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「学び」のこれから/第3回

みなさん、こんにちは!
「学びのこれから」を担当するファシリテーターの北澤、横山です。

学び


今回は、12月15日開催に開催された、テーマ⑥「学びのこれから」の内容をご紹介したいと思います!
第3回では、前回に引き続き学校教育からシニアの学び支援、生涯を通じた学びまで、人生における様々な段階で学びに携われ、ご活躍されている方々にご参加いただきました。

今回のテーマ議論の問いはズバリ…
「ビジョンと方向性をまとめ、自身がそこにどうコミットできるか」です。


第3回では、会議開始前にファシリテーターがこれまでの議論を振り返り、第1回と第2回で話し合われた内容をとりまとめ、そのとりまとめ(案)に対する参加者の皆さんからの意見とそれに対する一人ひとりの行動宣言を発表してもらいました。

第1回と第2回で話し合われた議論のとりまとめ(案)

現状認識(コロナで変わったこと)
                                  ① コロナを経験してわかったこと
学ぶ方法の多様化と選択肢の広がり
オンラインでの学びの進展により“オンラインの便利さ”に気付きツールとして浸透。学ぶことの選択肢が大きく広がった。
リアルの大切さ
一方で、人とのつながりなど”リアルだからこその価値“が再認識された。
つながることの必要性
学校教育以外でも、人とのつながり、大人と子どもの接点を持てる場(学びの入り口)が必要。
                                  ② 新たな日常に向け工夫したことでわかったこと
探求・問い続けること
自分に向き合う時間が増え自己研鑽する機会が増えた。自分がどう生きるか、どう生きたいかを考えることが大切で、それを実現するための手段として学びが必要。
主体性
パッケージ化された(受け身の)学びの”メニュー選び”だけではなく、自ら学びを”デザイン”する主体性が必要。
アップデート
大人が学べていない。いざという変化に対応しきれない人も。変化が激しく、長い人生を送る時代にあっては、自分をアップデートし続けることが必要。

                 ↓

学びのこれから(私が・私たちがどうする)
人生100年時代の「学び」とは。学び合いから、自分をアップデートし続ける人をつくっていく 。
                                  1)急激で連続する変化に対応できる「人」に育つには。主体的に問い続ける姿勢をマイプロジェクトに。
学びに終わりはなく、変化に対応していくために学び続ける必要がある。一人ひとりが年齢によらず、問い続け、学び続ける姿勢を持つ。誰でもいつでも学び始められる、きっかけとなる学びの選択肢を増やしていく。
                                 2)教えると教わるが入れ替わり、コミュニティを横断する「学び合う」社会の構築へ。
大人と子ども、地域などのコミュニティに境界線はない。人と人とがつながることで、新たな視点を得たり、新たな関係性が生まれる。世代や地域の垣根を越えた「学び合い」を日常の光景にしていく。そのつながりのタッチポイントをつくる。
                                 3)地域全体が学びの場に。地域の接点から学校教育自体にも影響を。
学校教育そのものも変化に対応していく必要性(そのひずみが学校以外の場を求めている)。
学校教育以外でも、多くの出会い(情報、人、場所など)に誰もがアクセスできる状態にしていく。そのタッチポイントとつなぎ手を増やす。

