マウンティングする人の武装解除

学歴自慢、ステータス自慢する人の話に「さしすせそ」(さすが!知らなかった!すごい!センスいい!そうなんだ!)反応するとますます自慢が長引く。話を聞いていてつらい。だから私は、自分の関心ある分野に話を変えてしまう。その際、相手の自慢をうまく利用してスライドさせてしまう。

「知識もご経験も大変豊富なご様子。ついては、以前から疑問に思っていたことがあるので、どうしたらいいか、教えてもらえませんか?」と、相手の自慢に乗りつつ、そして教えてもらうというスタイルで相手を立てつつ、自分の土俵にスライドさせてしまう。そして実際、答えがなくて困る話題をぶつける。

「私じゃなく、友人の話なのですが」と、子育てや夫婦仲の問題など、実際問題として解決の難しい話題を出し、「こうした場合、どうしたらよいでしょう?」と聞くと、結構親身になって考えてくれる。「それは難しいなあ!どうしたらいいかなあ?」いつの間にやら、マウンティングはなくなってる。

出てきたアイデアに対しては否定的な態度をとらず、「なるほど、そんな考え方もできるんですね。ただ、今気がついたのですが、その場合、こんなことが起きたらどうしたらよいでしょう?」と、さらに問う。すると大概、うーん、とうなって、一緒に考えてくれる。

この、「一緒に考える作業」を共有することは気持ちのよいことらしく、以後、自分に対してはマウンティング的行為はとらなくなる。悩みを打ち明けてくれた、という感覚が、「自分を認めてくれた」という安心感につながり、「この人にマウンティングする必要はない」となるのかもしれない。

学歴自慢、ステータス自慢をする人は、もしかしたら、自分は中身が空っぽな人間ではないか、という不安を持っているのかもしれない。その不安があるからこそ、「そんなことはない!」と虚勢を張っているのかも。ならば、虚勢を張らずとも、あなたの「素」を認めてますよ、と伝えるのが効果的。

相談する、ということは、あなたに内実があると見込んでる、ということを裏メッセージで伝えることになる。そして、相談に乗った言葉に否定的な反応をしなければ、「あなたの意見を私はまともに受け取ります」ということが伝わるのだろう。それで武装解除ができるのかも。

「さしすせそ」をやっちゃうと、相手は外側の飾り付けを脱ぎ捨てるタイミングを見失い、むしろさらに飾り付けることに必死になってしまう。内側ががらんどうな不安をますます強め、余計に自慢話でぬりつぶそうとする。その武装解除を行うのに、相談する体は有効。

注・自分の悩みとして相談しちゃうと、「相談に乗ってやった」相手として恩売られて関係固定される恐れがあるので、友人の話ってことにすると無難です。

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