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日常から離れてリトリート。地域の資源をつないで、須坂ならではの新しい旅をつくりたい!

信州つなぐラボ

テレワークが広まり、パソコンやスマホと向き合う時間が増えた今。日常から離れ、心や体をリフレッシュする「リトリート」が、新しい旅の形として注目を集めています。

信州つなぐラボの舞台は、須坂市。この須坂市は、リトリートの拠点として様々な可能性を秘めている場所なんです。

長野県北部に位置し、人口約5万人が暮らす自然豊かな須坂市。明治から昭和初期にかけて製糸業で栄え、当時をしのぶ蔵の町並みが残っています。また、フルーツの栽培が盛んで、初夏から秋にかけて様々なフルーツが実ります。

また、須坂市は、健康長寿発信都市として「健康」を切り口にした取り組みを重視してきました。市民自身が健康を守るために活動する「保健補導員」という仕組みの発祥の地でもあり、市民の健康への意識が高い地域です。

さらに、須坂市内にはまだまだ知られていないけれど、個性が光る魅力的な場所もたくさんあります。例えば、満龍寺という個性的なお寺もあり、もしかしたら瞑想などができる可能性もあります。

こうした須坂市ならではの魅力を繋ぎあわせると、この土地ならではのリトリートの形が見えてくるかもしれません。

そして、それらの拠点となりうる場所の一つが、須坂温泉古城荘です。須坂市の中心市街地から車で10分、緑に囲まれた静かな山際の場所にあります。須坂市内では数少ない宿泊施設と日帰り温泉を運営しています。さらに、その食堂で健康長寿食を開発するなど、食や温泉を組み合わせて人々をいやす時間をつくろうと模索をしています。

今回は、須坂温泉古城荘の支配人・寺島克弥さんと、地域おこし協力隊の伊藤真弓さんに、その取り組みと現状の課題を伺いました。

地域おこし協力隊の伊藤さん(左)と支配人の寺島さん(右)

お二人が働く須坂温泉古城荘は、中心市街地から車で約10分、緑に囲まれた静かな山際の場所にあります。

この須坂温泉には江戸時代から湯治場として人々が訪れていました。忙しい日々を送る現代の人たちにとっても、落ち着いた環境でほっと一息つき、自分の心や体の声に耳を傾けるにはぴったりの場所。リトリートの拠点となる可能性をもっています。

須坂温泉古城荘でも、薬膳料理を提供するなど、食や温泉を組み合わせて訪れる人たちがリフレッシュできる時間をつくろうと取り組みを始めています。

須坂温泉古城荘

薬膳料理と温泉でいやしの時間を

こうした取り組みを進めている一人が、地域おこし協力隊として2021年1月から活動を始めてた伊藤さんです。

伊藤さんは、フロントなどの宿の業務に加え、この春からは薬膳料理と温泉を一緒に楽しんでもらうイベントも企画しています。このイベントでは、旬の食材を使った薬膳料理をふるまい、健康入浴法やストレッチなども伝えているそうです。伊藤さんは、なぜこうしたイベントを企画しようと考えたのでしょうか?

伊藤さん「須坂市は、健康長寿発信都市として健康づくりに関する活動に力を入れている地域です。古城荘でも健康をテーマに何かできないかと考えているときに、料理長が薬膳料理を作っていた経験があることを教えていただきまして、薬膳料理と温泉を組み合わせて気持ちも体もリフレッシュできる時間をつくれたらと思ったんです」

これまでのイベントには、近隣に住む方を中心に30代から70代までの幅広い世代の方たちが参加。参加者の満足度も高く、リピーターになる方も多くいます。

伊藤さん「このイベントは、須坂市内にある山下薬局さんに協賛していただき、参加者にはオリジナル薬膳茶をプレゼントしています。季節に合わせた薬膳茶は大好評です」

山下薬局は創業元禄16年、300年以上続く老舗の薬局。漢方を中心に、オリジナルの薬膳茶などを取り扱っています。伊藤さんは、「山下薬局さんのような素敵な薬局があることも須坂の魅力の一つ」だと話します。