このとりまとめ(案)に対し、次のような意見がありました。

①すべてのテーマに通じる「学び合う」こと、また大人も子どもも対等になることで世代を超えた学び合いができる
・今回のワークショップテーマのすべてが融合し横断的なのが「教えると教わるが入れ替わり、コミュニティを横断する「学び合う」社会の構築へ」ということだと思う。産業経済も様々に興味あってすべてのテーマが「学び合う」に通じるもの。
・学び合う時代になったのに、学校だけが変わらないのは不自然。境界、固定観念に囚われずに、新しくなる。学校もアップデートする必要がある。
・知らない世界を知ることが楽しい。それが学びの醍醐味。その知らない世界を教えてくれるのは、子どもたちの世代かもしれないし、自分よりもさらに上の世代かもしれない。
②押し付けではなく、主体的な変化
・「学ぶのがいやだな」って人も実は学んでいる。もっと身近にある学び、おしつけられずにみんな学んでいる状態が理想だと思う。
・「自然と学ぶ」みたいなニュアンスがあるともっと良い。
年齢関係なく問い続けることだと思う。学び続けて、成長し続ける。誰しもができることではない。「どうしたらいいのだろう?→学ぶことの面白さ→小さいころの経験」が大事。人生が豊かになる。
・情報にアクセスできて、スキルがあって、時間的余裕があって初めて学びを得られる。教育は格差を是正する装置のはずが、「多様で豊か」が格差を拡大させる可能性も見えてきている。頑張れる層には背中を押すことが必要だが、事情により頑張れない層を取りこぼさないようにしたい。
・教える側も社会の変化に対応してアップデートし続ける必要がある。教育現場はとても忙しいので、アップデートするためには教育現場自体にも「余白」が必要だと思う。
・学校教育そのものの変化というよりは、先生や生徒だけでなく保護者やPTA、地域の関係者などを含めた「教育現場」が変わっていく必要があるのではないか。
③それぞれに合った学び方の選択肢があることが大事。日常に学びのきっかけや気づきのタネが広がっている。調べる力を養い、学び続けることが大切だ。
・多様性の中で、自分と異なる視点、価値観、異なる発想に触れ合うことで、学ぶ意欲も高まるのではないか。
・人によって学び方にも向き不向きがある。教科書通りにやるのが合っている人も、専門分野に突き抜けたい人も、自由な進度で学びたい人もいる。それぞれの学び方に合ったかたちで学校があってほしい。個別最適化できることが重要だ。
・オンライン学習は選択肢としては増えたけど、浸透したとは言い切れない。浸透し定着するためには、オンラインに触れる機会がもっと必要だと思う。
・昔は学校で教わったことを「暗記する力」が重要視されていた。現在の学習では、暗記よりもインターネットなどを使って「調べる力」が重要になりつつあるように感じる。
・日常の暮らしや社会で学びを深められる機会がたくさんある。社会に出て実感する学びは、記憶にも心にも残る。
④「つなぎ手」ではなく、つながる一歩を踏み出せる人を増やしていく。
・それぞれの学びの場に「つなぎ手」となる人がいると、その「つなぎ手」同士がつながることでネットワークがどんどん広がっていく。
・人と人をつなぐのは、「特定の誰か」の役割ではない。コーディネーターのような人が必須なわけではなく、誰でもできる。大切なのは、つながりたい気持ちを持った人を増やすこと
・学ぶ場づくりとして「実践してみて、変えよう、やってみよう」と思えたらよい。それぞれが学びをつくるために主体的にマイプロジェクトを持っている。それぞれが影響し合う社会で学びをつくる→影響しあえる場があればよい

以上の議論を踏まえて、とりまとめ(案)を再編集し、以下の形に修正しなおしました。

学び

現状認識(コロナで変わったこと)
                                  ① コロナを経験してわかったこと

学ぶ方法の多様化と選択肢の広がり
オンラインでの学びの進展により“オンラインの便利さ”に気付きツールとして浸透しつつある。学ぶことの選択肢が大きく広がった。
リアルの大切さ
一方で、人とのつながりなど”リアルだからこその価値“が再認識された。
つながることの必要性
学校教育以外でも、人とのつながり、大人と子どもの接点を持てる場 (学びの入り口)が必要。
                                  ② 新たな日常に向け工夫したことでわかったこと
探求・問い続けること
自分に向き合う時間が増え自己研鑽する機会が増えた。自分がどう生きるか、どう生きたいかを考えることが大切で、それを実現するための手段として学びが必要。
主体性
パッケージ化された(受け身の)学びの”メニュー選び”だけではなく、自ら学びを”デザイン”する主体性が必要。
アップデート
大人が学べていない。いざという変化に対応しきれない人も。変化が激しく、長い人生を送る時代にあっては、教える側も教わる側もアップデートし続けることが必要。

