願望のタネを蒔く

息子(小三)の箸の持ち方は少し変。箸がクロスしてる。
時折、正しいとされる箸の持ち方に挑戦してるようだけど、「まだ手指が小さい間はムリだよ。中学生くらいになってからかなあ」と言っている。
この声かけには一応、狙いがある。

今すぐ直せ、と周りがヤイノヤイノ言うと子どもは意固地になり、むしろ「何が正しい箸の持ち方だ!」と反発して、大人になっても箸の持ち方を改めなくなる可能性が高くなる。
「中学生になってからでいいよ」と言うと、子どもはアマノジャクだから、中学生になるまでにできるようになりたくなる。

それに、中学生というのは思春期に入り、異性からどう見えるかが気になるお年頃。箸の持ち方を改めること自体に嫌気がさしていなければ、子どもは知らないうちに直そうとする。
中学生になるまでに箸の持ち方を改められたらな、という願望のタネだけ蒔いとけば十分。

それに実際、いわゆる正しい箸の持ち方は、小さな手指の子どもには難しい。可動域が狭く、大きなものをつまめない。ある程度大きな手にならないと、難しい面がある。子どもなりに工夫して今の方法にたどり着いてる。無理をさせる必要はない。

まだ正しい箸の持ち方が難しい時期にきちんと持てとやかましく言えば、箸の持ち方を改めること自体に嫌悪感、反発が生まれる。それでは逆効果。むしろ「願望」をタネを蒔きそれがいつ発芽するかは本人の裁量に任せると、不思議なもので、自発的にどうにかしようとする。そっちの方が結局早い。

本人がああしてみたい、こうしてみたいという願望を抱くようにすること、それを実行する時期は本人の裁量に任せること、実行したときは「やれなんて言ってなかったのに、自分からやったの?!」と驚いて見せること。この3つを心がけてると、大概子どもは自発的に能力を伸ばしていく。

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