そんな伊藤さんのもとには、参加した人たちから「薬膳料理や薬膳茶がイメージしていたのと違い、とても美味しかった」「日頃の忙しさを忘れてゆったりした時間を過ごせてよかった」といったうれしい反応が届いているそうです。

宿泊場所から、旅の目的地へ

新しい取り組みを始めている須坂温泉古城荘ですが、課題を感じる面もあるそうです。
2年前に支配人に着任した寺島さんは、コロナ禍という難しい状況下で、宿泊施設の経営を任されました。

寺島さん「7月下旬から8月半ばまでは学生さんの合宿が多いのですが、今は(新型コロナウィルス流行の影響で)1部屋に泊まることができる人数が限られているので、部屋数を多く確保する必要があり、その時期は一般の方の予約がなかなか取れない状況です」

大人数での宿泊にも対応ができ、ホールや体育館まで備えた温泉宿は、周辺地域にはありません。そのため、須坂温泉古城荘は、企業や学校の合宿の場としてもよく利用されてきました。

専用の体育館は森の中にある

一方、一般客にとって、様々な選択肢のある宿の中から須坂温泉古城荘が選ばれる理由はなんだろうと寺島さんは自問自答しています。

寺島さん「現状では、須坂市内や周辺市町村の観光地へのアクセスがいいため、宿泊場所としてここを選んでくださるお客様が多いです。これからは、わざわざこの宿に泊まりたいと思ってくださるような魅力をつくっていきたいと思っています」

伊藤さん「都会からこの宿に来た方は、落ち着いていて静かでいいって言ってくださいます。私自身も千葉から引っ越してきて、須坂市がすごく好きです。須坂は緑が多くて自然が豊かだけれども、買い物などは便利で住みやすいです。私自身がうまく言語化できていないのですが、他にも魅力はまだまだたくさんあります」

新しい旅の形を考える

自然に恵まれ、落ち着いた環境にある須坂温泉古城荘。江戸時代に湯治場であったように、現代の人たちが日頃の疲れを癒しリフレッシュする場としても様々な可能性がありそうです。

湯量が豊富な須坂温泉(写真提供:須坂温泉古城荘)

さらに、地域に目を向けると、歴史を感じる町並みやおいしい果物、個性豊かなお寺、歴史がある商店……など、たくさんの資源があります。まだまだ知られていない地域の資源を見つけ出し、つないでいくことで、新しい旅の形が生まれてくるかもしれません。

伊藤さん「市内には農作業のお手伝いや果物狩り、味噌づくり、ピザづくりなどの様々な体験ができるところがあり、魅力的な資源がたくさんあると思います。他の地域にも同じようなものはあるかもしれないですが、須坂ならではの空気感を生かして、ここでしかできない体験をつないで、ひろげていくことができたらうれしいです」

寺島さん「私たちは、長くここにいすぎて、いいところが見えなくなってきているのかもしれません。拠点の一つとして古城荘も利用していただいて、須坂に来る新しい理由がつくれたらと思っています」

信州つなぐラボでは、実際に現地に滞在したり地元の方たちと対話したりしながら、新たな旅の形を考えます。さらに、考えたアイデアを実際に試してみます。

新しい視点で地域の魅力を見つけ出し、ここでしか味わえない体験を一緒につくりませんか?

信州つなぐラボのプログラムに関する詳細はHPをご覧ください。

写真:小林直博
執筆:大宮まり子
聞き手:藤原正賢


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信州つなぐラボは、「都会と信州の”つなぐ”をデザインする」をコンセプトに、長野県、県内の自治体やそこに住む地元住民、そして多拠点でのライフスタイルに興味がある都会在住者が、それぞれの視点や知恵を出し合い、都会と信州をつなぐ新規事業を構想し、実証実験するコミュニティです。