育児中にリスキリング?そんな体力気力残ってへんわ

真面目に育児した人から意見を聞いた形跡がまるで見えない。びっくり。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6a8002cf6e47f2a86464bf9c074221be94d3c9d9

知人は産後休暇・育児休暇という「休暇」という名称が様々な誤解(特に育児経験のない一定年齢以上の男性)を生んでると指摘する。そこで知人の推奨してるのが「出向」。産後出向、育児出向と呼べば、育児は仕事と匹敵するどころか「こんなに大変とは思わなかった」というイメージに一歩近づく。

職場からすれば、職場を離脱したら休暇だと言いたいのだろうけど、休暇という言葉は「何もすることがなくダラダラできる」というイメージがこびりつき、これが育児経験のない高齢男性に思い違いを増幅させる原因になっているように思う。しかも育児休暇を取った男性まで勘違いするケースがあるという。

せっかくの休暇なんだから休ませてくれ、と、妻に育児を任せっぱなしでダラダラ過ごす男性の話がいまだになくならない。残念ながら、このときの態度が離婚につながってるケースを実によく聞く。この時期に女性に育児を押しつける姿勢は、離婚の原因になって当然のことのように思う。

授乳期の赤ちゃんは3時間ごとの授乳が必要。このため、母親は極端な睡眠欠乏に陥る。「3時間ごとなら2時間は眠れるだろ」と知らない人は言うことがあるが、とんでもない。赤ちゃんの個性にもよるのだが、ほとんど眠れないことが少なくない。

授乳後、なかなかゲップが出ない。ゲップをさせないとミルクが逆流し窒息死する恐れがあるので必ずゲップさせる必要がある。これがなかなか出なかったりする。三十分背中をトントンしても出ない。寝かすとミルクを吐いて窒息させる恐れがあるから抱き続けなければならない。

首が座っていないから、抱き方もぞんざいにはできない。だから非常に腕が疲れる。お腹が膨れるとウンチやおしっこする事が多い。残念なことにウンチが大量でおむつからはみ出るハプニングがしょっちゅう。しかしゲップさせてからでないとダメ。こちらの服が汚れることも。

初めての育児だと、おしりふきも要領が悪い。睡眠欠乏だからさらに手際が悪い。服にウンチがついてるのを脱がすときにまた別の場所についたり。全部拭いたと思ったら背中の上まで広がっていたり。赤ちゃんがこごえないように気を使いつつ、バタバタ。

ウンチで汚れた服はすぐに水につけておかないと汚れがとれない。立て続けにウンチで汚れることも多く、産着のストックが枯渇しかねないので洗濯を急がねば。雨が降ると乾きが悪い。哺乳瓶は洗浄し、干しとかなきゃいけない。自分も食事を取らなきゃ。そんなこんなでもう次の授乳の時間に。

「いつ寝るんだ!」という状態。拷問で最も耐え難いのが睡眠を奪うことだという。ねむらせてもらえない拷問に耐えられる者はおらず、やってない犯罪も自分でやったと自白するから「眠らせてくれ」となるという。授乳期の睡眠欠乏はこの状態に陥りやすい。母親一人でできることではない。

正直、夫が全面的に参加してもキツイというケースが見られる。赤ちゃんが静かに眠っていると「息してる?」と不安になり、何度も呼吸を確かめずにいられない。赤ちゃんはまれに突然死することがあると聞かされているので、気が気でない。多くの母親は熟睡することができなくなる。

夫婦で育児に取り組んでも、二人して睡眠欠乏気味となり、ヘトヘトになることが多い。睡眠が不足すると記憶力が落ちる。ワンオペ育児で極端な睡眠欠乏に陥った女性は、この時期の記憶があいまい。すごく苦しかったのだけど、何が大変だったか具体的なことが全く思い出せない女性は多い。

そんな状態で、育児だけで大変で体力気力を消耗してヘトヘトなのにリスキリング?「ナメとんのかワレ」という河内弁がこれほど似つかわしい話もなかなかない。
岸田首相は、育児のことに触れるときはその経験者に尋ねることくらいはやった方がよい。あまりにも軽く考えすぎ。

もはやこうした勘違いを防止するためにも、「休暇」という名称をやめて、「産後出向」「育児出向」と呼ぶように推奨したい。ぜひ広めて頂けたらと思う。
#産後休暇じゃなく産後出向
#育児休暇じゃなく育児出向

育児経験のない高齢男性は知らないことを一つ。赤ちゃんはしばらく、母乳やミルクを飲むのもヘタだったりする。母親も初めてだからうまくいかなかったりする。そのうち赤ちゃんは疲れて眠ることも。ろくに母乳(ミルク)を飲んでないので、すぐ空腹で泣き出してしまう。こうなると3時間おきどころか。

1時間ごとに授乳しなければならなくなる。少し飲んでは疲れて眠る、というリズムになってしまうと大変。親は眠ることができなくなる。
この悪循環を改善するには少しコツがある。赤ちゃんに生きる力、元気があることが前提になるけど、泣いてすぐミルクを与えるのではなく、少しタメを設ける。

空腹も度が過ぎると空腹感が去ってしまうので気をつけなければならないが、泣いても少しだけ我慢し、それからミルクを与えると、すぐに与えるより飲む量が多くなる。空腹感を少し強めてからだとよく飲む。飲む量が増えると次の授乳まで眠る時間が長くなる。

泣いたからすぐ与える、だと、大した空腹感がないから、少し疲れただけでウトウトしてしまう。ミルクの飲みが悪いと赤ちゃんはすぐに体重を落とす。赤ちゃんが死んでは大変とよけいに心配になり、泣いたらすぐミルク、で、授乳のタイミングがどんどん短くなる悪循環が起きることがある。

少し空腹感を強めてから授乳する、というのが、悪循環から抜け出す一つのコツ。
あと、授乳が初めてだと乳首を押しつけがち。すると赤ちゃんは息が苦しくて飲むのをやめたりする。
私は男だからミルクを与えたのだけど、私が見つけたコツは。

哺乳瓶を引き気味にすること。赤ちゃんは飲む動作に疲れると、お腹いっぱいになる前に眠くなることが多い。このときに押し付けてもかえって嫌がる。
で、私はわざと口から離れそうなように哺乳瓶を引き気味にした。油断すると口から離れる、というふうにすると、赤ちゃんは本能的に逃すまいと。

また勢いよく吸いつく。飲むのに疲れてウトウトすると哺乳瓶を引く。すると逃すまいと必死に吸いつく。これを繰り返すと、量を飲ませることができ、赤ちゃんもぐっすり眠れるようになる。

こんなことも、育児経験を摘まないと気づかなかった。「押してダメなら引いてみな」という試行錯誤が育児では満載で、言われたことをこなすだけでも仕事だと成り立つことがあるのと違い、自分の頭で考え、試行錯誤が欠かせない。すごく鍛えられる。

育児そのものが、人間としてのリスキリングだと言える。なのにそれをおろそかにして仕事上のリスキリングをしろというのが、育児をナメ過ぎにも程がある。
自民党はどうも育児の実態にうとすぎる人が多すぎる。それこそ育児して人間を学び直した方がよいかもしれない。

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