納税者だけが偉いのか?

戦前、納税している人間のみ参政権が与えられていた時代があった。まるで納税している人間だけが国に貢献しているかのように考えて。しかし当時の納税者は、例えば小作人を搾取した金で納税していた。もとはといえば働く小作人のお金を巻き上げたもの。中間搾取者が偉そうにしていただけだった。
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高額納税者だけが国に貢献していると考えたら大間違い。高額納税者は、低所得の人たちから収入を巻き上げて自分の収入にしている構造がある。特に格差が拡大する今の現状では、その構造は残念ながらある。もし高額納税を理由に偉そうにする人間がいたら、搾取者だと思ってかまわないと思う。

新型コロナで私達は気づいたはず。ほとんどの人たちが家の中に引きこもる中、エッセンシャルワーカーの人たちが働いてくれていれば、なんとか社会が機能することを。そしてその人たちは社会に不可欠な仕事をしているのに、給与面で必ずしも恵まれていないことにも。

納税しているかどうかを目安にすべきでない。社会は働く人たちによって支えられている。所得の高下に関わらず、働く者は誇りに思ってよい。そのうえで、所得の格差があることに疑問を持って構わない。

もう一つ、重要な視点。経済は需要(消費)があるから回る。もしネット企業が将来、すべての商品の販売を牛耳り、配達から何からロボットや人工知能が行って、人を雇おうとしない時代が来たとしたら?儲からないだろう。みんな失業して、お金がないのでネット企業から商品を買うことができないから。

企業は、需要があるから儲かる。しかし需要がなければ儲からない。実は、社会は需要があるから回る。何なら働かなくても、お金があり、需要者になることができたら、その人は社会を動かす力となる。たから働くことは必ずしも全員に求められるものではない。

突き抜けた高額納税者がいる社会は、誰かの収入を搾取している可能性がある。そのために、大勢の人の需要を消している可能性がある。お金持ちはお金を貯めるのが好きで、大してお金を使わないから。その分需要を減らし、社会が回らないようにする。高額納税者は、もしかしたら需要を減らす張本人?

エッセンシャルワーカーなど、本来、社会を支えてくれている人たちに十分な収入を。事情があり、働けない人も、需要者となるよう何らかの手立てを。そうして社会全体の需要を増やし、社会を活性化することが望ましい。高額納税者だけが社会に貢献してるかのようなまやかし言う人間は信用ならん。

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