくださった志ん輔師匠。

配信でも「こうやっていればスポンサーがつくのではないかと。黒霧島、いかがですか!」「どこの酒造メーカーでもOKです!!甘いものでもいけます!!!」とプッシュ。
(これを見ている企業様からのご連絡、お待ちしております!!!!!)


トーク(前半)

写真2 トーク前半

今回はトークが前半と中盤に計2回。
日暮里にある階段「夕焼けだんだん」のネーミングについて、良いか悪いかは別として…その階段を降りて少し歩くと、志ん生師匠の家があったそう。 志ん輔師匠が志ん朝師匠に弟子入りするまでのエピソードから始まり、申込者様から事前に募集していた質問コーナーへ。

Q.「なんでお囃子さんになったのですか」
A.「寄席にいたかったから」

恩田さんの会社員時代から寄席の世界に入るまでのお話。 
この話は先日公開した「志ん輔と仲間たち」Youtubeでの第3回ハイライト動画に載せています。

一般企業に入社して6年が過ぎた時に国立演芸場の試験を受けた恩田さん。三味線は近所のおばちゃんに習ったそう。習い事がお好きとのこと。三味線も細棹だけではなく太棹も演奏されます。


Q.「ギターやウクレレは三味線が役に立ちますか」
A.「やったことないですね。弦は押さえやすいと思いますが、左利きなんで、もし弦楽器やってたら三味線は弾けなかったと思います。」

恩田さんが左利きであること、志ん輔師匠もご存じありませんでした。考えてみれば連弾がある三味線の演奏はレフティではできません。津軽三味線は稀にいらっしゃるらしい。
その後「弾きにくい出囃子はありますか」「寄席・お囃子界における今後の野望は?」という話題や「寄席のお囃子さん、噺家さんは、その仕事だけで生活できる?」というちょっと生々しい話まで、盛り沢山の質問コーナー。

配信当日に、清元を習っていた師匠の訃報があった中で出演してくださった恩田さん。貴重なお話をありがとうございました。

トークはひと段落し、落語に入る前に休憩。


落語一席目(稽古屋)

さあ、前回から継続している人気企画「リクエスト枕」
視聴者の皆様から落語の演目を自由に募って、志ん輔師匠がその演目にまつわる思い出話やエピソードを語ります。
チャットで演目が来たら、私が紙に転記、直前の休憩時間に志ん輔師匠に渡します。

お寄せいただいた演目は下記の通り。

「船徳」「芝浜」「まんじゅうこわい」「左甚五郎」「藪入り」「笠碁」「井戸の茶碗」「妾馬」

配信では「芝浜」にまつわる志ん朝師匠との思い出話、「笠碁」と志ん朝師匠の「稽古屋」を織り交ぜた話、「井戸の茶碗」をやっているときの噺家は×××だという話…。
今回もどれもこれもあまり知られていないのでは?という貴重な話ばかり。

一席目の演目は「稽古屋」。
喜六の描写(おでこがぼーんと出ている・目が随分ひっこんでいる・鼻の穴が前を向いているどころか上を向いている・タバコを吸っていると煙がおでこで止まってもやもやしている)っていうのがツボに入ってしまった(笑)。辛いとき思い出そう。
この噺は「はめもの(音曲噺)」。ということで、途中から恩田さんの三味線が入ります。
画面の切り替えタイミングは、リハーサルで何度も練習しました(ド緊張しました)。
恩田さんの生演奏で、稽古場が見える!!
配信では初となる鳴物入りの落語。お楽しみいただけたでしょうか。

写真3 稽古屋


休憩

先日訪れた谷根千(東京の谷中・根津、千駄木周辺の地域)探訪動画を放送。
こちらもYoutubeに動画を載せています(全編は後日公開予定)。


この動画撮影日も豪雨だった~…私、雨女なのかな…この前撮影で行った日本棋院のときも雨だった…凹


トーク(後半)

「はめもの(音曲が入る落語)」の話。
はめものにおける上方落語と江戸の落語のこと。
紙切りや太神楽、独楽のバックでの演奏が多い、というところから三増紋之助さんはやきもち焼きという話、前座さんの叩く太鼓の話…からの、太神楽の五階茶碗で使うという「香にまよう」という曲をちょっとだけ恩田さんと志ん輔師匠で演奏。

