工夫を楽しむ力は課題解決能力

子どもの頃は大工仕事がキライだった。実のところ強い興味があったのだけれど、弟が上手くて比較され、「あんたはどんくさい」と親から言われて「大工仕事なんかするもんか」と腹を立てていた面もある。

結婚し、必要に迫られて大工仕事すると、今思えばずいぶんとヘタクソなのだけど、生活場面に合わせてカスタマイズした道具を作るとYouMeさんが「ありがとう」と言ってくれるのが嬉しくて、次はどれを作ろうかと企むように。今の家では、勝手口に網戸をつけたり、屋根を伸ばして作ったり。

子どもたちの本棚を作ったり、庭に屋根を伸ばして、雨の中でも大工仕事ができる空間作ったり。以前なら考えられないほど、大工仕事が上手くなった。とはいえ、性格が現れていて、細部が雑なのだけど、まあ、トータルでどうにかなってればよし、と考えてやってる。

かつて手を出そうとしなかった大工仕事が大好きになった自分の変化を思うと、いくつか気づくことがある。
・能動的に工夫することは楽しい。
・それによってものが出来上がっていくのは達成感。
・ヘタクソでも工夫し、以前と違うところに気づいてくれるとさらに工夫しようとし、上手くなる。

私は子どもの頃、ノコギリを引いてもまっすぐ木を切れなかった。クギを打てば歪んだ。まっすぐ切れるしまっすぐクギを打てる弟と比べられて「あんたは不器用やな」と言われて、すっかりイヤになった。人と比較され、ダメ出し喰らうとすっかりキライになる。私もご多分に漏れなかった。

けれどYouMeさんは他の人と比較しなかった。やろうとした工夫に感心してくれた。それが嬉しくて、今度はもっと上手に作ろう、もっと別の工夫をしようと企んだ。だから私なりに大幅に大工仕事が上手くなったのだろう。もちろん、もともと上手い人とは比較にならないだろうが、私史的には大幅上達。

人と比較するのって、本当、つまらないと思う。その人が工夫しようとしたことに気づき、面白がれば、その人はさらに工夫しようとする。工夫することを楽しむ。すると、他の人と比べてどうかは別として、その人は過去にない成長をする。ならば、その人なりに最速で成長するのだからよいではないか。

工夫に気がつき、それに感心すると、人は工夫するのが楽しくなる。工夫すれば必ず成長する。上手くなる。技術は進歩し、知識は広がり、定着する。やがて、人から感心されなくても工夫することそのものが楽しくなる。自発的能動的に工夫するようになる。

子育てでも同様だと思う。他の子と比較してくさすのは有害無益。それよりは、その子の工夫に気づき、感心してみせたらよいのだと思う。その子はますます工夫し、のめり込み、課題を解決していく力を身につける。工夫することを楽しむ。工夫を楽しむ力は、人生を切り開く力になると思う。

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