           ↓

学びのこれから
人生100年時代の「学び」とは。学び合いから、自分をアップデートし続ける人をつくっていく。

                                  ①急激で連続する変化に対応できる「人」に育つには。主体的に問い続ける姿勢をマイプロジェクトに。
学びに終わりはなく、日常の様々な場面に気づきのタネが広がっている。変化の多い社会に対応していくために、一人ひとりが年齢関係なく問い続け、学び続ける姿勢と余白を持つ必要がある。誰でもいつでも学び始められる、きっかけとなる学びの選択肢を増やしていく。
                                  ②教えると教わるが入れ替わり、コミュニティを横断する「学び合う」社会の構築へ。
大人と子ども、地域などのコミュニティに境界線はない。様々なバックグラウンドを持つ人同士がつながることで、新たな視点を得たり、新たな関係性が生まれる。世代や地域の垣根を越えた「学び合い」を日常の光景にしていく。そのつながりのタッチポイントをつくる。
                                  ③地域全体が学びの場に。地域の接点から学校教育自体にも影響を。
全ての人の学びの礎となる学校教育の現場も、変化に対応していく必要がある(そのひずみが学校以外の場を求めている)。教育現場の外側に多くの出会い(情報、人、場所など)に誰もがアクセスし、参加できる学びの場を整える。学びに携わるそれぞれプレイヤーが影響し合い、連携することで、学びの多様性と公平性を確保する。そのタッチポイントとつながる一歩を踏み出す人を増やす。


最後に参加者の皆さんから、ご自身の行動宣言をしていただきました!

学び行動宣言スクショ

・SDGsを軸とする探求的な学びの支援
・全ての子どもに学ぶ力を!
・子どもたちと共に、「学ぶって面白い」と思える瞬間をつくり続ける!
・幸せは自分から幸せになる。
・学びとは好奇心である


〈信州これから会議 ご意見募集〉
ワークショップには参加できないけれど、ぜひ自身の声も届けたい、発言したいという方は、ぜひコメントにてご意見をお寄せください。
ワークショップの参考とさせていただきます。
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※投稿いただいたご意見等に個別に回答は出来かねますので、予めご了承ください。

総合ファシリテーターによる 第3回の全体まとめはこちらから


【第3回のワークショップを終えて】

北澤

北澤 淳長野県 県民文化部 県民協働課
ひとことで「学び」と言っても、それぞれの参加者にとっても、また私たちファシリテーターにとっても捉え方の違う言葉であり、議論を深めるに難しいところもありました(人生100年時代のおとなの学びと、子どもたちを中心とする学校教育の違いなど)。しかし、そのことで話題の幅が広がり、想定していた以上に多様な視点を得ることができました。「多様性」があり「選択できる」ことが学びにとって大切、という話があったように、まさにこのワークショップそのものが「学び」の場であったことを感じました。

横山 学び

横山 紗央里県立長野図書館
3回にわたる熱心な議論、お疲れさまでした! 第3回は「まとめシート」を土台にして皆さんと意見を出し合う時間となりました。特に前回もキーワードとなっていた「教える側も教わる側も余白を持つこと」「世代を越えて学び合うこと」に対しては、参加者ご自身の経験に基づくコメントを多くいただき、より充実した「まとめシート」にブラッシュアップすることができました。私自身、みなさんとの3回のディスカッションを通じて、学びに対する様々な視点を知ることができました。それと同時に、地域でどんな学びの活動が起きているのか、職場の枠を飛び出して自分の目でもっと確かめる必要があることを実感しました。この信州これから会議そのものが、私にとって大切な"学び"の場となりました。ありがとうございました!

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