恩田さんは唄と三味線、志ん輔師匠は太鼓と鐘。鐘を鳴らすタイミングが人によって違い、そこが邦楽と洋楽に通ずるものがある。これが若い世代には感覚が掴みにくいところだと。とても面白い話でした。

写真4 トーク後半

えりさんは笛も演奏されます。笛は春風亭一朝師匠に習ったそう。一朝師匠のエピソードや笛の演奏について話したところでトークは終了。
と、ここで、「ベン!」…三味線の弦が切れてしまいました。一通り演奏の終わったタイミングで良かったー。

トーク終わりで、プレゼント抽選会。お二人のサイン色紙と、志ん輔師匠が日暮里「猫衛門」さんにて絵付けした招き猫の当選者様をこの場でくじ引き。

写真5 抽選①

写真6 抽選②

写真7 抽選③

写真8 抽選④

招き猫は世界に一つ。三味線を持っている猫の絵付けが施されています。

志「猫忠をやっているんです」
恩「あー!なるほどー!!」
志「後ろにはネコの皿も描いてる」
恩「(笑)いいなー私が欲しいくらいです!」

当選された方、おめでとうございました!

この抽選会、地味に色々試行錯誤しています。第1回の時は竹筒に数字を書いた割り箸を1桁ずつ引いてもらう方式⇒時間が掛かりすぎるのでやめ。第2回では市販の抽選箱と抽選券を購入⇒抽選券の柄が某新聞社さんのマークに似ていたのでやめ。
そこで今回は、抽選券を千代紙に!
恩田さんが「きれいな紙…」と言ってくださって、嬉しい限り。神保町にある「山形屋紙店」という紙屋さんで買った紙。


落語二席目(お若伊之助)

抽選会が終わって休憩を挟んで落語の二席目。演目は「お若伊之助」
休憩中に志ん輔師匠から「いつもと違う、このカメラから映し始めてみよう!」との提案が。真横から映しているカメラアングルからスタート。
手ぬぐいに人と書いてのみ込む志ん輔師匠。カメラの向こうの皆様を感じていらっしゃるようでした。

「お若伊之助」は物語調に話が展開。先日訪れた谷根千あたりでの噺です。
描写が目に浮かんで、登場人物のやり取りと語りに引き込まれました。

写真9 お若伊之助

視聴された皆さんからも「素晴らしかったです。堪能しました。」「噺の切なさとは別に、師匠のこんな素敵な落語を聴けるなんて、と涙がこぼれました。」等といったご意見が。

カメラアングルは、ちょっと画面切り替え過ぎたかもしれません!

視聴者様からのご意見を参考に、もう少し緩急つけてできるよう…精進します。

二席目終わりで――
「飲みましょうかね♪こういうのはライブじゃないといいですね」黒霧島Exを片手に、第4回の告知を。
第4回は7月9日(金)、ゲストには囲碁棋士の小林千寿さんをお招きします!
また、新たな試みとして第4回は志ん輔師匠のご自宅を飛び出して、囲碁の総本山である日本棋院にある囲碁の対局場「幽玄の間」から配信します。


志ん輔師匠が披露する落語の演目は「笠碁」ほか一席。
囲碁のことは分からない!という方でもお楽しみいただけるような内容でお送りしたいと思います。ので、ぜひご参加くださいませ。

ということで、、
「どうもありがとうございました!!かんぱーい!!!」

写真10 エンディング

最後に

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
志ん輔師匠をはじめスタッフ一同、試行錯誤しながら運営しています。
配信をご覧になって「もっとこうだったらなー」というような意見などありましたら、どんどんお寄せください!全てのご意見に沿うことはできないかもしれませんが、より良い配信になるよう、参考にさせていただきます!
今後ともよろしくお願いいたします!


(追伸)第4回ゲストの小林千寿さんガイドによる志ん輔師匠の日本棋院訪問動画は下記よりご覧いただけます。




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