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「産業」のこれから/第2回

皆さんこんにちは。
「産業のこれから」を担当するファシリテーターの倉田と矢作です。

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11月24日開催のテーマ⑤「産業のこれから」のグループで議論が行われました。                                前回に引き続き、企業向けコンサルタントの方や観光コンテンツの企画に携わる方、大阪のテレビ局勤務の方等多彩な分野でご活躍されている方にご参加いただきました。

今回のテーマ議論の問いはズバリ!
「変化する産業に対してどのように対応していくべきか、どんな仕組み化ができるか」です。

この問いかけをもとに、参加者の皆さんと意見を交わした内容を、大きく3つにまとめてみました。

(前回の振り返り)
コロナ下における信州の産業の変化とは…
★量から質へと変化していく産業
★内と外の繋がりをどう考えるか
★考え続けていくことの大切さ
★生き残るための戦略(ターゲットを絞る、リピーターを作る、負けない強みを作る)


①信州の産業の強み=生産プロセス・体験の質を活かした地域資源の活用

生産過程の質を考える時代になる中で、コロナ下では、大規模(生産・消費)を追わないことは重要で、身の丈に合った生産・消費というものをみんなが考え出した。
● 生き残っていくためにはコアなファンを獲得することが重要。このまちだから来たいと思ってもらえるような工夫を考えるべき。また差別化も必要になってくる。
● 観光業の視点から言うと、レジャー・レクリエーション重視の観光から、知的好奇心に呼びかける観光に変わるように思う。その土地の歴史や食、文化、人等の魅力を発信し、地域の人に語り口になってもらうことで、「その地域ならでは」が生まれ、消費・稼ぐに繋がる。
● 「質」には「品質」と「生産プロセスの質」の2つの側面がある。消費者との距離が近く、独自の地域資源を持つ地域の事業者は、生産過程のストーリーの付加価値を向上させることで「生産プロセスの質」を磨き、それを強みにするべきではないか。
● 学生に木で小屋を作るということを林業の一端として体験させることで、モノづくりに対する印象を変えることができる
⇒地域資源を活用した産業の体験教育的価値の発掘
● 質を磨くにはどうするか。共存のエコシステムを作るには何をすべきか。
● 地域資源を活かすのが得意な小規模事業者が大企業の力を借りて、共存できないか。
⇒大企業はビジネスをスケール(規模拡大)させるのが強く、小規模事業者が苦手とするところ。地域資源を活かしたオリジナリティのある地域の商品・サービスを地域のプレーヤーが魂を込めて作って、それをビジネスとしてスケールさせていくにあたって、大企業とタッグを組むというやり方がある。
● 大企業と小規模事業者がタッグを組むというビジネスの形として、プラットフォーム化してしまうという手もある。小規模事業者が作り出すオリジナリティ(価値)を認めて、そういったものを集約することで、大企業も利益を出せる形になると思う。
● 大企業の視点からは収益という物差しから「SDGs」という新しい物差しで行けば、うまくタッグを組むことができそうだ。


②挑戦できる状況・環境づくりが地域の産業に新しい風を起こす

● 他との差別化が必要となってくるが、そのためには自分たちの魅力を地域住民との対話の中から見つけ出していく必要がある。
● 例えば森は長野県の資源であるとともに特徴のひとつなのだから、それを観光や教育に生かした使い方を地元の企業やNPO法人がやってもいいと思う。地域の中で動いていけば、強みになると思う。
新しい風を起こすのは、移住者の個人(ベンチャー)が多い(新しいチャレンジをしやすい)。というのもしがらみや地域の固定概念がないため。
● 長野県は移住者の多い風土で、それを受容できる地元の素地もある。地元の人ももう少し動いてほしいという気持ちはある。自分たちで地元を盛り上げるという事例がもっと出てきてもいいと思う。
● 移住者と地元住民とが相互に影響し合う、相互理解の枠組み作りが必要、つまりコミュニティの多様性を認める、学び合う「共育」という状況を作る。
● チャレンジができるための状況・環境づくりも重要で、挑戦して失敗した時に評価が下がるような人事評価制度を見直すような企業内部の組織改革も必要。


③新しい形を広めるために、SDGsを利用する・ICTを活用する

● 産業のこれからは人をどう呼び込むかということも視点の一つだと思う。そして地域の人とある種の化学反応が生まれて、新しいビジネスが生まれる。そこに長野ならではの特色を生かした、新しいサービス業を生めないか。
● SDGsを起点に大企業と地域の小規模事業者が共存できる仕組みがあるといい。それが翻って地域のコミュニティや企業間のコラボの広まりに繋がっていく、こうした循環を作っていきたい。
● 小さな取り組みは世の中に広く知らせる術がなかった。ネットの普及によって、その小さな取り組みを普及できるチャンスが格段に広がった。そこをしっかり生かしていく。メッセージ性があったり、興味をそそるようなものがあったりすると誰かにその地域の(商品の)魅力が届く。そこを地域の戦略としてしっかり生かしていく。
● 発信する側も、受信する側も、使いこなしていくことが重要。


★会議のポイント

量から質へのシフトを促進させ、差別化を図ること。その生産過程での質そのものがサービスとなり得ることなど、苦境であるからこその具体的なプロセスが情報交換された。同時に大企業の役割と地域の取り組みの組み合わせ、SNSなどのサービスをどう使っていくかなどの編集力が必要である認識も交わされていた。
(コメント:総合ファシリテーター 瀧内貫)

総合ファシリテーターによる 第2回の全体まとめはこちらから


〈信州これから会議 ご意見募集〉
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【第2回のワークショップを終えて】

倉田

倉田 早希長野県 企画振興部 総合政策課 統計室
前回2人から今回5人だったので、前回のイメージで進めていったら、一人一人の話す量が少なくなってしまいました。全員で少し狭い共通のテーマについて盛り上がりたかったが、会議中になにも思いつかず、議論が深められなかったのが反省です。誰かに話してもらった後のリアクションが「なるほど」だけで終わらないように少しコメントをしようとしましたが、ただ繰り返すだけになってしまったり、少し外れたことを言ってしまったり、うまくいかなかったので、次回に生かしていきたいです。

矢作 産業

矢作 郁瑠長野県長野地域振興局林務課
参加者に大変助けられた回でした。まとめ発表が全く整理できず話してしまいました。
「〇〇さんどうですか」という、雑な投げかけをしてしまうのが多かったです。ただ、一回目よりも参加者同士がより活発に議論できたことは、よかったと感じました。


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