意見が分かれるのは必要なこと

私はワクチンについて意見が分かれたり、政治に対する意見が分かれたりするのは「必要なこと」と考えている。予測不能な未来に対応するのに、異なる意見がある多様性は、とても大切。だから、私は異なる意見の人を否定するのはちと違うと考えている。

アリは道しるべフェロモンというのを落としていって、仲間が正確に道をたどれるようにしている。ところが面白いことに、道しるべフェロモンを見失って道に迷うおっちょこちょいなアリが一定数いるのだという。そしてそのアリが道を踏み外す結果、最初のアリが見つけた道より近道が見つかる。

最初のアリはエサを探し求めてウロウロしてるから、その道は遠回り。正確に道しるべフェロモンをたどれるアリばかりだと、遠回りを続けることになり、効率が悪い。道しるべフェロモンを見失うおっちょこちょいアリを混ぜることで、近道を作れるようにしてるらしい。アリすげえ。

自分と異なる考えの人がいるということは、予想もつかないとんでもないことが起きたとき、全滅せずに済む可能性を高めている。だから、異なる意見の人がいるということは、人類生態系として必要なことなんだろう、と考えている。

私なりに、これはこう考えるのが妥当だろう、と仮説は持っている。しかし、他の人が他の仮説を持ったとしても不思議ではない。全員を同じ意見で染め上げるのは生態学的にリスクが高いので、やめといた方がよい。私は、自分と同意見の人を増やしたいという本能に素直に従うが、全員には押しつけない。

人間の小賢しい知識より、生命は賢かったりする。もっと生命の不思議な力を信頼してよいように思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?